東京都渋谷公園通りギャラリーで現在、開催されているのは、
「セルフケア」をテーマに、アール・ブリュットと現代美術の作家を紹介する展覧会です。
その名も、“心の声をきく わたしを生きる術”。
彼女にとって心地よいリズムで描かれたというだけに、
そうして出来上がった円環はどれも、目にも心地よかったです。
実際の制作風景を目にしたわけではないのですが、
ゆったりとした速度で線が引かれたであろうことが、不思議と伝わってきました。
また、何よりも印象的だったのが、しもぶくれのような形をした円環。
おもちやスライム、あるいは、もっちゅりん(食べたことないけど)を彷彿させるものがありました。
、
眺めているだけで、癒される。
そんなヒーリング効果のある稲田さんの作品群を、
たっぷりと味わいたい人のために、会場ではベンチが用意されています。
よく見ると、その表面には映像が投影されていました。
こちらは、現代美術作家の志村信裕さんによる映像インスタレーション作品です。
泡ように見えるものの正体は、水の中に沈めた輪ゴム。
水面を動かし、その揺らぎによって、
輪ゴムがさまざまな姿に変わる様が映し出されています。
ただそれだけ、といえば、ただそれだけ、なのですが。
ずーっとぼーっと眺めていられる謎の中毒性がある作品です。
本展では、志村さんの作品が他にも。
カーテンで仕切られたこの空間は、内部に入ることが可能となっています。
中に入ると、この通り。
木漏れ日の映像が映し出されていました。
カーテンで仕切られた空間で、木漏れ日の映像を眺めるだなんて、
人生で初めての経験のはず・・・なのに遠い昔にこの光景を目にしたことがあるような?
その時の記憶は一切ないありませんが、
胎内にいる時がこんな感じだったのかもしれません。
ちなみに。
その向かい側には、本展のための新作《心月》が展示されていました。
本展の最後を締めくくるのは、写真家で文筆家の植本一子さん。
2003年にキヤノン写真新世紀で優秀賞を受賞した彼女は、
2013年より自然光を使った写真館「天然スタジオ」を立ち上げ、
一般家庭の記念撮影をライフワークとしています。
本展で紹介されていたのは、昨年刊行されたエッセイ、
『ここは安心安全な場所』に登場する施設にまつわるものです。
その施設とは、クイーンズメドウ・カントリーハウス。
遠野にある馬と人とが共にある暮らしを営む小さな施設です。
馬がいるものの、乗馬クラブでも観光牧場でもなく、
主にセミナーやワークショップが不定期に行われているのだそう。
植本さんは数年前に、この施設と出逢い、
以来、数年にわたって通い続けているとのこと。
その中で、馬との絆のようなものが芽生えたのでしょうか。
写真の馬たちは、どこか心を許したような表情をしていました。
作風やジャンルも異なる出展作家の4人。
それぞれに特に接点はないようですが、
どの作品も、心穏やかになれるものばかりでした。
心をセルフケアしたい人に、強くオススメしたい展覧会です。

ちなみに。
ギャラリーに併設された交流スペースでは、
“ちぐはぐの壁 あの線この線だれの線?”が同時開催されています。
合板やプラスチック波板に、来場者が思い思いに線を引いていい。
自由参加型のワークショップです。
「線」というものの、ただの線はほとんどなく、
蓋を開けてみたら、絵を描く人が多かった模様。
僕が想像していた感じとは、ちょっと違うものになっていました。















