■楽譜ダウンロードサイト「楽譜ナウ!」スタッフ 本図修江(ほんず・のぶえ)さん

BlogMagazine-SoL -『ソル』-ママ&ワイフを楽しむおんなたち-本図修江さん


「音大卒」と聞けば「プロの音楽家?それとも教室を開いているの?」そう思う人は少なくないはず。音楽関係の仕事といっても、学校教師にブライダル演奏、音響関係や芸能事務所所属などさまざま。その中でも、今回紹介する本図さんは「楽譜」のプロフェッショナル。山野楽器の楽譜ダウンロードサービスサイト「楽譜ナウ!」のスタッフとして、掲載されている楽曲の日本語訳を受け持っています。


「楽譜ナウ!」でダウンロードできるのは、クラシックからジャズ、ロック、洋楽まで約8万曲。それらの曲のタイトルと作曲者あるいは演奏者名を一つ一つ訳するだけではなく、楽器や編成、さらに曲が使用された映画やCMなどの検索キーワードを考えていきます(例えば、ショパンのプレリュード第7番なら『太田胃散』など)。
楽譜の言語は英語にドイツ語、イタリア語、スペイン語、ロシア語、ラテン語など多岐にわたり、「誰でも知っているような名曲なら訳しやすいのですが、ロシア語なんて記号にしか見えなくて」と笑う本図さん。それでも、作曲家が生み出してきた大切な曲を翻訳することに責任の重さを感じ、日々取り組んでいます。


ピアニストを志して東京音楽大学付属高校に入学しましたが、副科のファゴットに夢中になったり、学校祭で友人とバンドを組んでドラムをやってみたりと、寄り道ばかりだった本図さん。音大進学後も音楽史や理論、ソルフェージュを学ぶ方が楽しかったそう。「おかげで学科の成績はいいのですが、実技はギリギリ(笑)」。


演奏家としての実力に限界を感じ、音楽関係企業を中心に就職活動を始めたものの、「本当は音楽教室を開きたいんじゃないの?」と相手にされず、書類選考で落とされてばかり。10数社受けた末、山野楽器への入社が決まりましたが、配属された楽譜売り場で調べることが好きな性格が役に立ちました。「輸入楽譜の発注やお客様の問い合わせ対応など、今まで勉強したことを生かせて、とてもやりがいがありました。ピアノ以外の楽器や音楽に興味を持っていたのもよかったかも」。


違う会社に勤める夫と結婚した後も仕事を辞める気はなく、出産直前まで売り場に立っていた本図さん。しかし、育児休暇中に夫の札幌行きが決まります。一時は退職も考えましたが、今までの実績を買われ、新規プロジェクト「楽譜ナウ!」のスタッフとして在宅で仕事が続けられることになりました。


現在は、1歳の長男をベビーシッター(8月登場の魚岸あや子さん)に見てもらいながら、月に1,000曲ペースでの翻訳にスタッフブログの執筆、特集の企画をこなす毎日。時には辞書を引いても訳が思い浮かばず、何時間も頭を抱えてしまうこともあるそう。「子供もどんどん活発になってきて、自宅での仕事は大変ですが、自分が手がけた特集記事からその曲の良さをお客様に知ってもらえるのがとてもうれしい。これからも、知られていない曲の良さをどんどん発信していきたいです」と力を込めました。


■プロフィール
1979年生まれ。7歳よりバレエとピアノを始め、小学校5年生で音楽の道に進む決意をする。東京音楽大学卒業後、2002年山野楽器に就職、楽譜売場で接客や仕入・管理を担当。2008年長男を出産後、夫の転勤に伴い6年間勤めた職場を離れ、札幌に移り住むが、「楽譜ナウ!」のスタッフに抜擢、現在に至る。
今年11月にHOCORUベビーマッサージインストラクター認定を受けたばかり。多彩な友人たちとタッグを組み、「親子で楽しめる音楽と趣味と癒しの空間」を創るのが将来の夢。
山野楽器の「楽譜ナウ! 」 は、1曲ごと、パートごとの購入も可能。


■本図さんのある日のスケジュール
04:00 起床・仕事
05:20 寝ぼけながら泣いた息子をなだめつつ、自分も就寝
06:50 起床
08:00 家事・昼食&夕食支度
10:00 セミナー参加(子育て関係)
13:40 家事(息子昼寝)
14:30 息子と散歩
16:00 仕事(シッターさんに託児)
18:30 入浴、夕食
20:00 夫帰宅
21:00 息子就寝
21:30 夫夕食&おしゃべりタイム
23:30 就寝


■楽譜の仕事をするには…
楽譜を扱う職業には、本図さんのように楽器店勤務のほか、音楽出版社への就職、出版社から楽器店へ流通させる楽譜卸業、ネット上の音楽ショップ、音大図書館やプロの交響楽団で楽譜貸し出しに携わるなどがある。音楽出版社では著作権の管理や曲集をまとめる際の選定、装丁を担当することが多いよう。音大図書館や交響楽団への採用は欠員が出た時くらいで非常に狭き門らしい。音大卒業を条件とする音楽出版社もあるようだが、楽器店の場合は「音楽が大好きであればOK」とのこと。


written by ズバーン、photo by ナオト