以下、祖母の話です
・・・・・
まだ、ひとみちゃんが生まれる前、
果物屋さんをやっていたときにね、
寒い寒い大みそかに
子どもを連れたお母さんが、
みかんを買いにきたの。
お金を受けとってみると、
それはオリンピックの記念のお金でね。
みんなが使わずに、大切にしているお金だったんだよ。
だから、おばあちゃんは聞いたの。
「記念のお金なのに、(つかってしまって)いいんですか?」
って。
そしたら、
「お正月くらいは、子どもにみかんを食べさせてやりたいから」
ってね。
でも、一緒にいた女の子は、
ひとみちゃんよりも小さい子だったけど、
りんごがほしいっていうんだよ。
りんごは高かったからね、
お母さんは、みかんで我慢しなさいって、
みかんを買われたんだけど
その子がかわいそうでね。
おばあちゃん、その子にりんごを持たせてやったんだ。
お母さんは、
「いいです、申し訳ない」って言われたけど、
「このりんごは、お母さんにではなく、この子にあげたのよ。
お母さんからは、ちゃんとみかんのお代をいただいたのだから
お気になさらずにね」 ってね。
それっきりそのお客さんは、
お店に来ることはなかったけどね。
記念のお金を使わないといけないくらい、
生活が大変だったんだろううね。
そんななかで、このお金を
おばあちゃんのお店でつかってくれたことを
忘れちゃいけないと思って、
ずっと、大事に、とってあるんだよ。」
・・・・・
つづく
おばあちゃんとともに。
ぼーっとしていた幼少期にしては、
珍しくしゃっきりしている私です(笑)
