9.12 霊長類医科学研究センターへの質問状 | CAPIN(キャピン)公式活動報告

CAPIN(キャピン)公式活動報告

認定NPO法人「動物愛護を考える茨城県民ネットワーク CAPIN」
公式ブログ


霊長類医科学研究センターへの質問状

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所
霊長類医科学研究センター 御中

~実験動物の飼養・使用及び実験終了後の処遇等に関して~

私どもは、実験動物の生命と福祉、ならびに動物を使用しない研究方法への移行に関心を持ち、国内における実験動物の飼養・使用状況について調査しております。

貴センターにおかれましては、カニクイザルをはじめとする霊長類を飼養し、医科学研究等を実施されているものと承知しております。

霊長類は高度な認知能力、社会性及び感情を有する動物であり、その研究利用について社会が考えるためには、使用頭数だけではなく、動物の入手・出生から実験、実験終了後の処遇に至るまでの情報が市民に明らかにされることが重要であると考えます。

つきましては、以下について可能な限り具体的にご回答くださいますようお願い申し上げます。

1.現在の飼養頭数について

現在貴センターで飼養している霊長類について、カニクイザル、アカゲザル、マーモセットその他の種別、雌雄別及び年齢区分別の頭数をお示しください。

また、実験用、繁殖用、育成中、実験終了後の継続飼養等の用途別に把握されている場合には、その内訳もお示しください。

2.年間使用頭数について

直近10年間について、年度ごとの霊長類の、

  • 実験使用頭数
  • 新規に実験へ使用した頭数
  • 複数年度にわたり継続使用した頭数
  • 繁殖に使用した頭数

を種別にお示しください。

3.出生・入手について

直近10年間について、センターで出生した霊長類の頭数を、年度・種別にお示しください。

外部から購入又は譲受した霊長類については、

入手先、生産国・出生国、国内繁殖か海外由来か、年度、種別、頭数

をお示しください。

海外から輸入された霊長類が含まれる場合には、可能な範囲で輸出国及び供給事業者についてもお示しください。

4.外部への供給について

貴センターから大学、研究機関、企業その他へ霊長類を供給又は移管している場合、直近10年間について、

供給先の区分、年度、動物種、頭数、目的

をお示しください。

5.実験内容について

霊長類を使用して現在行われている研究を、可能な範囲で、

感染症研究、ワクチン研究、医薬品研究、神経科学研究、生殖研究、加齢研究、免疫研究、毒性・安全性研究、その他

などの分野別に分類し、年度ごとの実験計画件数及び使用頭数をお示しください。

また、病原体への感染、薬物投与、外科手術、採血、採髄、組織採取、拘束、行動実験等を伴う研究がある場合、その概要をお示しください。

6.感染実験について

霊長類を用いる感染実験について、直近10年間の、

実験件数、使用頭数、病原体の種類又は分類、BSL区分

を、公開可能な範囲でお示しください。

感染実験に使用された動物について、感染後に回復させ継続飼養する場合と、実験終了時に安楽死する場合の判断基準もお示しください。

7.苦痛度について

貴研究所・センターでは動物実験による苦痛・侵襲の程度をどのように分類していますか。

苦痛度分類を実施している場合には、直近10年間について、

苦痛度別の実験計画件数及び可能であれば使用頭数

をお示しください。

特に、重度又は長期間の苦痛を伴う実験について、その必要性をどのように審査しているかお示しください。

8.麻酔・鎮痛・拘束について

霊長類への外科処置、侵襲的処置等における、

麻酔、術中・術後の鎮痛、獣医学的管理、人道的エンドポイント

の基準をお示しください。

また、無麻酔状態で身体拘束を伴う実験を実施している場合には、その種類、最長拘束時間、馴化方法及びストレス軽減措置についてお示しください。

9.実験中の死亡について

直近10年間について、実験期間中に死亡した霊長類を、

年度別・種別・死亡原因別

にお示しください。

予期しない死亡が発生した場合、その原因調査及び再発防止をどのように行っているかについてもお示しください。



10.安楽死について

直近10年間について、研究・実験又は繁殖等に関連して安楽死された霊長類の年間頭数を、可能な限り理由別にお示しください。

また、使用している安楽死方法及び、その方法を選択する基準についてお示しください。

11.実験終了後に生存している動物について

ここを特にお尋ねします。

実験が終了した時点で生命を維持でき、医学的にも直ちに安楽死する必要がない霊長類について、

年間何頭程度が存在するのでしょうか。

また、その動物はその後、

継続飼養/別の研究への再使用/繁殖利用/他施設への移管/安楽死/その他

のいずれになるのか、直近10年間の実績を可能な限りお示しください。

12.同一個体の反復使用について

一頭の霊長類が複数の実験に使用されることはありますか。

ある場合には、

一個体について行われる実験回数、使用期間、再使用を認める判断基準、累積する苦痛・侵襲をどのように評価しているか

をお示しください。

13.実験終了動物の譲渡・リホームについて

実験終了後又は繁殖終了後の霊長類のうち、健康状態等から生存可能な個体を、

一般家庭、動物園、サンクチュアリ、動物保護団体その他の施設へ譲渡・リホームした実績

はありますでしょうか。

実績がある場合には、直近10年間の年度別頭数及び譲渡先の区分をお示しください。

実績がない場合には、その理由をお示しください。

14.「安楽死ではなく生存」を検討する仕組みについて

実験終了時に、科学的・医学的理由から安楽死が不可欠な場合を除き、

「この個体を生存させることは可能か」

を個体ごとに検討する制度はありますでしょうか。

ない場合には、今後このような審査制度を導入することについて、貴研究所・センターのお考えをお聞かせください。

15.サンクチュアリへの移行について

海外には、研究利用を終えた霊長類をサンクチュアリ等で終生飼養する考え方があります。

貴センターにおいても、研究終了後に生存可能な霊長類について、

研究施設外の適切な終生飼養施設へ移す制度

を検討する余地はありますでしょうか。

また、民間の動物保護団体等から適切な飼養環境及び費用負担を含む具体的な受入れ提案があった場合、協議することは可能でしょうか。

16.繁殖終了個体について

繁殖に使用され、繁殖年齢を終えた霊長類について、どのような処遇を行っていますか。

直近10年間について、

継続飼養、研究利用、他施設への移管、死亡、安楽死等

の頭数を可能な範囲でお示しください。

173Rについて

Replacement(代替)、Reduction(削減)、Refinement(苦痛軽減)について、直近10年間に、

動物実験を非動物実験へ変更した事例、霊長類の使用頭数を削減した事例、苦痛・侵襲を軽減した事例

を具体的にお示しください。

18.霊長類を使用しない代替研究について

オルガノイド、Organ-on-a-Chip、ヒト細胞・組織、コンピュータモデル、AIその他の技術によって、これまで霊長類を必要としていた研究を代替する取り組みを行っていますでしょうか。

現在の研究内容及び今後の方針をお示しください。

19.施設内で生涯を終える霊長類について

貴センターで出生又は受け入れられた霊長類のうち、最終的にセンター内で死亡又は安楽死する割合を把握されていますでしょうか。

把握されている場合には、その割合又は頭数をお示しください。

20.情報公開について

今後、

年間飼養頭数、年間使用頭数、出生・入手数、死亡数、安楽死数、実験終了後生存数、譲渡・リホーム数、苦痛度別使用状況

を毎年度公開することをご検討いただけないでしょうか。


私どもは、研究者個人を非難することを目的として本質問を行うものではありません。

生命科学・医学の発展と同時に、研究に用いられる動物の生命と福祉について社会全体が考えるためには、研究機関と市民との間で事実を共有することが不可欠であると考えております。

特に私どもが知りたいのは、単なる「使用頭数」だけではありません。

一頭の動物がどこで生まれ、どこから研究施設へ入り、どのような研究に使用され、どの程度の苦痛を経験し、そして研究終了後に生き続けることができたのか、それとも死亡・安楽死に至ったのか。

この一連の過程を社会が理解できる情報公開をお願いしたいと考えております。

ご多忙のところ恐縮ですが、可能な限り文書又は電子データでご回答くださいますようお願い申し上げます。

既に公開されている事項については、資料名又は掲載箇所をご教示いただく形でも差し支えありません。

令和8年 9月 12日


by鶴田真子美(おかめ)