八ツ三旅館宿泊記食事編です。

 

飛騨の美食に期待を膨らませて、仲居さんに連れられて食事処へ。

 

 

個室には仄かな和蝋燭の灯火。

 

 

暫し、静寂と灯火の美しさに浸ります。

 

前回も感動した演出ですが、和蝋燭店でお話を窺った後だと、この演出が単に粋なものというだけではなく、郷土の伝統を大切にする想いからのものという事に気付かされます。

 

その背景を知ると知らないでは、感動の意味も違ってくるという事。

 

 

数分後、部屋の明かりが点けられます。

 

川島和ろうそく店に寄った事を告げると、"お喋りな方だったでしょう?"と仲居さん。

 

やはり、町の名物さんだったか。

(司馬遼太郎の著書でも"外まで声が響く"と書かれていたし)

 

 

夜の庭園を望みながら宴の始まりです。

 

食前酒

 

柑橘系の食前酒で喉を潤します。

 

お椀

雑煮椀 薄葛仕立て

 

飛騨産玄米団子を使ったお吸い物でお腹を温めて、美食の準備。

 

飛騨古川銘酒ぞろえ

 

古川の二大酒蔵"蓬莱"の渡辺酒造店と"白真弓"の蒲酒造場から5種。

 

純米大吟醸から生酛造まで、それぞれの特徴を愉しめます。

 

造り

飛騨ふく・河ふく・飛騨産きくらげ

 

海無し県の岐阜ですが、なんと海水と湧き水で河豚を養殖しているのだとか。

 

そして、こりぷるっと美味な河ふく。

 

"何だと思いますか?"と仲居さん。

 

食感や見た目からチョウザメ?と思いましたが、正解は鯰でした。

 

味わいも河豚に近く、日本酒にも合う。

 

八寸

海老雪花菜和え・えごまチーズ寄せ・フカヒレ煮凍り・金柑蜜煮・鶏松風・唐寿美赤飯・黒豆抹茶きんとん・いくら酒粕和え

 

素敵な器から現れる、見た目も楽しい八寸。
 

お酒と合わせながら頂きます。

 

焼物

鰤大根照焼・矢生姜・萵苣薹

 

鰤大根を焼きで表現。

 

古川は富山との県境という事もあり、富山湾の幸も存分に楽しめるのでしょうね。

 

萵苣薹は茎レタスと呼ばれ、セロリ風。

*読みは"チシャトウ"

 

強肴

飛騨牛ミニステーキ・発芽にんにく

 

飛騨が誇る銘柄、飛騨牛。

 

きめ細かな霜降りと肉の芳醇な旨味が特徴。

 

発芽にんにくと合わせれば、口の中で極上のハーモニーが完成します。

 

揚物

天魚玄米揚・蟹あられ揚・慈姑・蓮根青のり揚

 

それぞれの食材と衣の食感を愉しむひと皿。

 

飛騨産えごま酢醤油をかけて頂きます。

 

進肴

天然鰤蕪挟み・鰻の実山椒煮・みず菜

 

蕪と共に鰤をさっぱりと。

 

実山椒が鰻の味わいを引き立てます。

 

御飯・汁・香の物

 

黒米御飯と赤出汁味噌汁でじんわりと。

 

水の物

宿儺かぼちゃ寄せ・きな粉羹・苺

 

宿儺かぼちゃは高山で栽培されている細長い南瓜で、甘味が特徴だそうです。

*読みは"スクナカボチャ"

 

地産地消、飛騨の山と川の幸に、富山の海の幸を堪能した夕飯でした。

 

 

静かに眠りに就く八ツ三館。

 

 

食後、少し散歩に出ました。

 

 

夜の静寂に包み込まれた古川の町。

 

 

部屋に戻り、歴史の中を浮遊する様な心地で床につきます。

 

 

翌朝、冷え切った美しい朝の空気と共に2日目の始まり。

 

 

朝食は夜と同じ個室です。

 

 

箸が左利き用に配膳されていました。

 

こういう気遣いが嬉しい。

 

 

飛騨と言えばの定番、朴葉焼き。

 

ご飯が進む、幸せな朝食タイム。

 

13年半振り、素晴らしい美食体験でした。

 

次回、後編。

 

館内散策の記事を送ります。