
ブラジルサッカーチームの監督として、数々の最も秀でた実績を上げたテレ・サンターナ氏の著作。以前の読んだ、車椅子のサーッカー監督、羽中田昌・著 『みんなの声がきこえる』 羽中田昌 (四谷ラウンド) の中にテレ・サンターナのことが書かれていたので、古書店で目に付き読んでみた。
【監督はどこか精神分析医のような役割】
著者がサンパウロFCの監督をするようになってから、快進撃が続き、多くの優秀な選手が高額のオファーで海外のクラブに売却されていったので、若い選手にトップ入りさせる機会が多かったのだという。若い選手が次々に育っていったので、サンパウロFCは何年間もブラジル№1チームに君臨し続けた。選手の売却益でサンパウロFCは財政的に非常に潤ったのだという。
高額な選手を買い揃え、それでも低迷している日本のプロ野球・ジャイアンツは手段を誤っている。メジャーに高額で売却できるような日本人の若手選手をどんどん育てるために、彼らにもっともっと出場機会を与えればいいのである。日本の優れた工業製品が世界中で売れているように、日本の優れたスポーツ選手が世界中で買われるようになることが繁栄への道筋である。既に若手の日本人選手の中には、玉となる人材が少なからず潜在している筈である。若手人材の出現を阻むフロントと監督は大いなる“人罪”である。
選手によっては、不安感いっぱいで震えながらトップ入りする者もいた。しかしそうした場合、監督はどこか精神分析医のような役割を負い、選手と話をすることになる。「私はなにも君に救世主になるように要求しているのではない。君は他の者と同じようにひとりの選手だが、このポジションに相応しいと思われたから抜擢したのだ」 と、言って聞かせるのだ。 (p.78)
この手の、言葉によるマジックはよく耳にする。著者がサンパウロFCの監督をするようになってから、快進撃が続き、多くの優秀な選手が高額のオファーで海外のクラブに売却されていったので、若い選手にトップ入りさせる機会が多かったのだという。若い選手が次々に育っていったので、サンパウロFCは何年間もブラジル№1チームに君臨し続けた。選手の売却益でサンパウロFCは財政的に非常に潤ったのだという。
高額な選手を買い揃え、それでも低迷している日本のプロ野球・ジャイアンツは手段を誤っている。メジャーに高額で売却できるような日本人の若手選手をどんどん育てるために、彼らにもっともっと出場機会を与えればいいのである。日本の優れた工業製品が世界中で売れているように、日本の優れたスポーツ選手が世界中で買われるようになることが繁栄への道筋である。既に若手の日本人選手の中には、玉となる人材が少なからず潜在している筈である。若手人材の出現を阻むフロントと監督は大いなる“人罪”である。
世界全体が市場であるサッカーと、環太平洋の北半球だけが市場の野球では、将来的な発展状況の違いを容易に予測できてしまうけれど、人・物・金そしてメディアが国境を越えているのだから、いかなる斯界であれ国内で閉じていては始まらない。日本のメディアは、アメリカで活躍する日本人選手ばかりではなく、台湾や韓国の選手のことも報道すべきである。私は台湾の若者達がイチローや松井のことを知っているのに、NYヤンキースで大活躍している台湾の王建民投手のことを知らなかったので、大いに恥じたことがある。
【サポーターとの関係】
テレ・サンターナ監督は、サンパウロFCのファンクラブの会長を集め、こう言ったのだという。
野次を飛ばさなくなったファンの人生をも善化させているはずである。
テレ・サンターナ監督は、サンパウロFCのファンクラブの会長を集め、こう言ったのだという。
「皆さんが私たちを応援していることは分かっている。サンパウロFCによかれと思って応援していることも知っている。だが、野次を飛ばすことは決してチームにとってよい応援とはならない。野次を飛ばされては、良い結果は生めないのだ」
そして、一つの提案をした。「こういうことにしようじゃないか。チームの成績に不満があるなら、フロントに私を追い出すように言ってもらいたい」 (p.90)
その日から野次はなくなったという。否定的な言葉は、精神的に選手を損なうものであることは間違いない。そして、一つの提案をした。「こういうことにしようじゃないか。チームの成績に不満があるなら、フロントに私を追い出すように言ってもらいたい」 (p.90)
野次を飛ばさなくなったファンの人生をも善化させているはずである。
【自己管理の要請 : 規律と品位】
日本的な道徳観で言えば、規律は “徳を損なわない” こと、品位は “徳を高めること” に通ずるのであろう。
選手としてキャリアを続けていきたければ、生活習慣には気を配らなければならない。
だが、このことを理解出来ない者は多く、こんなことを言う者もいる。
「俺の人生だ。誰にも関係ないことだし、俺は自分の好きなようにやる」 こう言う者はたいてい、早期にだめになってしまう。 (p.125)
私はゼゼー・モレイラの指導をつぶさに観察していた。彼のやっていることにとても関心があったのだ。同年代にフルミネンセでプレーしていた選手では、私以外にもヂヂやカスティーリョ、ピニェイロも監督に転進している。みんな、ゼゼー・モレイラのやり方を踏襲し、若い世代に伝える監督となった。ゼゼー・モレイラは選手に規律と品位を要求し、また各人の義務を果たすことを求めた。 (p.130-131)
規律と品位。これは、世界中のあらゆる分野の成功者に共通する絶対条件であろう。だが、このことを理解出来ない者は多く、こんなことを言う者もいる。
「俺の人生だ。誰にも関係ないことだし、俺は自分の好きなようにやる」 こう言う者はたいてい、早期にだめになってしまう。 (p.125)
私はゼゼー・モレイラの指導をつぶさに観察していた。彼のやっていることにとても関心があったのだ。同年代にフルミネンセでプレーしていた選手では、私以外にもヂヂやカスティーリョ、ピニェイロも監督に転進している。みんな、ゼゼー・モレイラのやり方を踏襲し、若い世代に伝える監督となった。ゼゼー・モレイラは選手に規律と品位を要求し、また各人の義務を果たすことを求めた。 (p.130-131)
日本的な道徳観で言えば、規律は “徳を損なわない” こと、品位は “徳を高めること” に通ずるのであろう。
<了>