祖母の話を聞いた私は、
子どもながらに親子の気持ちに思いを馳せ
悲しい気持ちになりました。
「おぜぜ(お金)をもらわずに、
みかんもあげればよかったのに・・・」
しかし、祖母はこういいました。
「商売だからね、それはできないんだよ。
お店で売っているものは、お店のものだから、
お金と交換しないと、あげられないんだよ。」
そして、女の子にあげたりんごは、
おばあちゃんがお店にお金を払って買ったということ。
お店にあるものは、小さなものでも、
自分のものではないということ。
いただくお代には、
お客様の様々な思いが込められているのだから、
一円でも大切に、感謝してうけとるのだということを
教えてもらいました。
「これ、ひとみちゃんに、あげようかね」
そういって、小さな手に握らせてくれた、
ズシリと重い、記念硬貨。
あのときの手のひらの感触と
大好きなおばあちゃんの表情を、
私は一生、忘れないと思います。
つづく
