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 タイトルから内容に興味を持ったのであるけれど、著者は、経営コンサルタント会社の経営者。

 

 

【情報を受け渡す経営コンサルタント】
 アメリカのタウンゼントという人が「経営コンサルティングとは、他人から時計を借りて、今何時ですよと教えてやるようなものだ」といったそうですが、まさにその通りなのです。 (p.32)
 かなり単純化した喩えではあるけれど、そうであるからこそ、経営コンサルタントは、伝えるに先んじて学ぶことがいくらでもあり、伝えるにあたって密度の濃い情報にしようとする知的営為が必要になってくる。
 故に、読者として学べる素材が比較的多いのが、経営コンサルタント会社の経営者の著す書籍である。

 

 

【京浜現場大学】
 私は一応東大を出たことにはなっていますが、私が東大で教わったことは、今の仕事にはほとんど役立っておらず、私の頭の中にある財産は大部分が 「京浜現場大学」 で教わったものと言えましょう。ありがたいことでした。 (p.94-95)
 この書籍のタイトルは、抹香臭い説教じみた内容を意図するものではなく、著者が仕事を通じて実体験から得たもによって喚起され発想されたものである。
 著者の場合は、現場での聴き取り(耳学問)から全てが始まっていた。

 

 

【給料を要るだけ出す経営日本主義】
 創業者の出光佐三氏(故人)は「マルクスが日本に生まれたら」という本を書いていますが、それを読むと、出光佐三になるとあるのに唖然としてしまいます。出光さんは右の七不思議(給料を要るだけ出す、定年・首切り・タイムレコーダー・労組・就業規則・残業手当なし)を「経営日本主義」と言われましたが、日本的家族主義を徹底すると、首切りも定年もなくなり、就業規則やタイムレコーダーでしばることもなくなると言います。
 給料は要るだけ出るというのは、結婚・出産によって生活費が増える分だけ出るという意味です。身分と収入がしっかり保証されているのですから、労組は必要なくなり、提唱する人がいても誰もついてゆかないそうです。
 この出光佐三店主(一生社長と呼ばせず店主で通しました)は無責任な株主が大嫌いで、株式会社にはしたくないと頑張ったのですが、戦時中に軍部の強要でやむなく株式会社にしましたが、ついに公開せず、借入金中心で会社を発展させてきたのです。
 現在の出光がどの様になっているのかは分からないけれど、興味深いので書き出しておいた。
 富の格差が進み将来に不安を抱えている人々が大多数となっている現在の企業社会の中で、日本的家族主義として語られている出光の事例は、異彩を放っている。そのキーワードは、“安心” である。
 しかし、現在の一流巨大企業の中枢は、実は、この “安心” を実現している。高品質製品の生産とも不可分の関係にあるのが “安心” である。
 

 

【Leader】
 すぐれた経営者はよき聴き手であることを事例をあげて説明してきましたが、このようにリーダーは常に良き聴き手であることを期待されているのです。アメリカの経営教育でも、次のように教えているそうです。
L・・・listen ・・・傾聴する
E・・・explain ・・・説明する
A・・・assist ・・・援助する
D・・・discuss ・・・話し合う
E・・・evaluate・・・評価する
R・・・response・・・責任をとる
 というわけで、リーダーシップはリッスンに始まると教えているのです。 (p.125)
 日本でこのようなビジネス標語のようなものに、「オアシス運動」 と 「ほうれん草」 がある。このブログを読むかもしれない外国人のために書いておく。

 

「オアシス」
お : おはようございます。
あ : ありがとうございました。
し : 失礼します。(失礼しました)
す : すみません。

 

「ほうれん草」
ほう : 報告
れん : 連絡
そう : 相談

 

 

【ケチをつけずに悪乗りするくらいに】
 その会議がうまくいっているか、ホンネが出ているか、アイデアがポンポン出ているかどうかは、笑い声がどのくらい活発に出ているかをみることにより、かなり正確に判定できるものです。 
 笑いのあるムードづくりに専念するリーダーは、素晴らしいリーダーです。 (p.166)
 
【まとめにこだわると面白くなくなる】
 まとめというのは抽象的ですから、面白みは減ってゆくのです。話しは具体化するほど面白くなります。実例ほど面白いものはありません。まとめはその逆をゆくものですから話がしぼみがちになるのです。 (p.169)
 まとめが上手で、知性がギラつくリーダーは、素晴らしいリーダーとは言えません。
 
<了>