日本足育プロジェクト協会の成田あす香です。 

 

本日は、当協会の理事長である玉島麻理さんに、足育アドバイザーⓇ養成事業やご自身のことについて伺ったお話をお届けします。

 

 

玉島麻理 プロフィール

特定非営利活動法人 日本足育プロジェクト協会 理事長


自分の子どもの足指の変形をきっかけに、周りの子ども達の足にも変形が多い事を知り、子ども達の足を大切にするためのサークル活動をお母さんたちと開始。

子育てサークルを中心に足育講座や足計測の活動を広げる中、子どもの足の問題は奈良だけの話ではないと考え、全国に足育講座と足計測ができる人材を育てようと、2013年2月に特定非営利活動法人日本足育プロジェクト協会を設立した。

事業のメインである足育アドバイザー®の養成課程は、整形外科や皮膚科の医師、フットケア師、大学准教授など、各分野の専門家の指導が受けられる多角的なカリキュラムとなっている。

2020年度からは、子どもに関わる方に広く学びの場を提供するため「足育基礎講座」を新しく企画し、3月の奈良開催を皮切りに東京・福岡・大阪でも講座を開催する予定。

 

2020年3月には日本足育プロジェクト協会の書籍『現代っ子の足が危ない―0歳からの足育のすすめ―」が発刊される。

 

足育アドバイザーⓇ養成事業を始めようと思ったきっかけは?

 

最初のきっかけは誘われて聴きに行った講演会です。

 

子どもたちの足に、指が曲がるなどの変形が増えていると知り、家に帰って当時小学1年生だった長男の足を見てみました。

 

すると、講演会で見た症状と同じようになっていて、ショックを受けました。

 

そして、近所の子ども達の足を見ると、皆どこかしら気になるところがあり、わが子だけの問題ではないと分かりました。

 

 「このままでは心配! 未来を担う大切な宝である子どもたちの足を守りたい!」 

 

そう思って、奈良や大阪で子育てサークルのお母さんたちに向けて講座や足計測などの活動を重ねました。 

 

足のトラブルに対応するため、フットケアサロンもスタートさせました。

 

すると、信越や九州からも問い合わせをいただき、子どもの足の問題は私の住む奈良だけの問題ではない、日本全体の問題と気づきました。 

 

日本全国で、お母さん達が身近なところで子どもの足が大事だと知る機会があれば。 

子育て支援センターのような細かい単位で、子どもの足と靴について聞ける場があれば。

 

 そうすれば、子ども達の足を守ることができるのではないかと思い、足育アドバイザーの養成を思いつきました。

 

 

 

足育アドバイザーⓇはどこで、どんな活動をしていますか?

 

子育て支援センター、保健センター、児童館、保育園などの子育て支援施設を中心に、足育講座や計測をしています。 

 

協会に依頼をいただいたところに派遣で行ってもらうほか、ご自身で地域の子育て支援施設などに広報活動をされて依頼を受けてきています。

 

 

足育アドバイザーⓇは何人くらいで、どんな方がいますか?

 

2020年1月末で、北海道から沖縄までの全国20都道府県に55名の足育アドバイザーⓇがいます。

 

例えば、自分のサロンに来てもらって講座をしている方、理学療法士さんとしてお仕事をしながらお休みの日に保育園に足計測に行っている方など、それぞれの生活パターンやお仕事に合わせて活動をされています。 

 

女性が多いですが、男性も4名います。

 

 もともとの仕事の中から「足育を伝えたい」と思うようになった人が多いですね。

 

 

足育アドバイザーⓇを全国に育てることで、どんな社会を創っていきたいですか?

 

子育てをしている方が、身近なところで足の大切さや子どもの運動の大切さを知ることで、まずは大人の意識と行動が変わってほしいです。

 

そして、子ども達の行動も変わることによって、今だけではなく未来も元気な子ども達を創っていきたい。

 

この活動は、目に見えて今すぐ何か変わるものではないかもしれません。 

 

でも、未来のためにすごく大事なことをやっていると、私は思っています。 

 

今は、足や靴のトラブルを抱えながら、原因も分からずどうしたらいいかと困っている人がいっぱいいます。 

 

それが、足に合わない靴ではなく、合っている靴の感覚が分かっている人たちが育てば、足や靴で悩む人が少なくなると思います。 

 

足の感覚がしっかり身について、自分の靴を自分で選べたり、自分で運動を意識してやろうと行動できたりする人たちが増えると、健康な社会になっていくと思います。

 

 

 

ところで、玉島さんは足育を知ってから子育てなどに変化はありましたか?

 

わが家は子どもがなかなかできなくて、やっと授かった子でした。 

 

だから、幼児教室に通わせて知育をやったり、「食事に気をつけなあかん」といわれたら裏をみて添加物が少ないものを選んだり、言われたことは真面目に、良かれと思ったことは意識して子育てしていました。

 

今、足育で伝えている生活リズムの大切さは幼児教室でも習っていましたが、実感としては「早く寝かせなあかんと教わったから寝かせてた」でした。

 

 それが足育を知ってから、生活リズムや食のこと、運動のことなど、「そういうことよね」と分かりました。 

 

体を使って子ども達がリズムを創っていくと、子ども達はこう育っていくんだなと、足育を知って、遅かったけど腑に落ちました。 

 

自分が腑に落ちないで行動していたので、ママ達も腑に落ちれば、子どもにとって大事な理由が伝われば行動が変わると思ってお話しています。

 

 

足育講座を受けに来られるお母さん方と話をすると、ご自身の足の悩みから「子どもは同じようにしたくない」と思っている方も多いように感じています。
玉島さんには足の悩みはありましたか?

 

角質ガサガサ、胼胝(たこ)あり、巻き爪あり、小指の爪は小さすぎ。トラブルだらけの足でした。

 

でも、巻き爪が痛くても、どこに行ったらいいのか分からない。

 

外科?整形? 何も知らなかったので皮膚科なんて思いつきませんでしたね。 

 

小指の爪が小さいのはコンプレックスでしたが、みんなそうなのかと思ってました。

でも、他の人の足を見ると、きれいな小指の人もいる…。 

 

とにかく足を見せるのがいやで、サンダルの季節が嫌でした。

 

そして、冬になると、かかとが割れてバンドエイドを貼らないとダメなくらい。

 

ちゃんとクリームを塗っても割れていました。

 

なんでそうなるのかが分からない。もうすごいコンプレックスのかたまりでした。

 

 

コンプレックスのかたまりの足が変わって、良かったことはなんですか?

 

今は仕事柄パンツをはくことの方が多いのですが、前はスカートをはくことを明らかに避けていました。

 

ストッキングをはくのが嫌だったんです、かかとがガサガサだから。 

 

それが、今はきれいになったので、苦でなくなった。「ちょっと見て」って感じになりました。 

 

それから、小指の形が、爪が出てきたんですよ、小指の。 

 

そうなると足の爪にマニキュアもしたくなる。テンションがあがりました。 

 

また、巻き爪が痛い、胼胝(たこ)が痛いというのもなくなったので、すごい快適になりましたね。

 

足育を知る前は足指はほとんど動かず、とても「足指じゃんけん」なんてできませんでしたが、今は足指でグーチョキパーもできます。

 

もともと歯科衛生士だったので、歯に関してはケアすれば変わると言うことが分かっていましたが、「足も変わるやん!」っていうのが実感ですね。

 

 
 

最後に、座右の銘とその理由を教えてください


若い時に自分の尊敬する人生の師匠から教えてもらった「桜梅桃李(おうばいとうり)」という言葉です。 

 

桜、梅、桃、李(すもも)は全て同じような季節の春先に咲く花です。 

 

どれもピンク色でよく似た花ですが、みんなそれぞれ違う。 

 

10代の頃、人と比較してしまって落ち込んだり、人のことをよく思ってしまったりする自分がいました。 

 

そんなときに、「桜は桜らしく、桃は桃らしく、自分らしく生きたらいいんだよ」と言われ、すごく楽になりました。

 

この言葉は自分の原点となり、人生の節目ごとに、自分らしく生きようと、常にそこに戻ってやろうと思っています。 

 

 

足育アドバイザーⓇ養成事業の中でもこの言葉を大切にしています。 

 

アドバイザーさん達はひとりひとりがみんな違います。 

 

足育という目的は一つだけど、それぞれが違う花を咲かせていったら、なんかすごいことになるんじゃないかと、この「桜梅桃李」という言葉を通じて思っています。
 
 

インタビュー後記

   

私が玉島さんと出会ったのは2012年のことです。

大阪に子育ての勉強会に行った際に、夕方の飛行機までの時間つぶしにと、同じ会場で午後にやっている足育講座に申し込みました。
 
その講座で、玉島さんから子ど達の足にトラブルが増えていることを聞き、帰宅後にわが子の足を見てみると、なんとうちの長男の足の指が床から浮いているではありませんか。

私は、上履きが原因ではないかと考え、講座で教えてもらった靴選びのポイントをもとに買い替えました。

すると、2~3ヶ月で足の指は床に付くようになり、安心したとともに、このような子どもの将来に関わる大切なことを、自分だけに留めておいてはいけないと思いました。
 
 
また、これと同じ頃に、長女や同じ年齢の子供の運動能力の低さが気になる場面があり、毎日の生活を省みてみました。

そういえば、東京から宮崎に移住してからは車移動が中心で、ほとんど歩く機会がない…。

車社会の田舎だからこそ、大人が意識して子どもを歩かせて、体を育てていく必要があるのではないか?

そう考えるようになった矢先に、協会の設立と足育アドバイザー養成講座開講のお知らせを知り、私は、自分が足育アドバイザーになって、宮崎に足育を広めていこうと決意しました。
 
 
余談ですが、玉島さんと初めて会った時の足育講座で、私は自分の足を測っていただきました。

測った足の長さから最適と思われる靴のサイズよりも、履いている靴のサイズは1センチも大きくて、「なんで、こんな大きい靴履いてるの!?」と言われました。

「あの…足が冷えるので靴下を4枚重ね履きしていまして…」と理由を説明すると、「そんなのアカンアカン。それじゃ、全然足が動かへん。自分の力で循環させないと。靴下は1枚にして、家の段差とか使ってかかとの上げ下げして」とズバッと言われました。

玉島さんの足にかける熱い思いとお人柄に惚れ込んだのは、実はこの瞬間です。
  

 
今回のインタビューでは、いろいろなお話を伺った中でも、ご自身の足の話をされている玉島さんが一番輝いて嬉しそうに見えました。

玉島さんが初めて会った私に迷うことなくズバッと言われたのは、ご自身が足のコンプレックスに悩み、それを乗り越えてきたからだったんだなと分かりました。

足育は、子どもの未来を育むだけでなく、子どもに関わる大人の未来も明るくする。

 

足育の輪が広がって、足の悩みなどない世の中になり、日本中の人たちがしっかりと大地に立って自分らしい花を咲かせていく。

玉島さんの座右の銘「桜梅桃李」と新元号の「令和」のイメージが重なりました。

 


(2013年6月第1期養成講座にて玉島さんと筆者)

日本足育プロジェクト協会 成田あす香

 

足育アドバイザーⓇになるには、まずは足育基礎講座を修了し、次に足育アドバイザーⓇ養成講座を受講・修了した後、定められた認定課題に取り組みます。

足育基礎講座の詳細は、こちらのページをご覧ください。