4月の新潟漫遊初日は長岡に宿泊。
駅隣接のホテルに泊まり、夕飯は長岡市街で。
そこで出会った感動の美食体験のお話です。
<旅の工程>
1日目:浦佐→塩沢→長岡
2日目:宮内→弥彦
3日目:弥彦→新潟
4日目:新潟
伺ったのは、長岡出身のシェフが都内での7年の修行後、平成30年(2018)に開業して、ミシュランガイド新潟2020でひとつ星を獲得した、"新潟産食材99%"を謳うフレンチレストラン。
駅から徒歩10分程、表通りから少し入った住宅街の一角にあるマンション1階に灯る灯りが目印。
レストラン ラルモワーズ〜L'armoise
ここで合ってる?と、一抹の不安を抱きながら扉を開けると、若きシェフが待っていてくれました。
完全ワンオペで、1日数組限定の予約制。
この日は私のみでした。
シンプルで整った店内。
内装も新潟産にこだわっていて、壁紙には小国和紙が使われ、テーブルには新潟市北区の坂井建具が手掛けた組子がはめられています。
店名はフランス語のヨモギの意味。
シェフ自ら山に入ってヨモギや山菜を採ってくるのだそうです。
コースは¥16,500と¥11,000のふたつ。
(予約したのは¥16,500コース)
鴨とジビエのスープ
上越柿崎産鴨と鹿と熊のスープ。
鴨の骨からとった出汁とジビエが生み出す上品なコクが沁みます。
料理に合わせて自家製パンが出されます。
店名にもなっているヨモギのパンは香りが素晴らしく、驚きの美味しさ。
曰く、ヨモギは加工にとても手が掛かり、とても難しい食材なのだそうです。
昔、春になると母がヨモギを摘んできて餅を作ってくれましたが、匠が手間暇掛けるとここまで風味が違うものなのかと…
熊肉のエクレア
熊肉は食べたことはないのですが、猪に近いようなコクがあるものでした。
エクレアには竹墨が練り込まれています。
鴨肉 クロメスキ胡桃のソースとマスタードピクルス
お店の定番名物というひと品。
カラッと揚げられた中から溢れる鴨肉の旨味。
その旨味と胡桃の甘味が生み出すハーモニー、そこにマスタードが爽やかさを加えます。
バイ貝と平茸 エソソース
バイ貝と平茸、新潟の海山の幸コンボ。
弾力のある素材から口の中にほとばしるそれぞれの味わいと、そのふたつを結ぶ泡ソース。
素材と技が極める新潟美食ですね。
蓮根 うるいとこごみ アゴのパウダー
長岡産蓮根に春の苦味を添える山菜。
新潟の山の春の味覚を丸ごと頂く気分。
新潟名産のアゴ(飛魚)のパウダーが味にアクセントを加えます。
サクラマスと春野菜 発酵レモンソース
主役の鱒と並ぶ山菜の存在感。
レモンソースが素材の味を引き立てます。
新潟食材の素晴らしさにも感動ですが、その食材を愛し、知り尽くしているからこそ生み出せる料理に舌も心も狂喜乱舞です。
牡蠣のリゾット
牡蠣は佐渡加茂湖産、お米は新之助。
牡蠣の味わいにじんわりと包まれます。
唎酒 Rishu
まだ花粉症が不安な時期だったので、ペアリングにはせず、単品で日本酒を頼みました。
"八海山"で知られる八海醸造の、一部特約店にしか卸されない超レア酒とのこと。
柑橘系にも通じる爽やかな酸味、お米の旨味、スッキリとした後味…最高の美酒でした。
真鯛のナージュ
真鯛に大根、スープには赤ひげとわかめ。
赤ひげは桜エビの仲間のアキアミことで、"赤ひげ"というのは新潟特有の呼称だそうです。
新潟和牛ローストと里芋のクーリとなめ茸
新潟産和牛のローストには揚げ牛蒡、里芋にはなめ茸が添えられています。
メインの素材と組み合わさり、美味しさの向こうに連れていってくれます。
杏仁子のリキュールアイス
杏仁子は淡墨桜の蕾や未熟果の塩漬けで、これも新潟特有のもの。
味は杏仁にほぼ等しい感じでした。
クレムブリュレ
〆かと思いきや、メインデザートの登場。
見た目にもとても美しいひと皿。
村上茶・マカロン
お茶も新潟の村上茶です。
新潟食材の質、奥深さをこれでもかと体感した1時間半でした。
そして、その食材のポテンシャルを最大限に引き出すシェフの技。
技術だけではない、新潟食材への愛と誇り、それこそがこのお店の最大の魅力に感じました。
つたない言葉でともかく感動をした旨をシェフに伝えてお店を後にしました。
人生で忘れえぬ体験をありがとう。


















