職場には、一歳ぐらいの子が三人いる。
一人は、人懐っこくて、誰にでも抱かさる(方言?)女の子。
一人は、常に落ち着きがなく、すぐに脱走する好奇心旺盛な男の子。
もう一人は、担任以外の人が近付くと大泣きして人見知りが激しい女の子。
もうこの時点で、人には個性があるんだな、と思う。
日常的に、子供と接していない私がその場面だけを見ると、最後の人見知りの激しい子は、一見、繊細で弱い子のように思えていたのだが、実はずる賢いんだよ、と担任は言った。
なぜかというと、担任がいないときは、まったく泣かず、その辺にいる他の大人の中でも、自分を甘やかしてくれそうな人を選んで、抱かれに行くからだ。
人見知りの激しい子は、じっと私の目を見てくる。
私もじっと目を見返す。
そして、泣かれる。
人見知りは、親と他人の区別がつくようになるからだと思っていたが、どうやら違う側面もあるらしい。
人見知りは、近付きたいけど、怖い。という葛藤状態であるという。
人見知りは、人の顔の区別がついたからではなく、他人に興味を持ち始めたからだそうだ。
動物にとって通常、目を合わせるという行為は、相手を威嚇する場合に限られる。
なので目が合うと、脳の扁桃体が動き、恐怖を感じる。
大人は前頭前野が発達しているため、相手が危険でないとわかれば恐怖を抑えられる。しかし赤ちゃんはそこが未発達なため、反射的に湧き上がる恐怖を抑えられない。
確かに他の二人の赤ちゃんとは、長く目が合わない。彼らは、人よりも、おもちゃや大人が触っている物などに興味を示すが、彼女だけは、大人の行動に常に注意を払っているように見えた。
子供に好かれる先生は、確かに赤ちゃんと目を合わせない。
自分の手元のおもちゃなんかで、気を逸らせながら、いつのまにか抱っこしている。
https://uchi.tokyo-gas.co.jp/topics/1036
ゴールデンカムイを見ていたら、冬登山も怖くなった。
知識ではわかっていたけど、冬眠しない熊もいて、それが一番気が立っていて怖いということが、改めてわかってしまったからだ。
熊スプレーはいらない。と持って行っていなかったが、やはりいる気がして、また引っ張り出してきた。
熊を初めとする動物は、前頭前野があまり発達していない。
なので、至近距離で目が合うと、すぐに逃げる、もしくは、反射的に攻撃してくる。
人間を人間たらしめるのは、前頭前野であるという。
ゴールデンカムイの中で、鶴見中尉が、戦争で前頭前野が吹っ飛ばされて…と言って、自身の衝動性を肯定する場面が出てくる。
たまに職場で揉め事があって、話を聞いていると、ぶつかり合う理由は、互いの価値観や常識や正しさの違いだった。
一方だけの話を聞くと、その人の言い分はわかる。と思えるのだが、反対側の話を聞くと、今度はその人の言うこともわかる。となって、私はどっちの味方もできなくなって困る。
どっちの言い分もわかる。だから、どっちがいいとか言えない。と正直に言うとたいがいは、どちらにも不満そうな態度を取られる。
これがプライベートなら、私は正しさよりも自分の好きな人の味方になる。
けど、仕事上ではそうはいかない。
感情的になると、バカな選択しかできない。と苫米地さんが言っていたことをそのまま伝えたり、前頭前野を鍛えた方がいいとか言ってると、相手は段々わけわからなくなって、怒りが収まってくる。
この人、私の気持ちに全然共感してくれない!と思われるかもしれないが、最近はそれでいいような気もしてきた。
私が相手にわけのわからないことを言って、感情が収まるのなら、しめたものだ。と思うからだ。
今はわからなくても、いつか、これが、ああ!こういうことか!とわかる時もくるかもしれない。
事実、ここ何年かは、息子と些細なことで言い争いになるとき、感情的になってるな、と、どちらかが言うと、ふっと冷静になれるようになった。
息子の彼女が、たまに息子のことを殺したいほど腹が立つときがある。と私に言っていて、ものすごくわかる!と大笑いしたのだが、この方法を教えてあげた。
私と似てて、距離が近いほど反射的な反応をしてしまうから、そんなときは息子を熊だと思ってくれ。
目を合わせると威嚇してると思われる。
そのまま攻撃体制に入ると、ますます相手を刺激する。
攻撃するのは、恐怖の裏返しでもある。
だからそんなときは、そっと距離を取り、相手の興奮が鎮まるのを待つんだ。
息子はそのうち、人間に戻る。

