マルチプル_セルフ・ポートレイト | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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美術を、もっともっと身近なものに。もっともっと楽しいものに。もっともっと笑えるものに。

東京都現代美術館(MOT)の収蔵品約6000点の中から、

戦後美術を中心に現代美術の多様な魅力を紹介する展覧会。

それが、MOTコレクション。

開館30周年を迎える今年度ラストを飾るMOTコレクションは、

セルフポートレートをテーマにした“マルチプル_セルフ・ポートレイト”

現代アーティストによるさまざまなタイプのセルフポートレート紹介しています。

 

MOTコレクション セルフポートレート展

 

 

それらの中には、ご存じアンディ・ウォーホルや、

日本を代表するセルフポートレートアーティスト森村泰昌さんの作品も。

 

ウォーホル作品:セルフポートレイト9連作
三連作:フルートを吹く人物

 

 

さらに、今年7月にお亡くなりになった、

在日韓国人作家の郭徳俊(クァク・ドゥクジュン)の代表作、

アメリカ大統領の顔と自身の顔を合成する「大統領シリーズ」もありました。

 

MOTコレクション展示、セルフポートレート作品

 

 

さてさて、かつてのMOTコレクションは文字通り、

MOTのコレクション作品だけで構成されていましたが、

今回の出品作品には、作家蔵を含む借用品も多く含まれています。

(・・・・・それはもはやMOTコレクションではない気もしますが)

 

そうしてフォーカスされていた一人が、松井えり菜さんです。

彼女は、2004年に村上隆さん主催による「GEISAI #6」において、

白目を剥く自分を描いた《エビチリ大好き》で鮮烈なデビューを果たしました。

以来、変顔の自画像を描き続けてきた松井さん。

《エビチリ大好き》は出展されていませんが、

本展にももちろん、変顔セルフポートレートが数多く出展されています。

どの作品も強烈で、いい意味でウザかったです(笑)。

 

MOTコレクション展示のセルフポートレート3点
MOTコレクション展、セルフポートレート作品4点

 

 

その中で1点だけ異色の作品がありました。

MOTコレクションの新収蔵品となった《イミテーションサパー》です。

 

松井えり菜《イミテーションサパー》画像
 
 
子育て中、テーブルにおもちゃが散乱している光景が、
レオナルド・ダ・ヴィンチの 《最後の晩餐》に見えたそうで。
そこに着想を得て制作された作品とのことです。
なお、パッと見、本作には松井さんは登場していないように思えますが。
よく見ると、テーブルクロスにうっすらと顔が浮かび上がっていました。
ウザっ(笑)!
 
もう一人フィーチャーされていたのは、ユアサエボシさん。

 

MOTコレクション:セルフポートレート展の絵画
MOTコレクション展、セルフポートレート絵画

 

 

福沢一郎を彷彿とさせるような、

これら戦後日本のシュルレアリスム風の絵画はすべて、

大正生まれの画家ユアサエボシによって描かれたものです。

いや、実際のユアサエボシさんは、1983年生まれの現代作家なのですが、

彼は、大正生まれの架空の三流画家ユアサエボシという設定で作品を発表しています。

そういう設定なので、新作はあくまで“過去作の新発見”ということになります。

 

その設定だけでも面倒くさいのですが(笑)、

本展では、ユアサエボシさんの展示空間内に、

彼が所蔵する物故作家の絵画も点在していました。

つまり、昭和時代に制作された作品と、

架空の画家ユアサエボシの作品が混在しているのです。

例えば、こちらのコラージュのような作品。

 

変顔セルフポートレート「イミテーションサパー」

 

 

ユアサエボシの作品かと思いきや、中原實による作品でした。

さらに、こちらの抽象的な銅板画。

 

田河水泡 銅板画作品
 
 
やはりユアサエボシの作品かと思いきや、
『のらくろ』で知られる漫画家・田河水泡による作品でした。

一体、今、いつの時代の何を観ているのか。

この展示空間にいればいるほど、頭が混乱してきました。

 

 

ちなみに。

MOTコレクションは特集展示として、

“中西夏之 池内晶子 —弓形とカテナリー”も同時開催中です。

MOTで日本人作家として初めて個展を開催した前衛芸術家・中西夏之と、

 

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絹糸を用いた繊細で幽玄なインスタレーションで知られる池内晶子さんの2人展です。

 

赤色インスタレーション展示
中西夏之 池内晶子展 絹糸インスタレーション

 

 

特に接点のない2人なので、組み合わせとしては新鮮。

会場の冒頭では、それぞれの作品が展示されていました。

 

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声で例えるなら(?)、繊細で幽玄な池内さんの作品はウィスパーボイスのよう。

独自の思索を通じて制作された中西の作品は、哲学的な深みのある個性的な低音ボイス。

まるでKing Gnuのツインボーカルのようです。

星

 

 

 

 

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