今年でめでたく開館30周年を迎えた「セタブン」こと、世田谷文学館。
今でこそ、漫画の展覧会は珍しくないですが、
世田谷文学館は他館に先駆けて、開館以来積極的に、
岡崎京子展や浦沢直樹展、伊藤潤二展など漫画展を開催してきました。
30周年という記念イヤーを飾るのも、もちろん漫画の展覧会!
SFコミックの巨匠・士郎正宗さんの大規模展覧会、
圧倒的な人気を誇る『攻殻機動隊』の作者ゆえ、
士郎正宗さんの展覧会は、過去に何度も開催されていると思い込んでいましたが。
意外や意外に、本展が初となる士郎正宗展とのこと。
それだけに、世田谷文学館も入り口から気合が入っていました。
さて、本展に出展されている漫画原稿は、300点以上!
『攻殻機動隊』の原画はもちろんのこと、
『ドミニオン』や『アップルシード』といった、
隠れた傑作漫画の原画たちも惜しげもなく展示されています。
しかも、ただ原画を並べるだけではなく。
士郎正宗さんといえば、サイバーパンク的世界観。
・・・というわけで(?)、『攻殻機動隊』の原画の一部は、
サイバーパンクっぽい雰囲気の特製の什器で紹介されていました。
余談ですが。
個人的には、サイバーパンク感よりも、
なぜだか、パルコっぽい印象を受けました。
と思っていたら、本展の主催の一つが、実際にパルコでした。
また、こちらの鉄管製の什器も特徴的でしたが、
本展の展示壁も、何やら普段の展覧会とは違うようで。
世田谷文学館の30周年の歴史を感じられるよう、
これまでに使用された展示壁を再利用しているのだそう。
しかも、あえて塗装仕上げをしていないのだそうです。
そのこだわりと、士郎正宗さんの世界観とは、
冷静に考えると、何の関係も無い気はしましたが(笑)。
不思議と違和感はありませんでした。

さて、本展で紹介されていたトピックの中で、
アートテラー的に興味深かったのは、フチコマに関して。
フチコマは、『攻殻機動隊』に登場するAI搭載戦車。
その最大の特徴は、蜘蛛のように何本も生えた脚です。
士郎さんご本人曰く、そのイメージソースの一つは、
幼い頃に目にして衝撃を受けたルドンの作品とのこと。
まさか、フチコマのルーツがルドンだったとは!
それともう一つ印象に残っているのが、
士郎さんが影響を受けた蔵書の数々です。
その大半を占めるのが、サイエンス系の書籍でした。
それらにさらっと混じっていたのが、『日本の美術』です。
表紙になっていたのは、すべて刀剣。
一見すると、あまり関係ない気もするのですが、
よく考えると、“正宗”繫がりということなのでしょう。
ちなみに。
展覧会そのものも、もちろん気合が入っていましたが。
同じくらいに、いや、もしかしたらそれ以上に、
展覧会オリジナルグッズにも気合が入っていました。
特に充実していたのが、Tシャツ!
ざっと数えただけでも30着以上ありました。
それにちなんで、こんなまつり(?)も開催されているようです。
フチコマも言っていますが、
これはまさに、ミュージアムTシャツ界の革命です。


















