■魂のまなざし
監督:アンティ・J・ヨキネン
出演:ラウラ・ビルン、ヨハンネス・ホロパイネン
2020年製作/122分/G/フィンランド・エストニア合作
モダニズムを代表する画家のひとりとして近年、
世界的に注目を集めるフィンランドの画家ヘレン・シャルフベックを描いた伝記映画。
1862年に生まれ1946年に没した彼女の生涯のうち、
その後の画業と人生を決定づけた1915年から1923年の8年間の時代を描いた。
1915年、高齢の母親とともに田舎で暮らす、
画家のヘレン・シャルフベックは、世間からはすでに忘れられた存在だったが、
湧き出る情熱のために絵を描き続けていた。
そんな彼女のもとに、ある画商が訪ねてきたことから、運命は大きく転換する。
画商はヘレンが描きためていた159点の作品を見いだし、大きな個展開催に向けて動き出す。
そして、画商が紹介した19歳年下の青年、
エイナル・ロイターとの出会いが、ヘレンの人生にさらなる転機をもたらす。
(映画.comより)
「2015年に東京藝術大学大学美術館で、
日本初となる大規模な回顧展が開催され、
それ以降に、全国各地を巡回したヘレン・シャルフベック。
その展覧会名も、“ヘレン・シャルフベック−魂のまなざし”でしたが、
2020年に制作され、2022年に日本で劇場公開されたこの伝記映画もまた、
『魂のまなざし』という邦題が付けられています。
原題は『Helene』なのに。
完全に回顧展のタイトルに乗っかった形ですね。
と、それはさておきまして。
あの回顧展からすでに8年の月日が経ち、
そのうえ、国内に彼女の収蔵品が無いこともあり、
ヘレン・シャルフベックについての知識はほぼ0の状態で、映画を観始めました。
まぁ、観ていればそのうち、 彼女がどんな芸術家だったのかわかるだろう。
世界的に注目される理由が明らかになるのだろう。
そう思っていたのですが、待てど暮らせど、そんな流れにはならず。
約2時間もある映画のメインとして描かれていたのは、
画家ヘレンの作品や、制作に対するあれやこれやではなく、
19歳年下の画家との恋愛に関してでした。
19歳差もあったため、早い段階から2人の関係は上手くはいかず。
ヘレンの期待に反して、青年男性は若い婚約者を作る始末。
正直言って、出逢った段階からフラグが立っていたために、
“いや、まぁ、そりゃそういう結果になるでしょうよ”というくだりを、
延々と見せつけられて、何を観ているのかという気持ちになりました。
男女関係なく、アラフォーの失恋なんか見ていられないって。。。
恋愛の悩みにより、ヘレン役の女優さんが窶れていき、
ヘレンの代表作《黒い背景の自画像》に徐々に似ていく様は、
鬼気迫るものがあり、女優魂やプライドのようなものを感じました。
ヘレンに興味がある人であれば、
ギリ最後まで観られる気がしますが。
そうでなければ、知らない中年女性の、
そこまで意外性のない失恋エピソードを、
ただ延々と見させられているだけの映画でした。
苦痛とまではいきませんが、無心にならざるをえないレベル。
上映時間の約2時間は、心を無にして、
まさに、まなざしで魂を眺めるかごとくの時間でした。
(星1.5つ)」
~映画に登場する名画~
《快復期》


