線のカタチ -Linework- | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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現在、神楽坂にある√K Contemporaryでは、

“線のカタチ -Linework-” という展覧会が開催されています。

 

 

 

こちらは、タイトルずばり、絵画作品における “線” に注目した展覧会。

物故作家を含む16人のアーティストによる約130点の作品が紹介されています。

 

今展の中核をなすのが、前衛書の先駆者・比田井南谷です。

こちらは、南谷が1964年に書いた 《64‐3》 という作品↓

 

 

 

・・・・・・・の・・・・・・・元??

 

前衛的すぎて、文字が読めないのかと思いきや。

1950年以降、アメリカを足場に活動していた彼が、

アメリカ抽象表現主義の作家と交流したのちに辿り着いたのが、

書の歴史上初となる、文字を書かない書だったのだそうです。

ひらがなでもカタカナでも漢字でもない。

南谷はそれを 『心線作品』 と呼びました。

 

「文字を書かない書なんてアリなの?!」

と、一瞬思いましたが、海外の人からすれば、

ひらがなや漢字が書かれた書も、こんな感じに見えるわけで。

特に文字に捉われる必要はないのかなと思いました。

 

なお、比田井南谷は適当に、即興的に、

これらの心線作品を生み出しているわけではなかったそう。

1枚の作品を制作するために、何度も下書きを繰り返していたのだとか。

展覧会では、それらも併せて展示されていました。

 

 

 

また、書家と言えば、今年の3月に、

老衰のため107歳でこの世を去った篠田桃紅さんの作品も。

 

 

 

ちなみに。

この2人の書家の作品の後に、アンフォルメルの画家として、

日本とパリを拠点に活躍した今井俊満の作品を観たところ・・・・・

 

 

 

パッと見は、書に感じられなくもないのですが。

やはり書の線ではなく、

ドローイングの線であることを強く実感させられました。

意外とこれまで、書とドローイングの線を意識したことはなかったので、

この違いに気が付くことができただけでも、この展覧会を訪れた甲斐がありました。

星

 

 

さて、今展では、岡本太郎現代芸術賞で岡本敏子賞を、

VOCA展でVOCA佳作賞を受賞し、注目を集めている弓指寛治さんをはじめ、

 

 

 

今後が期待される若手作家たちの作品も紹介されています。

 

 

 

とりわけ出展数が多かったのが、こちらのペロンミさん。

 

 

 

ギャラリストさん曰く、ペロンミさんが、

男性なのか女性なのか、何歳なのか、

とにかく、その正体は不明なのだそうです。

今展には他にも、「しー没」 さん、「たんぽく質」 さんが参加されています。

いつの間にやら、TikTokのユーザー名みたいなアーティストが増えていたのですね。

 

 

ちなみに。

個人的にもっとも惹かれた若手作家は、

韓国出身のSohyun Parkというアーティストです。

 

 

 

 

地図をベースに、過去と現在をレイヤーのように重ねる作品を多く制作されているのだとか。

 

 

 

画風やスタイルこそ全然違いますが、Sohyun Parkさんの作品を観ていたら、

子どもの頃に毎週楽しみにしていた 『たんけんぼくのまち』 をふと思い出しました。

 

 

 

最後に、もっとも驚かされたドローイング作品をご紹介。

浜田浄さんの 《Drawing No.65》 です。

 

 

 

“いや、どこがドローイングなん?” と思いきや。

実は、黒い部分は、塗りつぶしたわけではなく、

鉛筆で1本1本丁寧に引いた線の集まりなのだそうです。

 

 

 

想像するだけで、気が遠くなります。。。

創作というよりも、もはや苦行です。




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