Film:85『モディリアーニ!』 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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モディリアーニ!監督ジョニー・デップ作品ポスター

 

 

■モディリアーニ!

監督:ジョニー・デップ

出演:リッカルド・スカマルチョ、アル・パチーノ、アントニア・デスプラ、

2024年製作/108分/PG12/イギリス・ハンガリー合作

 

1916年、戦火のパリ。

イタリア人の画家アメデオ・モディリアーニは、

才能に溢れながらも批評家に認められることなく、

作品も売れず酒と混乱の日々を送っていた。

キャリアを終わらせて街を去ろうとする彼を、

画家仲間のモーリス・ユトリロやシャイム・スーティン、

モディリアーニのミューズであるベアトリス・ヘイスティングスが引き止める。

友人で画商のレオポルド・ズボロフスキに、

助言を求めるモディリアーニだったが、彼の心は混乱するばかりだった。

やがてモディリアーニは、自身の人生を変えることになる、

アメリカのコレクター、モーリス・ガニャと出会う。

(映画.comより)

 

 

「モディリアーニの人生を描いた映画と言えば、

 傑作として名高い1958年の『モンパルナスの灯』や、

 アンディ・ガルシアが主役を務めた『モディリアーニ 真実の愛』があります。

 どちらの映画も、モディリアーニの晩年、

 最愛の妻ジャンヌとのエピソードがメインに描かれていました。

 しかし、本作で描かれているのは、ジャンヌとまだ出逢う前、

 芸術家としてまったく芽が出ず、がけっぷちのモディリアーニの姿です。

 その切り口の新しさもさることながら、

 監督を務めたのが、あのジョニー・デップということで、

 期待に胸を膨らませて映画を観始めたのでした。

 

 

 ・・・・・・・・・・ところが。

 

 冒頭のレストランで騒動を起こすシーンからして、早くも嫌な予感がプンプン。

 モディリアーニが暴れに暴れて、

 レストランのステンドグラスを盛大に壊してしまうのです。

 おそらく史実では聞いたことがないので、映画オリジナルのエピソードなのでしょう。

 もちろん娯楽映画なので、史実に忠実な必要はありません。

 むしろ、映画として面白ければ、脚色は大いにアリだと思っています。

 それを踏まえた上でも、このシーンは不要も不要でした。

 『パイレーツ・オブ・カリビアン』を意識したようなアクションの数々。

 ただ単純に不愉快なシーンにでした。

 

 とにかく映画内でのモディリアーニが、どうしようもなさすぎます。

 ダメ人間すぎて、一周回って愛おしく感じられることもなく、

 映画の冒頭から最後までずっと、人として終わっていました。

 それでも、芸術家としての才能が感じられたら、まだ救いがあったのですが、

 アル・パチーノ演じる有力なコレクターに、画家の才能を真っ向から否定されます。

 (彫刻家としての才能は認められますが)

 結果として、この映画を通じて、モディリアーニのことがちょっと嫌いになりました。

 

 また、映画では、モディリアーニの友人として、スーティンも登場します。

 彼は性格的には、いいヤツなのですが、
 画面越しにも匂いが伝わってきそうなほどに、
 不潔感極まりない人物として描かれていました。

 結果として、この映画を通じて、スーティンのこともちょっと嫌いになりました。

 

 同様に、やたらとうるさいユトリロも、

 痴話げんかの絶えないベアトリス・ヘイスティングスも、
 適当なことばかり言ってる画商ズボロフスキーも、ちょっと嫌いに。

 そもそも、こんな映画を撮ったジョニー・デップのことも、ちょっと嫌いになりました。

 誰一人として得をしない映画です。

 

 というか、そもそもこの映画は、

 主役が実在のモディリアーニである必要がなかったような。

 モディリアーニのエピソードらしいエピソードは一つも登場しませんし。
 いっそのこと架空の芸術家の話だったら、

 余計なことを気にせずに、楽しめた気がします。

 

 ちなみに。

 映画の原題は、『Modi: Three Days on the Wing of Madness』とのこと。

 邦訳する際に“もうどうでもいいや!”と自棄になり、

 邦題が『モディリアーニ!』になったのかもしれませんね。

 スター 半分星ほし ほし ほし(星1.5つ)」

 

 

~映画に登場する名作~

 

モディリアーニ彫刻の顔、戦火のパリ

 

 

 

 

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