2025イタリア・ボローニャ国際絵本原画展 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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絵本の夏、板橋の夏。

今年も板橋区立美術館では、毎年恒例の、

“イタリア・ボローニャ国際絵本原画展”が開催されています。

 

 

 

イタリア・ボローニャ国際絵本原画展は、

イタリア・ボローニャのブックフェアが主催する、

絵本作家の登竜門ともいうべき絵本原画の国際コンクール。

子どもの本のために描かれたものであれば、
ベテランも新人も関係なく、誰でも応募可能となっています。

間もなく還暦(?)の60回を控えた59回目の今回には、

昨年の応募数3520名から大幅増となる4374名がエントリー!

過去最多となる激戦を勝ち抜き、29の国と地域の76組が入選しました。

本展では、その入選作すべてが展示されています。

 

 

 

なお、入選作のうちすでに絵本になっているものは、

会場内で実際に手に取って楽しめるようになっています。

 

 

 

つい、「原画>印刷物」と思いがちですが、

印刷物は印刷物ならではの良さがあるもの。

原画と印刷されたものとを見比べて楽しめるのが、

イタリア・ボローニャ国際絵本原画展の魅力の一つです。

星

 

 

さて、今年の絵本原画展で特に印象的だったのは、

イタリアのベアトリーチェ・トネッリの『カッコウ』しかり、

 

 

 

フランスのフロリアン・ビジェの『白夜』しかり、

 

 

 

ちょっと不気味なテイストの絵本が、入選作の中で目立っていたこと。

 

 

 

日本では今、インディーズゲーム『8番出口』や、

小説の『変な家』や『近畿地方のある場所について』など、

不穏系ホラーがじわじわとムーブメントとなっています。

それと同じような現象が今、世界中で同時多発的に起こっているのかも。

もし、そうだとしたら、それが一番のホラーである気がします。

 

不穏系ホラーな風味の作品は他にも。

例えば、こちらは韓国のアン・キョンミによる『仮面の夜』です。

 

 

 

鏡に映っていたのは、さまざまなタイプの仮面。

 

 

 

無表情を通り越して、虚無感のようなものが漂っています。

大人の自分が観ても、軽くゾワっとしました。

子どもの時にこのビジュアルを観ていたら、軽くトラウマになっていたことでしょう。

 

仮面といえば、イタリアのジュリオ・ノッチェージの『ごっこあそび』も。

 

 

 

顔自体はそこまで怖くないのですが。

何の動物かよくわからないヤツがかぶっていること。

それに加えて、そいつらが日常生活を送っていること。

そのどこか淡々とした雰囲気もあいまって、絶妙に不穏感が漂っていました。

この謎の生物たちが、もともといた人間に成り代わって、生活をしているのかも。

しかも、周囲の人間はそれに気づいていなかったりして。

想像すれば想像するだけ、不気味でした。

こちらもまた、子どもの時に出逢わなくて良かったと思える絵本です(←?)。

 

ちなみに。

入選作の中には、違った角度で怖さを紹介するものもありました。

ドイツのパウリーナ・ラウによる『このくみあわせ、だいじょうぶ?』です。

 

 

 

「ゾウとアンティーク陶器」とか、

「自転車に乗る人と画びょう」とか。

このあと怖いことになりそうな状況の数々を紹介する作品です。

なお、右下に展示されていたのは、「はだしとレゴブロック」という組み合わせ。

想像するだけで、絶対痛いです。

はだしでブロックを踏んずけてしまうというのは、世界共通のあるあるなのですね。

 

 

さて、イタリア・ボローニャ国際絵本原画展は、

もちろんホラージャンル限定のコンペではありません。

ほっこり可愛らしい作風のものも数多く入選していました。

 

 

 

それらの中でもとりわけお気に入りなのは、

韓国のオ・ダラによる『みにくいジャガイモ』という作品。

 

 

 

タイトルに“みにくい”とありますが、

描かれているジャガイモとたちは皆一様に可愛かったです。

ルッキズムの時代に一石を投じるような作品ではないので、

そういう界隈に敏感な方もどうぞ、ご安心してお楽しみくださいませ。

さて、もちろん原画の可愛さもさることながら、

個人的に印象に残っているのが、本の装丁です。

ジャガイモを主人公にした絵本ということで・・・・・

 

 

 

ポテトチップスの袋をイメージしたものとなっていました。

なお、写真では上手く伝わりませんが、

実際のポテトチップスの袋と同じように、

表面がキラキラとしたテクスチャーになっています。

思わずジャケ買いしたくなる一冊でした。

 

 

 

 

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