そりゃあ子を持つ女として、未来の地球は気になるさ。自分なんかどうでもいい。子どもたちが大きくなった時に少しでも住みよい環境を残したいし、そのためならば自分の命を賭けても良いとさえ思っている(続く続かないは別にして)。
エコバックに節水節電マイ箸地産地消。母としてやれることはやっているのだ。
そして、今、私が一番興味あるエコ。
それはお料理におけるエコ。
我が夫の母上様は京都在住である。彼女はとにかく美しい料理を愛する。見栄えにはこだわらず、旨いものをドンッと丸ごと大皿にのせ、がんがん並べていくのが最上の手段だと思っていた北海道育ちの私にとって、彼女との出会いは衝撃的だった。
初めて一緒に台所に立った日、彼女はこう言い放ったのである。
「見た目が悪い食べ物なんて、食べる気にもならんわ」
……凍り付く嫁、それは私。
見た目って……見た目って……。
そんなんよりも旨いもんをあったかいうちに食べた方がいいべさぁぁぁぁぁ……。
そら、あかんらしい。
さらに、彼女の料理にはエコ精神に溢れている。
例えば、ふろふき大根を炊く時に出るお汁。これをけんちん汁のベースとして使い回す。(コレが美味しい!)例えば、厚めに向いた大根と人参の皮は、少しだけ酢を入れてごま油で炒め、金平にする(彩りのためには大根と人参の両方が必要、らしい)。薄く皮をむいたブロッコリーの茎は、薄切りにしてサラダにすると色も形も美しく、栄養価も高い。鰺やハモの骨の部分は油でカリッと揚げて骨チップスに。肉詰め椎茸を作った時に残る「生しいたけの軸」の部分は絶対に捨てない。手で細く細く裂いて、お味噌汁の具にするのだ。美しく盛られたそれらの完成品だけを見ると、高級な料理に見えてくるからあら不思議。もちろん、柚子やミカンの皮は、干してお風呂やお吸い物や紅茶の中に。大豆は豆乳に湯葉、お豆腐、そしておからまで捨てるところなど何一つ無く。米も酒粕甘酒粕汁、糠は捨てるお野菜を入れて糠床に。
母上様の台所の知恵を見ていると、昔の人はなんとエコ上手なのかと思う。
さあ、目指せ母上様!スーパーで買ってきた人参を手に、残留農薬かエコか、今日も煩悶する嫁であった。
written by 織部桃