続・無料で観れる美術百選《回向院(東京都墨田区)》 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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1657年、明暦3年の大火災、俗にいう「振袖火事」によって、

江戸市街の6割以上が全焼し、10万人以上の尊い人命が奪われました。

そこで、当時の将軍・4代徳川家綱は、無縁仏を供養する御堂が建てるよう命じます。

それがきっかけとなって誕生したのが、両国駅のほど近くにある回向院(えこういん)です。

 

回向院の赤門と仁王像

 

 

そんな回向院の境内で、1768年に初めて勧進相撲が行われました。
勧進相撲とは、寺社仏閣などの建立・修繕費用、

あるいは、橋の架け替えの資金集めを目的とした相撲興行です。
江戸時代、芝大神宮や深川八幡など各所で不定期開催されていましたが、

1833年に、回向院が勧進相撲の春秋二回の定期開催場所に決まりました。

以降、明治42年まで回向院で勧進相撲が行われていたとか。

そう、両国が相撲の街となったきっかけを作ったのが、この回向院なのです。

 

さて、多くの無縁仏を埋葬していることから、

“日本一の無縁寺”とも呼ばれている回向院。

境内にはたくさんの墓石がありますが、

その中でひと際人気を博している墓石がありました。

それが、こちらの墓石↓

 

鼠小僧次郎吉の墓石と供養塔

 

 

約10年間で100軒近い大名屋敷から、

3000両以上を盗んだ伝説のダークヒーロー。

“鼠小僧”こと中村次郎吉の墓石です。
長年捕まらなかったその幸運にあやかろうと、

受験生をはじめ、多くの方が参拝にやってくるそうです。

なお、墓石の前に置かれた白い石は、「お前立ち」なるもの。

墓石のほうを削るわけにはいかないので、

お前立を削って、お守りにするのだそうです。

「金運」や「勝負運」、「仕事運」にご利益があるとかないとか。

 

ちなみに。

盗んだお金を貧しい庶民に分け与えた義賊という印象のある鼠小僧ですが、

実際はお金配りおじさんではなく、盗んだお金は酒やギャンブル、女遊びに使っていたそうです。

・・・・・・・・そんな人物の墓の一部をお守りにして、果たして問題ないのでしょうか??

 

 

と、それはさておき。

回向院には、浮世絵師・鳥居清長も埋葬されているそうです。

震災や戦災で墓碑は長らく所在不明でしたが、

2013年に有志により「清長碑」が境内に再建されました。

 

回向院の鼠小僧次郎吉の墓石

 

 

そんな美術や文化とも関わりのある回向院では、
「清長碑」と同年に、スタイリッシュな念仏堂が竣工しています。

 

回向院の竹林とスワロフスキーの念仏堂

 

 

何よりも目を惹くのは、2・3階部分。

なんとそこには、竹林があります。

 

回向院の天空の竹林とスワロフスキーの柱

 

 

その名も、天空の竹林とのこと。

さらに、よく見ると、キラキラと輝く数珠の柱も無数にあります。

その正体は、スワロフスキー。

それも、1本につき108個(煩悩の数!)のスワロフスキーが連なっているそうです。

 

さてさて、インパクト強めな天空の竹林ですが、

アートテラー的には、1階のほうに驚かされました。

 

回向院の屏風絵と天井画

 

 

外から太陽の光が普通に差し込む空間に、

四曲の屏風絵が対面して展示されています。

場所が場所だけに、レプリカかと思いきや・・・・・

 

石踊達哉 天空の竹林 屏風絵
屏風絵、白鷺と蓮の花

 

 

れっきとした日本画でした。

しかも、その作者名を思わず二度見!

どちらも「平成の琳派」とも呼ばれる日本画家・石踊達哉さんの手によるものでした。

まさか、日本画壇の重鎮の絵がさらっと置かれているだなんて!

ふと天を仰ぐと、この日三度目となる驚きの光景がありました。

 

回向院の天井画:石踊達哉の日本画6点

 

 

続・無料で観れる美術百選081
石踊達哉《天井画》

 

石踊達哉の天井画、天空の竹林

 

 

 

石踊達哉さんの天井画は今日も、天空の竹林を支えています。

 

 

<無料で観れる美術 データ>
回向院

住所:東京都墨田区両国2-8-10

アクセス:○JR「両国駅」より約4分

 

 

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