イメージ 1

 江戸川学園取手中・高等学校の校長を務める著者の書籍。優れた教育者というのは、やはり民間教育機関から出現する。

 

 

【自信と誇りをもたせることが「心の教育」】
 自分に自信があれば、人は他人に優しくなれます。人を思いやる余裕が生まれます。自分に誇りがある人は、簡単に何かをあきらめない忍耐強さをもっている。つまり、生徒たちに自信と誇りをもたせることが「心の教育」なのです。 (p.58)
 生徒たちに自信と誇りをもたせるために、著者は、「東大、甲子園、花園をめざせ!」 を開校1年目からスローガンにしてきたのだという。甲子園は3年目で実現し、東大合格者も7年目から実現し続けているそうである。


【ライバルではなく切磋琢磨しあう仲間】
 私は生徒たちに、江戸取生同士はライバルではなく、仲間なのだと言っています。・・・(中略)・・・
 江戸取生は誰もが
「先輩の実績は後輩へのプレゼント」
「後輩の実績は先輩のステイタス」
「友達の実績は自分の実績」
 とのフレーズを抱いているのです。
 ゆえに、日常生活の中で「君たちは仲間なのだ」ということを認識させたほうが、生徒は互いに良いプログラム同士が影響し合い、グングン伸びるのです。・・・(中略)・・・。江戸取では、昼休みや放課後、生徒同士が勉強を教えあっている風景をよく目にします。 (p.81)
 このような意識が定着している場では、ボトムアップ教育よりはプルアップ教育のほうが相応しい。
「一緒に学校にいるのは、ライバルではなく切磋琢磨しあう仲間だ」という意識が定着している生徒たちには、頂点が高まれば全体が高まる、トップが伸びると全体もレベルアップする、という特性があります。この特性を活かせるのが、プルアップ教育なのです。 (p.83)
 「仲間意識」が定着していれば、ネガティブな競争へと向かうエネルギーを排することができるのと同時に、教える側も少ない労力で効果的に全体をレベルアップすることが可能になる。

 

 

【ネット授業】
 今では、江戸取のネット課外、ネット授業には、・・・(中略)・・・「生徒たちが少しでも楽しく、効率的に学べるようにしたい」という先生たちの一念がこもった学習コンテンツが満載されています。 (p.146)
 PCの苦手な先生にも、「自分で作らなければ自分のハートは伝えられないから」ということで、全員にホームページ作成を要請し、それが実現してきた成果が、今ではネット課外、ネット授業として満載になっているのだという。上記に続いて、以下のように記述されている。
 これらのコンテンツが、特定非営利活動(NPO)法人ネットワーク教育機構(NEO)から日本中に配信されることで、先進国の中で最も遅れた日本のeラーニングが伸展することを期待します。日本のADSLは世界一安く、しかも最速なのです。パソコンも安くなりました。良いコンテンツがあれば、世界一のeラーニング環境にあるのです。活用しない手はないのです。 (p.146)

 

 

 私は、このブログに江戸取流の核心となる「道徳教育」に関する部分を敢えて書き出さなかった。下手に書き出すよりは、興味を持った方は自分でこの著書を買って読んだほうが良いと思ったからである。
 著者が抱いている100年の計となる教育事業の核心は、「道徳教育」を中心に、江戸取卒業生すべての誇りとなるのであろう。「私自身が、江戸取の卒業生であったらよかったのに」 と思えてしまうような、素晴らしい学校に思えて仕方がない。
 
<了>