六本木クロッシング2025:時間は過ぎ去る わたしたちは永遠 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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日本の現代アートシーンを総覧する定点観測的な展覧会として、
森美術館が、3年に1度のペースで開催し続けているシリーズ展。

それが、六本木クロッシングです。

その最新となる“六本木クロッシング2025”は、「時間」がテーマ。

“時間は過ぎ去る わたしたちは永遠”と題し、日本で活動する、

あるいは日本にルーツがあり海外で活動するアーティストを紹介しています。

 

六本木クロッシング2025展 「時間」テーマの現代アート

 

 

参加作家は、全部で21名(組)。

その中には、昨年の国立工芸館の“心象工芸展”で、

作品がメインビジュアルに採用されていた美術家の沖潤子さんや、

 

六本木クロッシング2025 現代アート展

沖潤子 展示風景:「六本木クロッシング 2025 展:時間は過ぎ去る わたしたちは永遠」森美術館(東京) 2025-2026年

 

「梅花皮」や「石爆」といった陶芸の伝統的な技法を、
現代的にアップデートした作品で知られる桑田卓郎さんを筆頭に、

 

六本木クロッシング2025 現代アート作品3点

桑田卓郎 展示風景:「六本木クロッシング 2025 展:時間は過ぎ去る わたしたちは永遠」森美術館(東京) 2025-2026年

 

 

国際的に活躍する今注目のアーティストが多く参加しています。

“日本の現代アートシーンを総覧できる展覧会”の看板に偽りなし!

現代アートの最前線を知りたい方に、うってつけの展覧会です。

星星

 

 

さて、ここからは特に印象に残った作品をピックアップしてご紹介。

まず紹介したいのは、日本人建築家の村上あずささんと、

英国人アーティストのアレキサンダー・グローヴスによるデザインユニット、

A.A. Murakamiによる新作インスタレーション《水中の月》です。

 

六本木クロッシング2025 時間テーマの現代アート

A.A.Murakami《水中の月》 2025年 制作協力:アンソロピック


真っ暗な空間に入ると、そこに浮かび上がっていたのは、
樹木のような、遊具のような、街灯のような、巨大な何やら。
それぞれの先端から、白い球体のようなものが絶えず生み出されています。

 

六本木クロッシング2025の現代アート照明
A.A.Murakami《水中の月》 2025年 制作協力:アンソロピック
 
 
その正体は白い霧(煙?)を閉じ込めたシャボン玉。
と言っても、普通のシャボン玉と違って、
風でふわふわと飛んではいかず、どれも真下にボトッと落ちます。
しかも、落ちても簡単には弾けません。
そんな白くぶよんぶよんとしたシャボン玉が、送風機の風によって水面を流れていく。
ただそれだけのインスタレーションなのですが、
シンプルながらも、初めて目にする光景過ぎて、
飽きることなく、その一連の動きに見入ってしまいました。
時間が溶けること必至のインスタレーション作品です。

 

 

 

 

続いても、アートユニットの手による作品。
2009年に結成されたズガ・コーサク+クリ・エイトによる作品群です。
彼女らが本展のために制作したのは、六本木駅の出口や案内地図。

 

六本木駅アート作品と自転車

ズガ・コーサクとクリ・エイト《地下鉄出口 2》

展示風景:「六本木クロッシング 2025 展:時間は過ぎ去る わたしたちは永遠」森美術館(東京) 2025-2026年

 

六本木ヒルズと日比谷線六本木駅の案内図

ズガ・コーサクとクリ・エイト《地下鉄出口 1a》

展示風景:「六本木クロッシング 2025 展:時間は過ぎ去る わたしたちは永遠」森美術館(東京)2025-2026年

 
 
どれも段ボールで制作されているにもかかわらず、
妙に質感がリアルなので、一瞬本物に感じてしまいました。
しかも、森美術館を訪れる前に、
実際にこれらの景色を目にしているため、
「あれ、さっきいた場所にワープした??」と錯覚してしまったほど。
六本木という場所を最大限の活かした作品です。
 
森美術館の立地を活かした作品といえば、
ベルリンを拠点に活動する和田礼治郎さんの 《MITTAG》も。

 

現代アート、六本木クロッシング2025の展示作品

和田礼治郎《MITTAG》 2025年

展示風景:「六本木クロッシング 2025 展:時間は過ぎ去る わたしたちは永遠」森美術館(東京) 2025-2026年

制作協力:SCAI THE BATHHOUSE, Tokyo

 
 
「MITTAG」とは、ドイツ語で正午の意味。

真鍮製のフレームに挟まれた2枚のガラスの間には、

コニャックが満たされており、窓越しの地平線と重なるようになっています。

その光景が最も美しくなるのが、太陽が最も高く輝く正午とのこと。

《MITTAG》のベストタイミングを狙うのであれば、12時です。

 

 
さてさて、本展に出展されている作品は、
見た目に美しいものや驚きのあるものばかりではありません。
例えば、現在は東京を拠点に活動している、
ノルウェー生まれのガーダー・アイダ・アイナーソンによる作品群。
 
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ガーダー・アイダ・アイナ―ソン

展示風景:「六本木クロッシング 2025 展:時間は過ぎ去る わたしたちは永遠」森美術館(東京) 2025-2026年
 
 
壁に並んでいるのは、大画面の黒い絵画。
よく見ると、それらの下に、(ドローンの音)や、
[panicked breathing]といった文字が書かれています。
これらは、いわゆるクローズド・キャプションを絵画化したもの。
画面が真っ暗なため、かえっていろいろ想像してしまい、
キャプションの言葉の醸し出す不穏さが、増幅してしまいました。
なお、床に無数に置かれた白い門のようなものは・・・・・
 
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ガーダー・アイダ・アイナ―ソン

展示風景:「六本木クロッシング 2025 展:時間は過ぎ去る わたしたちは永遠」森美術館(東京) 2025-2026年

 

 

2019年に起きた香港民主化デモのバリケードをモチーフにしているそう。
パッと見、佐藤雅彦み(?)を感じましたが、全然関係ありませんでした。

 

また、北澤潤さんの《フラジャイル・ギフト:隼の凧》も、

見た目は華やかながら、いろいろと考えさせられる作品です。

 

六本木クロッシング2025、飛行機アート展示

北澤潤《フラジャイル・ギフト・ファクトリー》

展示風景:「六本木クロッシング 2025 展:時間は過ぎ去る わたしたちは永遠」森美術館(東京) 2025-2026年
 

 

現在、インドネシアで活動をしているという北澤さんは、

ある時、博物館で戦闘機「隼(中島キ43)」が保存されているのを発見したそう。

それは、日本軍がインドネシアを侵攻する際に使用したもの。

その後、インドネシア独立戦争の際に、

インドネシア軍によって再利用されたそうです。

言ってしまえば、日本にとっては隠したいような史実。

しかし、北澤さんはそこから目を背けることなく、

インドネシアの凧職人たちと協働し、実寸大で隼を制作したのでした。

 

六本木クロッシング2025 飛行機オブジェ

北澤潤《フラジャイル・ギフト・ファクトリー》(部分) 

展示風景:「六本木クロッシング 2025 展:時間は過ぎ去る わたしたちは永遠」森美術館(東京) 2025-2026年

 

 

この作品が日本とインドネシアの友好の象徴、平和の象徴となりますように。

 

 

 ┃会期:2025年12月3日(水)~2026年3月29日(日)

 ┃会場:森美術館

 ┃https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/roppongicrossing2025/02/

 

 

~読者の皆様へのプレゼント~
“六本木クロッシング”の無料鑑賞券を5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
なお、〆切は12月28日です。当選は発送をもって代えさせていただきます。

 

 

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