この夏、SOMPO美術館で開催されているのは、
“フィロス・コレクション ロートレック展 時をつかむ線”という展覧会です。
(注:展示室内は一部撮影可。写真撮影は、特別に許可を得ております。)
本展の主役は、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック。
19世紀末フランスを代表する画家の一人です。
本展は、フィロス夫妻によるロートレックコレクション、
通称、フィロス・コレクションによって構成されているもので、
このコレクションが日本で公開されるのは、今回が初めてとなっています。
ちなみに。
フィロス夫妻がロートレックに目覚めたのは、約20年前のことだそうで。
以来、ロートレックの紙作品を中心に蒐集を続け、
その総数は、現時点で300点を超えているのだとか。
ロートレックの紙作品の個人コレクションとしては、世界最大級を誇るそうです。
そんな本展の冒頭で紹介されているのは、
フィロス・コレクションが誇るロートレックの素描の数々。
100点を超える素描が一挙公開されています!
そう聞いて、“なぁんだ、素描かァ・・・”と、
素っ気ない感想を抱いた方も少なくないでしょう。
素描の「素」は、素うどんの「素」。
人によっては、素描に対して、
質素で簡素で素寒貧なイメージがあるかもしれません。
しかし、素描の魅力は1点モノであるということ。
版画や挿絵の仕事が多かっただけに、
ロートレックの作品は世界中に複数存在していますが、
ロートレックの素描作品は、この1点だけしかないありません!
そう思って観てみるだけで、とても貴重なものに感じられるはずです。
(実際、貴重なものなのですが)
また、改めて1つずつ観ていくと、
オモシロ素描(?)も多々混じっているので、
じわじわ楽しくなってくること請け合いです。
なお、個人的にお気に入りの素描は、
こちらのロートレックが実の父を描いたもの。
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《アルフォンス・ド・トゥールーズ= ロートレック伯爵の肖像》
1888年頃 10.5×12.0㎝ 鉛筆/紙 The Firos Collection
ロートレックパパではなく、
一瞬、ビアードパパかかと思いました。
それから、馬車を描いたこちらの素描もお気に入り。
《馬車》 1883年 鉛筆/紙 The Firos Collection
画面下に描かれた犬(たぶん)が、
昭和のキャラクターっぽい感じで、妙に可愛かったです。
ちなみに。
フィロス・コレクションには、希少なロートレックの素描群だけでなく、
ロートレックの写真や、家族や友人との交流をしめすプライベートな資料も含まれており、
それらは本展のラストを締めくくる形で、まとめて紹介されていました。
それらの中でも印象的だったのが、こちらのメニューカード。
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《ブイヤベース、セスコーのメニュー・カード》
1895年 34.8×22.0㎝ リトグラフ The Firos Collection
ロートレックは美食家で、創作料理も考案していたそうです。
とはいえ、このメニューカードに書かれた献立は、
言葉遊びになっており、空想のものと考えられているのだとか。
なお、描かれた2人の人物はどちらも、ロートレックの友人だそう。
このメニューカード1枚からだけでも、
ロートレックが茶目っ気の多い人物だったことが伝わってきました。
さてさて、フィロス・コレクションにはもちろん、
ロートレックの挿絵や版画も数多く含まれています。
さらには、彼の代名詞ともいえるポスターも。
それらポスターの中には、文字情報を入れる前のレアな状態のものもありました。
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《キャバレのアリスティド・ブリュアン》(文字のせ前)
1893年 127.3×95.0㎝ リトグラフ The Firos Collection
素描もプライベートな資料も見ごたえはありましたが、
やはり何てったって、ロートレックのポスターは華があります。
他の作品の印象が吹っ飛ぶとまでは言いませんが、
薄らいでしまうくらいに、彼のポスターには華がありました。
目に飛び込んできた瞬間、その当時のパリの喧騒が聴こえてくるような。
一瞬にして、あの頃のパリにタイムスリップしたかのような気持ちになりました。


ちなみに。
ミーハーな僕としては、本展でひそかに楽しかったのが、
当時のモンマルトルで活躍した歌手や俳優たちの情報を知れたことでした。
例えば、こちらのメイ・ベルフォールなる歌手。
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《メイ・ベルフォール》
1895年 79.5×61.0㎝ リトグラフ The Firos Collection
フリルの付いたベビー服風のドレスに、
大きな蝶結びのあるボンネットがトレードマークだったそう。
そして、黒猫を常に抱いていたとのこと。
もはや、あらびき団に出てくるピン芸人のようです。
なお、その歌の歌詞の裏には、性的で際どい内容も含まれていたとか。
19世紀末パリのあやまんJAPAN??
当然、この当時、コメディアンもいたようで、
ロートレックも何人ものコメディアンを描いています。
そのうち一人(組)が、こちらのマルコ兄弟です。
《フォリー・ベルジャールにて、マルコ兄弟(『ル・リール』誌》 1896年 リトグラフ The Firos Collection
ビックスモールンのような笑かし方。
大人というよりも、子どもにはウケそうです。
┃会期:2024年6月22日(土)~9月23日(月)
┃会場:SOMPO美術館
┃※日時指定予約推奨
┃https://www.sompo-museum.org/exhibitions/2023/lautrec/
~読者の皆様へのプレゼント~
“ロートレック展”の無料鑑賞券を5組10名様にプレゼントいたします。
展覧会名・住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
なお、〆切は7月20日です。当選は発送をもって代えさせていただきます。














