笹本晃 ラボラトリー | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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現在、東京都現代美術館では、

展覧会“笹本晃  ラボラトリー”が開催中。

ニューヨークを拠点に活動するパフォーマンス・アーティスト、

笹本晃さん(1980~)の約20年におよぶ仕事を紹介する回顧展です。

 

 

 

ちなみに。

その字面から、すっかり男性作家だと思い込んでいたのですが、実は女性。

「晃」と書いて、「あき」と読むそうです。

 

2005年に制作した《クッキング・ショー》以来、一貫して、

身体を使ったパフォーマンスアートを発表し続けてきた笹本さん。

 

 

 

本展の会期中、何度かニューヨークから来日し、

実際に展覧会場でパフォーマンスをするそうです。

その日を狙って訪れるのが、ベストではありますが、

もちろんそれ以外の日でも、映像でパフォーマンスを楽しむことができます。 

 

 

 

いくつかある映像作品の中で、

もっとも印象に残っているのが、《ランダム・メモ・ランダム》という作品。

 

 

 

何もない空間に、巨大な穴が掘られており、

まず、そこにチェーンで吊るした木製の箪笥を降ろします。

次いで、箪笥を引き上げます。

つまり、穴の深さは、この箪笥が入るくらいはあるわけです。

それがわかったところで、笹本さんが登場。

そして、おもむろに穴に入ります。

 

 

 

どうやら穴の底には、トランポリンが仕込んであるようで。

リズミカルに笹本さんがひょこひょこ頭を出し続けました。

基本的にそれだけの作品です(笑)

意味はよくわかりませんが、謎の中毒性があり、つい見入ってしまいました。

 

 

さてさて、こうした映像作品もありますが、

本展のメインとなるのは、インスタレーション作品です。

パフォーマンスをする空間も自身で制作するのが、笹本さんのスタイル。

パフォーマンスをしている時以外は、

その空間はインスタレーション作品として鑑賞されるのです。

 

 

 

こちらは、2010年のホイットニー・ビエンナーレに選出された際に、

初めて発表されたという《ストレンジ・アトラクターズ》という作品です。

 

 

 

キャプションにあった解説をそのまま引用しますと。

「ストレンジ アトラクター」とは、グラフの軌跡が一見予測できない方法で、

特定の点/線/平面に引き寄せられるように見える数学的な概念のことなのだそう。

 

・・・・・・・・・・・。

 

この時点で文系脳には付いていけなかったですが、説明を続けます。

特に有名なのが、数学者・気象学者のエドワード・N・ローレンツによる方程式だそうで。

笹本さんは、この方程式を3次元に表現したモデルに魅了され、

それを実際の空間に描き出し、その上で自分自身が動くことを想像したのだとか。

なお、空間の天井に張り巡らされた金属線は、

ローレンツ方程式のモデルを模しているのだそうで。

その線上から吊られている樹脂で固めたコップや立体物は、

幾何学の概念をモデルとして具現化したものなのだそうです。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

何を言っているのか、1㎜もわからなかったです(笑)。

先ほど、トランポリンでぴょんぴょんしていたのと、

同じ人が作ったとは思えないほど難解な作品でした。

 

 

ちなみに。

こういった数学脳バリバリの作品があったかと思えば、

巨大なルアーのようなものがバネでびょんびょんするだけの作品も。

 

 

 

作風の振り幅がとにかくデカい!

それが、笹本晃というアーティストです。

星星

 

 

最後に、本展のハイライトともいうべき作品をご紹介いたしましょう。

その名も、《スピリッツの3乗》です。

 

 

 

こちらは、弘前れんが倉庫美術館の開館記念展のために制作された作品で、

もとはシードル工場であった同館に遺されていたガラス窓や鉄扉といった廃材と、

ファンや工業用のダクトとを組み合わせ、空気が循環するように全体を繋げたもの。

本展のために、この作品を構成するすべてを青森から運んできたそうです。

 

なお、作品の数か所に設置されたガラス彫刻が、

循環する空気により、常にクルクルと回り続けていました。

 

 

 

これほど大掛かりな装置なのに、

動きに関しては、わずかにこれだけ(笑)

 

 

 

これもある意味で、ギャップ萌えというヤツでしょうか。

 

 

 

 

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