今週に入ってインフルエンザが爆発している事はこの「日々雑感」でも書きました。
周辺の小学校では学級閉鎖が相次いでいます。
診療所にもたくさんのインフルエンザのお子さんが来られています。
実はインフルエンザと診断したお子さんのすべてに検査をしているわけではないのです。
中には検査をせずにインフルエンザと診断しているケースもあります。
いわゆる「みなし陽性」です。
例えばこんなケースです。
クラスでインフルエンザが流行っていて今日から学級閉鎖になり、そして朝から熱が出たので午前中にこちらを受診されたような場合です。
胸の音はきれいだし、溶連菌や扁桃炎などののどではありません。
嘔吐や下痢もありません。
でも本人は39℃を超えた熱が出てとてもしんどがっています。
これはどう見てもインフルエンザです。
こんな時は「みなし陽性」として、本人(あるいは保護者)が希望すれば抗インフルエンザ薬を処方します。
この時検査をしたらどうなるでしょう。
おそらく発熱後時間が経っていないので陰性になるに違いありません。
「検査が陰性だからインフルエンザとは言えないので抗インフルエンザ薬は出しませんね」と言うのは医学的にどうかと思います。
「検査が陰性だけどインフルエンザの可能性が高いので抗インフルエンザ薬を処方します」と言う事もあるでしょう。
でも、検査結果が陽性でも陰性でも抗インフルエンザ薬を処方するのであれば、最初から検査をせずに薬を出してあげればいいのではないかと思います。
ご存じのようにインフルエンザの検査はお鼻グリグリです。
結構痛いです。
そんな痛い検査だから、できればなしにしてあげたいです。
痛みだけではありません。
こどもは公的補助があるので窓口負担はゼロのことが多いです。
でも実際には医療費が発生しています。
インフルエンザの検査を行うと大体3,000円ほどの医療費がかかります。
もしこれが自費で全額だったら皆さんどうされますか?
「検査するのに3,000円かかる」
「結果がどうであれもらう薬は同じ」
それでも3,000円払って検査を受けますか?
たぶん検査を受ける人はあまりいないと思います。
そして検査結果を待つ時間も省かれるので、早くに家に帰ることができます。
その上、流行期に於いてはみなし陽性の信頼度は検査結果と同等、あるいはそれ以上の信頼度があることが統計学的にも証明されています。
検査結果=診断ではないのです。
この流行期の間、私は「みなし陽性」をうまく活用していくつもりです。
(実は今日の「日々雑感」、いったん書き上げたものがなぜか消えていました。悲しかったです)