何も望まない | 想像と創造の毎日

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  後輩が相談があるという。

  息子が学校に行きたくない。

  理由は、クラスのボス的存在の友達がからかってきたり、自慢してバカにしたりしてきたり、少し発達障害系の子が、自分の聞いたこともない卑猥な言葉を言わせて、恥ずかしい思いをするということだそうだ。


  私は彼女の子と何度も一緒に山に登ったり、釣りをしたりして遊んだことがあるが、最近は反抗期気味だけれども、後輩(というよりも父親かな)によく似た優しい子だと思っている。


  私は、自分が嫌なこと、その理由をちゃんと親に言えてる時点で、素晴らしいなと思った。

  子によっては、親に怒られるとか、心配させたくないとか思って、心が壊れるまで我慢してしまうことだってある。


  彼は、どうにかしてもらいたいというよりも、自分の気持ちをまず知ってもらいたかったんだと思った。


  どうしたらいい?と彼女が聞くので、親には何が嫌だったのか、気持ちと理由をちゃんと言える。

  じゃあ今度はそれを、友達に言える練習をしたらいいんじゃないか?と提案した。


  その時に、相手がもっといじめてくるとか、どんな反応が帰ってくるかわからないから怖いとか、考えないことだ。

  そうなったらそうなったで、親や周りの大人にまた助けを求めたり、もしくは戦う、それがダメなら逃げる。いろんな選択肢がある。

  本当に自分が遊びたい相手なら、大事だと思える友達なら、それができるはず。

  でもそうじゃないなら、離れる。

  一緒にいて楽しくないなら、ひとりでいた方がマシじゃん?


  私は10個も年下の、この後輩がかなり好きである。

  彼女の同僚たちは、彼女がすぐに余裕をなくして、感情的になりがちだったり、自信がないゆえにたまにマウント気味になったりするから、影で悪口っぽいことを言ってたりもするけど、でもみんなも本心では彼女のお節介も本当は優しさゆえなんだと理解しているような気もする。


  彼女はよく誰かと喧嘩して泣きながら私の所に来たりする。

  私は、本当にあんたは可愛いな。

  この歳で、人と思いっきりぶつかるなんて、なかなかできないど。

  羨ましいし、すごくいいことだ!

と言うと、怒りながらもぶちまけられたことに満足するのか、次の日には何事もなかったかのようにケロッとしている。


  彼女を見てると自分みたいだな、と思う。

  私も子供たちのことに関しては、右往左往しっぱなしだった。

  自分の価値観を押し付けて、丸ごと受け止めてあげられないことも多かったし、息子なんて特に取っ組み合いの喧嘩をして、殺すぞ!おお!殺せコラ!とか、よくやっていた。


  それが今では、遊びに来たら買い物に連れてってくれたり、うどんを打ってくれたりする(←?)。


  今でもヒヤヒヤすることはまだあるが、何かあっても息子は私よりも冷静で、頼もしいと感じる場面もたくさんある。


  ちなみに私は、後輩の息子よりも、後輩を支配下に置いておこうとする子の方が、心配だなと思ってしまう。

  後輩の子は大丈夫だ。

  なんたって、後輩がめちゃくちゃ愛を注いでいるのがわかる。

  時々、勝ちに拘って、彼に過剰な期待を背負わせているきらいはあるが、根本的には全部を受け入れている。


  おまえは、もし息子が勉強ができなくても、サッカーが下手でも、何もかもが他の子よりも劣っていても、息子が好きかい?と尋ねてみた。


  あたりまえです!と彼女は強い口調で言った。


  じゃあ、大丈夫だ。

  学校に行くも、行かないも、結局、選ぶのは息子だ。 

  どうしても行きたくないときは、本当に行けなくなる。

  その時はその時に、また悩めばいい。


  本当に信じるのは、何だろう。

  学校に行き続けることではなく、その子の生きる力、本能的に生きたいと叫んでいるのだろうその身体。


  命は強い。

  でも、思いもよらぬことで簡単に死ぬこともできる、それが命。


  どうなるかは、わからない。

  自分の望みは全部は叶わない。

  でも、叶うこともたくさんある。


  何も望むな。と思う。

  本気で何にも期待しなくなった時。  

  あらゆるものがこの手の中にあるのとに気付くんじゃないか。


  息子が可愛い。

  大好きだ。

  愛している。

  その気持ちを感じさせてくれる以上に何もいらないだろ。


  キミは、彼にとっての安心できる存在。 

  ここにいていいと思える存在。

  力が湧いてくる居場所。

  




  仰ぐ武佐岳は、真っ白に染まってより美しい。

  いつでも見上げれば、山はここにある。

  私が幼い頃から、この山は何も望まず、何も押し付けず、私をただ見下ろし続けている。

    



⬆️素晴らしい記事!