現在、トーハクこと東京国立博物館の本館では、
特別展“運慶 祈りの空間―興福寺北円堂”が絶賛開催中ですが。
本館お隣の東洋館では、毎年秋の恒例企画「博物館でアジアの旅」が開催されています。
日韓国交正常化60周年にあたる今年のテーマは、
トーハクの所蔵品の中から、韓国にちなんだ作品の数々が紹介されています。
一口に「韓国にちなんだ作品」と言っても、
そのジャンルも時代も、実に多岐に渡っていました。
5世紀の金の王冠もあれば、
朝鮮王朝から江戸幕府に贈られた貴重な国書、
さらには、朝鮮半島製である可能性が高いとされる《鵲尾形柄香炉》もありました。
そういったやんごとなき品も展示されている一方で、
白磁の壺やカエル型の携帯用枕など、民衆の日用品も展示されています。
中でも初めて目にしたのが、こちらのチョガッポなるもの。
色合いはどこかバウハウスを彷彿させますが、
その正体は、韓国の伝統的なパッチワークだそう。
衣服や布団のハギレなどを縫い合わせて一枚の布にしたものです。
近年では「布のステンドグラス」とも呼ばれ、
インテリアとして人気が高まっているのだとか。
韓流ドラマや韓国の映画を通じて、
昔よりは、韓国の文化を知っているつもりでいましたが、
お隣の国ながら、まだまだ知らないことはあったのですね。

さて、韓国(朝鮮)といえば、わが日本に仏教をもたらした国。
それゆえ、本展では仏画や仏像が特に充実しています。
見るからにありがたい仏像もいらっしゃったのですが、
日本のと比べて、ゆるキャラ系が多かったのが印象的でした。
例えば、こちらの《神将立像》。
誰かの指示を待っているかのような。
所在なげな表情がなんとも言えません。
また例えば、こちらの《毘沙門天立像》。
ポージングが実に独特です。
強そうというよりは、チャラそう。
ユーチューバーの自己紹介っぽい感じがしました。
さらに、仏教関連のアイテム以外で、
なぜか充実していたのは、猫をモチーフにした絵画。
絵師が違うので、タッチはバラバラでしたが、
黒×白のバイカラーの猫が多く、白猫や黒猫、三毛猫はいませんでした。
猫の分布にもお国柄が出ているのかもしれません。
なお、数ある猫の絵で個人的にお気に入りなのは、伝毛益の《猫図軸》。
紙のシワと、ちょうど一緒になっていて(?)、
パッと見ただけでは、気が付かなかったのですが。
よく観てみると、猫の目線の先に虫が飛んでいました。
飛んでいる虫を猫が目で追っている。
その前後の情景が動きを伴って伝わってきました。
まるでジブリの短編アニメを観ているかのような。
アニメは日本のお家芸と思っていましたが、
そのルーツの一部は、意外に大陸にもあったのかもしません。
ちなみに。
トーハクでは、コレクションの保存と活用、
展示、教育、サービスなど、包括的な視点で未来を見据え、
サステナブルかつインクルーシブなミュージアムを目指すため、
「東洋館インクルーシブ・プロジェクト」をスタートしたそうです。
・・・・・・ちょっと何言ってるかわからないですが。
何はともあれ、プロジェクトの第1弾として、本展において、
視覚に障害のある方にも作品鑑賞を楽しめるプログラムを実施していました。
いくつかあるプログラムの中で、特に気になったのはこちらのプログラム。
実は本展の期間中は、東洋館は“おしゃべりフリー”となっているそうで。
特に視覚に障害のある方とアテンドの方が、
積極的にコミュニケーションを取れるようにと、
制作されたのが、こちらの「サイコロdeタイムトラベル」なのだとか。
令和になってからは初めて、サイコロトークを目にしたような。
あまりに懐かしすぎて、思わずサイコロを振りたくなりました。
何が出るかな。何が出るかな。


















