来年2025年に生誕130年を迎える型絵染の人間国宝・芹沢銈介。
それを記念して、この秋、日本民藝館では、
“生誕130年 芹沢銈介の世界”が開催されています。
型絵染といえば、日本民藝館ではここ近年に、
柚木沙弥郎さんの展覧会が何度か開催されていましたが、
その師である芹沢銈介の展覧会が開催されるのは、実に約10年ぶりとのこと。
柚木さんの人気が高まっている今だからこそ、
芹沢銈介についても多くの方に知ってもらいたい、
そんな想いもあって、本展は企画されたそうです。
まず紹介されていたのは、芹沢が装丁を手掛けた本の数々。
芹沢はその生涯で、500冊以上の本の装丁を行ったそうです。
(注:展示室内は一部撮影可。写真撮影は、特別に許可を得ております。)
展示されていた中には、民藝運動の同人誌『工藝』はもちろん、
ゴッホやウィリアム・ブレイクなど、
当時の貴重な美術書の数々もありました。
それら美術書のうちの1冊に、式場隆三郎による『ロートレック』に関しての著書も。
オシャレで華やかな装丁ではありますが、
ロートレックというよりも、マティスっぽいような・・・?
さてさて、展覧会のメインとなるのは、大展示室。
こちらでは、芹沢による染色作品が一堂に会しています。
本展を通じて改めて、
芹沢の作品をまとめて観たその率直な感想は・・・・・
“柚木沙弥郎作品っぽいなァ”
でした。
こちらの《赤玉藍玉絵染飾布》なんて、ほぼほぼ柚木作品。
こちらの《貝文着物》にいたっては、もろに柚木作品です。
・・・・・って、いやいや冷静に考えたら、
柚木作品のほうが、芹沢作品っぽいわけで。
柚木さんの作風には、確実に芹沢イズムが受け継がれていた。
そのことを強く実感できる展覧会でした。


なお、本展では芹沢作品だけでなく、
柳宗悦が一目を置いていた芹沢のコレクションも紹介されています。
中でも注目なのが、こちらの岩偶。
柳宗悦は、芹沢が所有するこの岩偶を観た際に、
「民藝館の全ての蔵品をこの一個に換えても良い!」とまで絶賛したとか。
最終的には、この岩偶は民藝館に寄贈されたそうですが、
もし、芹沢が柳の言葉を額面通りに受け取ってしまっていたなら、
日本民藝館の所蔵品の大半が、静岡市立芹沢銈介美術館の所蔵品になっていたかも。
芹沢銈介が話の分かる人で良かったです(←?)。
なお、そんな静岡市立芹沢銈介美術館が所蔵の、
芹沢のコレクションも本展には特別出展されています。
個人的一番印象に残っているのが、こちらの書。
子どもが描いたような2コマ漫画が掲載されたこの書は、19世紀の占書とのこと。
このゆるゆるのタッチの絵から何を読み解けばいいのか。
ノーヒントではわかる気がしませんでした。
ゆるゆるのタッチといえば、こちらも。
なんとこちらは17世紀に描かれた、
新當流剣術の秘伝書なのだそうです。
剣術の奥義を伝えるのであれば、
もう少し、絵の上手い人に描かせればいいのに。
このイラストだけでは、剣術の奥義がわかる気がしませんでした。
ちなみに。
現在日本民藝館では芹沢銈介の展覧会以外に、
「朝鮮工芸の意匠 動物文様を中心に」や「東北の工芸」といった併設展も開催中。
そこで展示されていたのが、こちらの19世紀オランダの菓子型。
この菓子型を使って、クッキー的なものが作られていたのでしょう。
菓子型として観る分には、カワイイのですが。
実際にこの型で作るとなると、
目や口の部分が飛び出ているわけで。
絶妙に可愛くないものが出来上がりそうです(笑)
┃会期:2023年9月5日(木)~11月20日(水)
┃会場:日本民藝館
┃https://mingeikan.or.jp/exhibition/special/

















