くもんの子ども浮世絵コレクション 遊べる浮世絵展 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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現在、練馬区立美術館で開催されているのは、
“くもんの子ども浮世絵コレクション 遊べる浮世絵展” という展覧会。


(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております)


こちらは、「やっててよかった公文式!」 でお馴染みの公文教育研究会が、
長年にわたって収集してきた子ども文化に関する歴史資料約3200点の中から、
そのコレクションの中核をなす浮世絵を中心に、選りすぐりの約170点を紹介する展覧会です。


展覧会のタイトルに、“遊べる浮世絵” とあるだけに、
一般的な浮世絵展ではそこまでフィーチャーされない 「おもちゃ絵(※)」 が数多く紹介されています。
(※子供が玩具として遊んだり、絵本として鑑賞したりするために描かれた浮世絵)
例えば、こちらの浮世絵。




折り畳んで、指示通りの切込みを入れると、紋様が現れます。
いわゆる、切り絵遊びが楽しめる浮世絵です。

また、例えば、こちらの浮世絵。




図柄を切り取り、組み立てることで、歌舞伎の舞台や鎧が完成します。
今でいうペーパークラフトです。

他にも、双六が楽しめる浮世絵や、
判じ絵 (=絵に置き換えられた言葉を当てる遊び) など、




江戸時代の子どもたちが楽しんだ浮世絵の数々が紹介されていました。
もちろん令和時代の子どもたちも楽しめるように、
覗き込むタイプの展示ケースの下に、ちゃんと踏み台が用意されていたり、




実際に自分がコマとなって双六を楽しめるコーナーがあったり、




さまざまな工夫が凝らされています。
まさしく、“遊べる浮世絵展” です。

とはいえ、決して、子ども向けの浮世絵展にあらず。
喜多川歌麿や歌川豊国、渓斎英泉ら、
人気浮世絵師が子どもを描いた浮世絵も数多く紹介されています。




浮世絵の展覧会は、これまで数多く鑑賞していますが。
その僕でも、初めて目にする浮世絵が多かったです。
これは貴重で稀有なコレクション。
持っててよかった公文式。
子どもだけでなく、大人も遊べる展覧会です。
星


さてさて、今回出展されていた浮世絵の中で、
特に印象に残ったものを、いくつかご紹介いたしましょう。
まずは、歌川重宣の 《昔はなし一覧図会》




『猿蟹合戦』 や 『かちかち山』、『舌切り雀』 など、
さまざまな昔話のエピソードが、3枚続きの絵の中に散りばめられています。
その中には、『桃太郎』 のあの場面らしきシーンも描き込まれていました。




桃、小っちゃ!!

“どんぶらこっこ” 感 (?) は、一切なし。
これでは、川でおばあちゃんが、ただ桃を見つけただけ。
ただのおばあちゃんのプチラッキーエピソードです。

昔話と言えば、『竹とり物語』 や 『鉢かつぎ姫』 など、
江戸時代に出版された豪華な絵本の数々も展示されていました。




その中に、『ふんしやう』(=文正) という絵本があったのですが。
あらすじが、ある意味で衝撃的なものでした。

 昔、常陸の国に、文正という長者がおったそうな。
 子どもがいなかった文正は、鹿島大明神に願掛けをし、ついに二人の娘を授かったそうな。
 姉妹は読み書きや詩歌にも才能を示し、それはそれは大変美しく成長したんじゃと。
 その噂を聞きつけた都の関白の御子が、常陸の国へとやってきて、姉のほうと恋に落ちたそうな。
 そして、姉は都へと旅立って行ったんじゃ。
 一方、妹のほうは、帝に召され皇子を出産。中宮となったそうな。
 やがて文正夫婦も上京し、宰相の位にまで上り詰めたんじゃ。
 一家全員めでたしめでたし。



・・・・・・・・・・何、そのおもんない話!
お金持ちが、さらにセレブになる。
美人は得する。
人生は不公平、という現実を突きつけられるお伽噺でした。


他に印象的だったのは、のちに2代目歌川広重を襲名する歌川重宣による1枚。
新潟を発祥とする角兵衛獅子を描いた 《かくべ獅子芸尽くし》 です。




獅子舞の芸とあったので、たむらけんじ的なものを想像していたのですが。
思わず二度見、いや三度見!




想像していたものと全然違って、アクロバティックでした。
江戸時代にも、こんなシルクドソレイユみたいな芸があっただなんて!
しかし、アクロバティックな動きと獅子は、まったく関係ないような。。。


最後に紹介したいのは、渓斎英泉による 《浮世二十四好 揚香》 です。




トラ猫が、おもちゃを手にした子どもが追い払われそうになる。
そんなほのぼのとしたシーンが描かれています。
猫と子ども。
「そんなん絶対に可愛いに決まってるじゃん!」 と思ったら・・・




これっぽっちも可愛くなかったです!!
特に子どものほう。
ド変態の目をしていました。




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