
こちらは、旧東海道の大津宿や天智天皇の大津宮、
そして、浮世絵の題材でお馴染みの 「近江八景」 に関する資料が充実したミュージアムです。
そんな大津市歴史博物館が特にプッシュしているのが、大津絵。
大津絵とは、江戸から明治期にかけて、
主に大津宿で販売されていた素朴でユーモラスなタッチの民芸品です。


大津絵は、当時の旅人にとって、土産物として大人気でした。
浮世絵の影に隠れてしまい、あまり紹介されていませんが、
いわゆるジャポニズムのブームの際に、実は、大津絵も注目を浴びていたのだそう。
また、近年、ヨーロッパで大津絵の再評価が高まっており、
今年4月から6月にかけて、フランスにあるパリ日本文化会館では、
欧米初となる大規模な大津絵展 “OTSU-E:Peintures populaires du Japon” が開催されたそうです。
そのフランスでの展覧会を記念して、大津絵のメッカ、
大津市歴史博物館では、“大津絵 -ヨーロッパの視点から-” が開催されています。

大津絵とヨーロッパ。
その意外な関係にスポットを当てた展覧会です。


展覧会の会場で何といっても特徴的だったのは、そのキャプション。
メインは、なんとフランス語表記です。
日本語訳は、その下にちょこんと添えられていました。
まるでフランスでの展覧会を、そのまま日本に直輸入したかのようです。
・・・・・と思いきや、展示されている大津絵の大半が、
実際に、フランスでの展覧会に出展されたものなのだとか。
いうなれば、里帰り展。ないしは、凱旋展なのです。
しかも、出展作の中には、ピカソが旧蔵していたものと同じモチーフの大津絵や、

あのミロがあまりにも気に入って、
2ショット写真を撮影したという大津絵の実物など、

貴重な大津絵が多数含まれています。
世界的な展覧会が、地方の一ミュージアムで、
こんなにも、サラッと開催されているだなんて!
日本の文化度の高さを強く実感させられました。
さてさて、ピカソやミロもその魅力にハマったという大津絵。
今改めて、パリで展覧会が開催されるくらいですから、
きっと現代のパリっ子たちにも、ウケはいいのでしょう!
会場のパネルには、パリ日本文化会館で開催された大津絵展、
“OTSU-E:Peintures populaires du Japon” の入場者数が紹介されていました。
今年4月24日から6月15日まで。
その会期中53日間の入場者数は、実に約7500人だったそうです。
・・・・・・・・・えっ??
ということは、1日平均141.5人。
それって、あまり人気が無いのでは。。。
まぁ、そこには気づかなかったことにしまして。
大津絵をモチーフにした立体物を紹介していたり。

大津絵からインスパイアされた日本の絵師たちの作品を紹介していたり。

大津絵そのものは、素朴でゆるいテイストですが、
展覧会自体は、きちんと隅々まで作り込まれている印象を受けました。
さらに、展覧会オリジナルの大津絵グッズも気合が入っている印象。
Tシャツは、ほぼ完売したそうです。
さらに、オリジナル缶バッジに関しては、頑張りすぎて・・・・・

何十種類も作成してしまったとのこと。
ディスプレイされていない缶バッジがいくつもありました (笑)
小規模ながら、見ごたえのある展覧会です。
ちなみに、一つ気になったのが、キャプションの解説文。
全体的には、ユーモラスな語り口で、微笑ましかったのですが。
時々、「ん??」 となるものが入り混じっていました。
例えば、こちらの 《鷹匠》 という大津絵。


キャプションには、こんな一文が添えられていました。
本作も、もはや20世紀ギャグマンガの主人公である。
彼は何を見てしまったのか、目玉は飛び出し、口も鼻も伸びている。
「ワオー!ラッキー!」というセリフが聞こえそうだ。
鷹もツッコミ役の相方にしか見えない。
前衛大津絵マンガである。
いや、どこがだよ (笑)!
「ワオー!ラッキー!」 ってセリフが、しっくりきませんし。
鷹も全然相方に見えないです。
なお、最もしっくりこなかったのは、
歌川国芳の 《流行逢都絵希代稀物》 に添えられたキャプション。

当時の人気歌舞伎役者たちがそれぞれ、
大津絵のポピュラーなモチーフに模して描かれているという国芳らしい一枚です。
大津絵の人気キャラが勢ぞろい。
そこに注目した見出しが、こちら↓

『大津絵軍団が勢揃い!ドラえもんもびっくり!』
なぜに、ドラえもん??
こういう場合、例えとしては、
アベンジャーズとか、キディランドとかのほうが、まだしっくりくると思いますよ。
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