■カラヴァッジョの影
監督:ミケーレ・プラチド
出演:リッカルド・スカマルチョ、ルイ・ガレル、イザベル・ユペール
2022年製作/120分/16+/イタリア・フランス合作
物語の舞台は“カラヴァッジョ”の名で広く知られる、
ミケランジェロ・メリージが生きた1600年代のイタリア。
カラヴァッジョは優れた芸術家である一方で、
トリエント公会議からは反逆者と見なされていた。
ローマ教皇は、カラヴァッジョが売春婦や泥棒、
浮浪者を神聖な絵画のモデルとして起用していることを知り、
バチカンの秘密諜報員(影)に調査を依頼する。
カラヴァッジョは人殺しの罪で死刑判決を受け、恩赦を求めるが…。
(京都ヒストリカ国際映画祭公式ホームページより)
「前回、この企画で、ジョニー・デップ監督の映画『モディリアーニ!』を取り上げました。
そのモディリアーニ役を務めていた主演のリッカルド・スカマルチョが、
カラヴァッジョ役を務めていた過去があると知り、こちらの映画も観てみることに。
モディリアーニとカラヴァッジョは、全然別人に思えますが、
モディリアーニ役ではちゃんとモディリアーニに見えましたし、
カラヴァッジョ役ではちゃんとカラヴァッジョに見えました。
このリッカルド・スカマルチョなる役者は、
イタリア人の芸術家であれば、誰にでもなれるのかもしれません。
イタリアにおける森村泰昌さんのような存在なのでしょう。
と、それはさておきまして。
カラヴァッジョを主役にした映画はこれまでに、
デレク・ジャーマン監督による『カラヴァッジオ』や、
2007年に制作された『カラヴァッジョ 天才画家の光と影』がありました。
そのどちらも、今一つな印象でしたが、
本作はそれらと比べて、圧倒的に面白かったです!
題材が カラヴァッジョであるだけに、
暴力シーンや性的なシーンは少なくなく、
何度か思わず目を背けたくなりはしましたが。
宗教画の登場人物のモデルにあえて娼婦や貧しい人々を選んだ、
カラヴァッジョの画家としての矜持が映画全体を通じて描かれており、
ただ粗暴なだけでない彼の人間的な魅力に、惹きつけられるものがありました。
また、カラヴァッジョを追う秘密諜報員(影)の視点から、
カラヴァッジョの半生が明らかになっていくという構成も見事。
最後の最後までグイグイと引っ張られました。
ちなみに。
カラヴァッジョは死因は病死が濃厚とされていますが、
本作では一部で囁かれている暗殺説を採用しています。
しかも、意外ながらも、さもありなんという真犯人。
ミステリーとしても秀逸でした。
何はともあれ、本作を観たことで改めて、
『モディリアーニ!』が駄作だったことを再確認。
リッカルド・スカマルチョも、モディリアーニ役を引き受けたことを後悔していることでしょう。
(星4つ)」
~映画に登場する名画~
《聖母の死》


