岡山県中西部の山間の集落、吹屋。
かつて、銅山で栄え、日本有数のベンガラの産地として知られた隠れ里。
数ある重伝建の中でも特にお気に入り。
<旅の行程>
1日目:岡山→津山
2日目:津山→備前一宮・吉備津→倉敷
3日目:倉吉→備中高梁→吹屋
4日目:吹屋→備中高梁
宿から徒歩数分、そこにはベンガラ色の町並みが広がっています。
◆吹屋◆
(国選定重要伝統的建造物群保存地区)
まずは街道を下ります。
長尾家(旧松田家)
ベンガラ商だった松田家の旧宅で、大正時代に長尾家が買取り、昭和後期まで農協事務所として使用しました。
現在はギャラリーとして活用中。
中山家(中野屋)
江戸時代中期の建築。
中山家はベンガラの窯元でしたが、明治時代以降は醤油屋を営みました。
特徴的な2階の海鼠壁が美しい。
吹屋郵便局
吹屋に郵便局が開局したのは明治7年(1874)で、この局舎は平成5年(1993)築造の三代目。
今では"ジャパンレッド"吹屋のシンボル。
商店も民家もベンガラ一色。
那須家(旧水野旅館)
江戸末期築造の旧旅館建築。
屋根の傾斜が特徴的なこちらはヘアサロン。
徐々に建物もまばらになり、集落の端に。
街道を戻り、坂の上へ。
緩やかな坂とカーブに宿場町風情を感じて。
東長尾家
明治時代に5軒あったベンガラ屋のひとつ。
明治時代中期の建築で、土台部分には馬を繋ぐ金具、その上の框には飾り金物が付いています。
長尾醤油酒店(新長尾家)
江戸時代から続く醤油店で、江戸時代末期の築造。
数年前にご主人が亡くなり、醸造業を廃して、現在は販売のみだそうです。
かつての醤油壺に一目惚れして購入。
店の軒下には看板猫。
左右の目の色が異なるオッドアイ。
とっても臆病なコでした。
女将さん曰く、耳が悪くて他の猫にいじめられているのだとか…
(女将さん、猫好きらしく数匹飼っているそうです)
本長尾家(喫茶 楓)
長尾家総本家で、ベンガラの窯元。
江戸時代後期の建築で、大正時代まで増改築が繰り返されました。
くぐり戸付きの長屋門は色褪せて一層風流。
叶屋(仲田家)
ベンガラ一色の町並みの中、その重厚さがひと際目立つ建築は、庄屋を務めた仲田家の旧宅。
江戸時代末期の築造です。
吹屋ふるさと村 郷土館(旧角片山家)
*入館料¥500(旧片山家住宅共通)
ベンガラで財を成した片山家の分家で、明治12年(1879)、宮大工により建てられたもの。
*記事は次回
旧片山家住宅
(国指定重要文化財)
*入館料¥500(郷土館共通)
片山家は宝暦9年(1759)の創業以来、200年に渡りベンガラの製造販売を手掛けた豪商。
*記事は次回
江戸時代後期の築造です。
藤森家
旧郵便局舎建築で、昭和後期以降、食堂を営み今に至ります。
街道はひっそりとした下り坂へと。
本山山神社
(主祭神:金山彦命)
三菱グループが銅山経営をしていた為、岩崎弥太郎寄進の三菱マーク入り玉垣が残っています。
鳥居の扁額にも三菱。
この少し先で重伝建の町並みは終わり。
かつては、生活の場だった集落も今ではひと気も無く、町全体がまるで展示物の様。
往時の賑わいも今は昔、静かな紅き町。
旅人を静かに待つ唯一無二の紅き町。
コロナ禍を超え、少しでも多くの人が訪れる事を祈って…
続く。
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