私は死を乗り越えて生きてゆきたい | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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草間彌生さんといえば、水玉。

草間彌生さんといえば、かぼちゃ。

草間彌生さんといえば、無限の網。

 

一般的には、そんなイメージが強いかもしれませんが、

実は草間彌生さんの作品には、もっと多用されているテーマがあります。

それは、「死」。

肉親の死や最愛の恋人の死、

さらには、トラウマや神経症による自殺未遂衝動など、

彼女の芸術家人生には常に、「死」の影がありました。

現在、草間彌生美術館で開催されているのは、

死や死生観という切り口で、草間さんの作品を紹介する展覧会。

その名も、“私は死を乗り越えて生きてゆきたい”です。

 

美術館に入って、まず目に飛び込んできたのは、

《生命(REPETITIVE VISION)》という立体作品でした。

 

(注:展示室内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)

 

 

その後ろに展示されていたのは、

2009年から2021年にかけて制作されていた、

800点以上からなる「わが永遠の魂」シリーズのうちの2点。

タイトルはそれぞれ、《永遠に生きていたい》《自殺の儀式》とのこと。

相反するイメージではありますが、どちらも「死」にまつわるタイトルです。

 

続く2階の展示室では、1990年以前の作品が紹介されています。

そのタイトルに着目してみると、

《死への旅出のために》《希死》など、

「死」という言葉が多く使われていました。

 

 

 

こちらは、1975年に制作されたコラージュ作品。

 

 

 

そのタイトルには、《死の前に考える》や、

《早春の沼地に死んだ私》といった具合に、

やはり「死」という言葉が多用されていました。

 

ちなみに、こちら2階の展示室では、

《SEA OF MY BROOD》という作品も紹介されています。

 

 

 

「死」という言葉こそないものの、

死を連想せずにはいられない、強烈なインパクトがありました。

使用されている水玉柄の赤い布は、

冷静になって観てみれば、むしろ可愛らしい印象さえあるのですが、

作品全体で観てみると、なぜか禍々しい印象を受けます。

これぞまさに、草間マジックです。

 

美術館のハイライトとも言うべき3階展示室では、

過去の展覧会と同様に、最新作を含む絵画作品が壁一面に飾られています。

 

 

 

それだけでも十分に圧倒的な光景なのですが、

本展では最新のインスタレーション作品《再生の瞬間》も併せて展示。

より密度の濃い空間となっていました。

 

 

 

なお、こちらの草間作品パワーは凄まじく。

しばらくこの空間内にいただけで、軽くクラクラしてしまいました。

 

・・・・・と、それだけに。

4階展示室フロアで、草間さん本人が自作の歌を歌う、

《マンハッタン自殺未遂常習犯の歌》なる映像インスタレーション作品に出逢った時のこと。

 

 

 

右を見ても、左を見ても、無限に草間彌生さんという、

その強烈すぎる光景が、とてもこの世のものとは思えず。

 

 

 

一瞬マジで、あの世に飛ばされたのかと思ってしまいました。

まさか、この展覧会を通じて、

自分自身も「死」を感じることになろうとは。。。(汗)

展覧会を無事に観終わった際には、

“あー、生きてて良かった”と心底思いました。

「死」を意識することで、「生」を感じられる。

ポジティブな内容の展覧会でした。

星

 

 

 

 

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