ブルーノ・ムナーリ ― 役に立たない機械をつくった男 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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現在、世田谷美術館で開催されているのは、
“ブルーノ・ムナーリ ― 役に立たない機械をつくった男” という展覧会です。


(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)


「ブルーノ・マーズなら知っているけど、ブルーノ・ムナーリって誰?」

と思われた方もいらっしゃることでしょう。
『役に立たない機械をつくった男』 と聞いて、
とんでもなくダメなアーティストのように勘違いされたかもしれませんが。
実際は、その逆です。
ある時は、画家。ある時は、デザイナー。
また、ある時は絵本作家で、著述家、彫刻家。
さらに、ある時は教育者・・・という、20世紀イタリアを代表するマルチアーティストです。

今回の展覧会は、日本における最大規模のブルーノ・ムナーリの回顧展。
多才にもほどがある (?) ため、全容が一望しにくいブルーノ・ムナーリの活動を、
初期から晩年まで、日本初公開の作品を多数含む約300点 (!) の作品で紹介しています。




あまりにも活動の幅が広いため、
とても一人のアーティストの展覧会とは思えず!
グループ展かのような印象を受けました。
星星

ちなみに、サブタイトルになっている 《役に立たない機械》 とは、こちらの作品のこと。




機械とはいっても、電気仕掛けではなく、
空気の流れによって、彩色された板がパタパタクルクル動きます。
いわゆるモビールの先がけともいうべき作品です。
作品自体はシンプルなのですが、何はともあれ、《役に立たない機械》 というタイトルが秀逸。
ブルーノ・ムナーリのネーミングセンスが光っています。
また、《役に立たない機械》 は動き方が絶妙で、なんともいえない可笑しみがあります。
ネーミングセンスだけでなく、ユーモアセンスも光る作品でした。


そんなネーミングセンス&ユーモアセンスは、
他のブルーノ・ムナーリ作品でもいかんなく発揮されています。
個人的にお気に入りなのは、《読めない本》 や、




1950~80年代に作られた “未来の遺跡” 《西暦2000年の化石》 シリーズ、




フォークを指に見立て、「調子はどう?」 といったタイトルを付けた 《おしゃべりフォーク》 シリーズです




タイトルといい、その独特のユーモアといい、
どことなく星新一を彷彿とさせるものがありました。
パッと見て、パッとオチ (見どころ) がわかる短編小説的なところも星新一っぽい印象です。

ちなみに、今回の出展作品の中で、一番印象に残っているのが、画面手前の椅子。




角度によっては、普通の椅子に見えますが。
真横に回ってみると・・・




座面の奥行きは浅く、しかも、角度が急であることがわかります。
その名も、《短い訪問者のための椅子》
もし、訪問先でこの椅子を差し出された場合は、要注意です。




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