夏の博物館巡り。

 

訪れたのは科博の氷河期展。

*開催期間:2025/7/12〜2025/10/13

 

獄暑の8月、気持ちだけでも冷え冷えになろうと赴きました。

 

◆東京国立科学博物館◆

特別展 氷河期展〜人類が見た4万年前の世界

 

温暖化が叫ばれる昨今ですが、気候学的には現代は氷河期で、寒冷な氷期の後の比較的に温暖な間氷期に当たるのだそうです…と言われても、違和感満載。

 

18世紀半ばに氷河の研究が始まり、1837年にドイツの博物学者カール・フリードリヒ・シンパーがヨーロッパが氷河に覆われていた時代があった事を提唱し、氷河期(ice age)の概念が生まれました。

 

そんな氷河期の巨獣が集う特別展です。

 

ケナガマンモス 生体復元模型

 

小型のマンモスの親子。

 

氷河期が最寒冷期に突入した3〜2万年前、ユーラシア大陸に寒冷草原と永久凍土地帯である、ステップ・ツンドラが形成されます。

 

その時代に繁栄したのがマンモス。

 

ケナガマンモス 全身骨格

 

氷河期を象徴する巨獣マンモスでしたが、数千年前に絶滅します。

 

ギガンテウスオオツノジカ 生体復元模型

 

巨大な翼の様な角を持つ巨大な鹿。

 

ギガンテウスオオツノジカ 全身骨格

 

更新生中期(77.4万〜1.2万年前)、所謂チバニアンに生息した種です。

 

オーロックス 生体復元模型

 

家畜牛の原種と言われる大型の牛。

 

オーロックス 全身骨格

 

17世紀に野生種は絶滅しました。

 

ステップバイソン 生体復元模型

 

現在のアメリカバイソンの祖先種です。

 

隆起しまくった筋肉ボディが凄い。

 

ステップバイソン 全身骨格・頭骨化石

 

完新世(1万年前〜現代)半ばに繁栄しました。

 

ホラアナライオン 全身骨格・頭骨化石・生体復元模型

 

現在のライオンに近縁の絶滅種。

 

肉食動物は寒暖変動に強く、草食動物を追ってステップ(寒冷草原)へ進出しました。

 

洞窟の多いヨーロッパでは、洞穴に生息していた動物の化石が出土しているそうです。

 

ホラアナグマ 生体復元模型・全身骨格

 

独自進化をした前足が長いクマです。

 

最終氷期のヨーロッパの大部分はステップ・ツンドラで覆われていましたが、森林棲動物が生存出来るだけの湿地帯もあったそうです。

 

ヒグマ 剥製

 

昨今の熊問題でも話題のヒグマ。

 

更新世中期の洞窟に描かれたクマはヒグマ型が多いそうです。

 

ケサイ 生体復元模型

 

ユーラシア東部の高地を起源とするサイ。

 

ケサイ 全身骨格

 

最終氷期にケナガマンモスと共にステップ・ツンドラに広く分布しました。

 

ヘラジカ 生体復元模型

 

北半球のツンドラに今も生息する巨大シカ。

 

ヘラジカ 頭骨化石

 

最終氷期に日本や北米にも拡散しました。

 

最終氷期が終わる頃、ユーラシア大陸は温暖化が進み、寒冷地型のケナガマンモスやケサイら大型種は絶滅し、中小型種の一部は高地や北極圏に逃れて生存していきました。

 

シマフクロウ・カラフトライヨウ・クロライチョウ・ホッキョクギツネ・クズリ・シャモア

 

そして、森林棲の哺乳類が台頭する時代へ。

 

ジャコウウシ 剥製・サイガ 生体復元模型

 

氷河期からの気候変動に適応して、今も生存する種たち。

 

温暖化によるステップ・ツンドラの縮小が寒冷地型動物の主たる絶滅要因ではあるものの、その時期は人類がアフリカから世界へ拡散した時期でもあり、そこに種の生存争いがあったとも考えられているそうです。

 

ネアンデルタール人 生体復元

 

30万年前にアフリカで誕生したと言われるホモ・サピエンスは、6万年前にユーラシア大陸に拡散していきます。

 

その時代、ヨーロッパに住んでいたのがネアンデルタール人ですが、4万年前、ホモ・サピエンスのヨーロッパ進出と共に姿を消します。

 

クロマニョン人 生体復元模型

 

ネアンデルタール人に代わりヨーロッパに定着したホモ・サピエンス、所謂クロマニョン人。

 

道具や文化を発展させ、現在の我々へと進化していきました。

 

かつて、進化論に基づいて、ネアンデルタール人とクロマニョン人の間の進化の空白を"ミッシングリンク"とする説がありましたが、近年の遺伝子研究により両者は異なる種であり、繋がりは無い事が分かり、その説は否定されています。

 

異種間の交雑はあったそうです。

 

 

謎が多いネアンデルタール人の絶滅については、多種多様の要因が言われていますが、結局のところ、自然淘汰だったのだろうと思っている私です。

 

交雑により弱い遺伝子が残らなかった面もあるのでしょうね。

 

適応と進化をした種は生き残り、そうでない種は滅ぶ…今日の勝者は明日の敗者。

 

これは生命も企業も同じ。

 

自然の摂理というものですね。

 

 

手前がクロマニョン人の当骸骨で、奥がネアンデルタール人の当骸骨。

 

地球という神がより適応と進化が出来る脳を持つ種を生み出した…それがクロマニョン人なのかと。

 

自然が生んだ必然?

 

 

クロマニョン人が使用した道具類。

 

装飾を施した儀礼用道具を生み出す辺りが、他の種との決定的違いですね。

 

ナウマンゾウ 全身骨格(レプリカ)

 

最終氷期の日本は海水面が現在より60〜120mも低く、北海道は樺太半島に繋がり、瀬戸内海も陸地となっていました。

 

ナウマンゾウは13〜12万年前の温暖な間氷期に繁栄の最盛期を迎えました。

 

港川人 全身骨格

 

旧石器時代後期の古琉球列島の人骨。

 

推定身長153cmと小柄な男性です。

 

下半身がしっかりしていて、活発な狩猟生活をしていたと考えられているそうです。

 

 

特設売店で購入したオリジナル日本酒は、昨年の信州酒蔵巡りでも訪れた信州銘醸のもの。

 

特別前売り券には、氷河期仕様のBE@BRICKが付いてきました。

 

以上、

 

氷河期にまで遡る人類と動物の栄枯盛衰を感じた氷河展でした。