美術の世界には、奇跡を起こしたヒーローが数多く存在する。
もしも、そんな彼らにヒーローインタビューを行ったなら・・・?
インタビュアー(以下:イ)「放送席、放送席。
ローマの司祭、ウァレンティヌスさんにお越し頂きました」
ウァレンティヌス(以下:ウ)「あ、どうも。ウァレンティヌスです」
ダフィット・テニールス3世《聖母マリアからロザリオを受け取る聖ウァレンティヌス》
イ「確か、ウァレンティヌスさんが司祭をされていた時、
ローマでは若い兵士は、結婚が禁止されていたんですよね?」
ウ「あ、はい。そうなんです。士気が下がる、っていう理由で。
でも、それって可哀そうじゃないですか。
愛し合ってる2人は結婚するべきですよね。それでまぁ・・・」
イ「禁令に背いて、兵士たちの結婚式を執り行っていたと?」
ウ「はい。そうなんです。
ただ、しばらくして、そのことがバレてしまいまして・・・。
最終的には捕まってしまいました」
イ「それは大変でしたね。
・・・ん?ところで、奇跡はいつ起こすんですか?」
ウ「あ、はい。それが捕まっている時にですね。
看守の娘さんが何度か私のところに通ってきまして」
イ「はいはい」
ウ「その子はいわゆる“隠れキリシタン”で。
キリスト教の説教を受けたくて、私のところにきてたんです。
で、実はその子、生まれつき目が見えなかったのですが・・・」
イ「もしかして?」
ウ「はい。私のところに通ううちに、奇跡的に目が見えるようになったんです!」
イ「ふーん」
ウ「・・・・・あれ?何か反応薄くないですか」
イ「あ、いや、まぁ。
目が見えるようになるって奇跡はキリストさんもやってますから。
かぶってるんですよね、奇跡が」
ウ「そんなこと言われても・・・」
イ「え、他に奇跡ないんですか?
キリストさんなんて、いっぱいある奇跡のうちの1つですよ。
ウァレンティヌスさんは、この1コだけ??」
ウ「・・・まぁ・・・その・・・そうです」
イ「えっと、ちょっと待ってくださいね。
たったそれだけの奇跡で、あなたが処刑された2月14日が、
あなたの名を取って、ヴァレンタインデーになったわけですか?」
ウ「なんか、そうなってるらしいですね」
イ「いや、他人事みたいに言わないでくださいよ!
あなたのせいで、この日どれだけ、
モテない男子が辛い想いをしていると思ってるんですか?」
ウ「それに関しては、多大なご迷惑をおかけしています。。。
大変申し訳ございませんでした」
イ「心から本当にそう思ってるんですか?」
ウ「あ、はい。ただ、2月14日に亡くなった、
ウァレンティヌスというの名の聖人は私以外に2人いまして。
ヴァレンタインデーの「ヴァレンタイン」が、必ずしも私とは・・・」
イ「一致してるんですか?不一致なんですか?!」
このあと、ヒーローインタビュー・・・もとい、
謝罪記者会見は、10時間以上行われたとか―

