金巻芳俊 創発エンティティ | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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一度目にしたら忘れられない、

独創的な彫刻作品を発表し続けている現代彫刻家、金巻芳俊さん。

その最新個展“金巻芳俊 創発エンティティ”

現在、PARCO MUSEUM TOKYOで開催されています。

 

金巻芳俊 創発エンティティ poster

 

 

会場に入ってまず目に飛び込んでくるのは、

《呼氣カプリス》と名付けられた2点の彫刻作品です。

 

 

金巻芳俊 創発エンティティ 《呼氣カプリス》

 

 

その最大の特徴は、さまざまな表情が360度ぐるりと連なっていること。

 

金巻芳俊の彫刻《呼氣カプリス》

金巻芳俊の彫刻「呼氣カプリス」

 

 

怒っているのかと思えば、笑ってもいたり、泣いてもいたり。
“表情がころころ変わる”というのは、まさにこのことです。
・・・・・と、ついつい顔の造形ばかりに目が向いてしまいますが。
デニムや金属ボタン、ニットなどの質感の再現力にも驚かされますし、

 

金巻芳俊の彫刻:デニムジャケットの質感を再現

 

 

プリーツのスカートがふわっとしていることで、

一瞬の動きが感じられたことにも驚かされます。

顔だけでなく、つま先まで見どころいっぱいの作品です。

 

金巻芳俊 呼氣カプリス 彫刻作品

 

 

なお、会場には本展のために制作された、

新作の「カプリス」シリーズも展示されています。

(これらの作品は木彫ではなく、FRPに彩色したもの)

 

金巻芳俊 創発エンティティ《呼氣カプリス》

 

 

よく見ると、彼女らが羽織っているブルゾンに、

PARCOのロゴの一部がデザインされていました。

 

金巻芳俊 彫刻「呼氣カプリス」

 

 

ちなみに。

ブルゾンのバッグプリントには、

金巻さんの筆記体のサインがありました。

 

金巻芳俊の彫刻《呼氣カプリス》

 

 

個室のような空間で展示されていたのは、《空刻メメント・モリ4》

2021年に埼玉県立近代美術館で開催された“美男におわす”展で発表された作品です。

 

金巻芳俊 彫刻《空刻メメント・モリ4》と影

 

 

骸骨が男性に覆いかぶさろうとしているのか。

はたまた、男性が骸骨を脱ごうとしているのか。

どちらにしても、死の気配を想起せずにはいられません。

もちろん作品そのものにも惹きつけられたのですが、

それと同じくらいに、作品が作り出す影にも惹きつけられました。

むしろ影のほうが作品の本質であるような気さえしました。

 

金巻芳俊《空刻メメント・モリ4》彫刻作品

 

 

また、もう一つの個室では、金巻さんによる最新シリーズ、

「プリズム」シリーズの記念すべき第1作《反照プリズム》が展示されています。

「プリズム」シリーズのコンセプトは、

“万華鏡のように変化し複層的に交わる自意識”とのこと。

それゆえ、本展では万華鏡のような鏡張りの空間で展示されていました。

 

金巻芳俊 創発エンティティ 呼氣カプリス

 

 

このシリーズは、プリズムのイメージということで、

顔や身体のパーツが少しずつズレ、それらが重なっています。

 

image

 

 

そのことは頭では理解できているのですが。

実際に作品を前にしてみると、

「そんなものが現実に存在するわけないだろ」と、

どうにも脳が勝手に判断してしまうようで、混乱すること必至。

実際にこの作品を鑑賞した人にしか伝わらない感覚でしょうが、

3次元の立体作品ではなく、2次元の平面作品のように感じられてしまうのです。

他の彫刻作品では決して味わったことがない唯一無二の鑑賞体験でした。

 

 

さて、本展のラストにしてハイライトとなるのは、

「プリズム」シリーズの最新作《明鏡プリズム》です。

 

金巻芳俊の彫刻《反照プリズム》
 
 
プリズム具合(?)がより複雑になっており、 《反照プリズム》以上に頭が混乱。
酔いそうになりました。
いや、実際ちょっと酔いました(笑)。
 
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金巻芳俊の独創的な彫刻作品、カプリス
 
 
なお、作品と併せて、そのドローイングも展示されています。

 

金巻芳俊「反照プリズム」の抽象的な人体表現

 

 

これをどうやったら、立体化できるというのか。

そのすぐ近くに、実際に完成した作品があるというのに、

ドローイングを見れば見るほど、立体化できる気がしませんでました。

 

ちなみに。

《明鏡プリズム》のモデルを務めたのは、俳優の山田杏奈さんとのこと。

 

image

 

 

映画『ゴールデンカムイ』でアシリパ役を務めた際には、
原作漫画を忠実に再現した変顔で話題となっていましたが、
《明鏡プリズム》の顔のインパクトは、確実に映画を超えていました。
 
 
 
 
 
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