その待望の続編 “だまし絵Ⅱ 進化するだまし絵” が、Bunkamuraザ・ミュージアムで始まりました。
映画にしてもドラマにしても、続編というものは、得てしてつまらなくなりがちですが。
“だまし絵Ⅱ 進化するだまし絵” に関しては、その公式は当てはまりませんでした。
むしろ、前回よりも面白さが進化していた気がします。
“進化するだまし絵” というフレーズは、ダテじゃありませんでした。



前回が、江戸絵画も含め、古今東西のだまし絵を広く紹介していたのに対し、
今回は、特に現代のだまし絵に着目し、現代アーティストの作品を中心に紹介しているのが大きな特徴です。
前回のだまし絵展で観客全員の目をだましにだましたパトリック・フューズの新作や、

2013年 油彩・組立ボード 作家蔵 ©Patrick Hughes, Courtesy Flowers Gallery, London / New York
だまし絵と言えば絶対にハズせない “日本のエッシャー” こと福田繁雄の作品など、
1984年 木、金属、アクリル 広島市現代美術館さまざまなタイプのトリックアートが紹介されています。
また、 「だまし絵=トリックアート」 に限定せず、
より広い解釈で、 “だまし絵” が紹介されているのが印象的でした。
例えば、福田繁雄の娘・福田美蘭さんの 《Copyright 原画》 という作品。
1999年 アクリル絵具・イラストボード(5点組) 作家蔵あの夢の国を彷彿とさせるタッチで描かれている5枚の絵。
「著作権的に大丈夫なのでしょうか・・・?」
と、思わず心配せずにはいられません。
実は、これらは著作権というものをテーマにした作品。
あえてキャラクターのほんの一部しか描かれていないので、著作権的には問題がないようです。
でも、ほんの一部しか描かれていないとは言え、何のキャラクターが描かれているかは一目瞭然 (笑)
あの夢の国を、ダマそうということなのでしょうか。
続いてご紹介するのは、ヴィック・ムニーズの 《「裏面」シリーズ、星月夜》 。

2008年 ミクストメディア 作家蔵 ©Vik Muniz, Courtesy Sikkema, Jenkins &Co
こちらは、あの有名なゴッホの 《星月夜》 を忠実に再現した作品です。
・・・・・裏面だけですが (笑)
名画の裏面を再現するという発想が、天才的にバカバカしくて感動すら覚えました。
才能の無駄遣いにもほどがあります。
感動したと言えば、ダニエル・ローズィンによる 《木の鏡》 はスゴすぎて鳥肌が立ってしまいました。

(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
一見すると、ただ木片が並べられたパネルにしか見えません。
しかし、このパネルの裏には、いろいろとハイテクな仕掛けがしてあって、 (←システムが理解できなかったので割愛w)
パネルの前にいる人の姿を木片の動きで再現することが出来るのです。

しかも、リアルタイムで!
まさしく、木でできた鏡でした。
この不思議なハイテクアートは、美術館で実際に体験可能。
ダマされたと思って、 「Y・M・C・A」 と動いてみてください。
パネルに映った自分も、 「Y・M・C・A」 と動きます。
ちなみに、今回紹介されていた現代の作品の中で、
もっともインパクトがあったのが、エヴァン・ペニーの 《引き伸ばされた女#2》 です。
横から見ても、少し怖いですが・・・

正面から見ると、怖さはマックスに。

・・・トラウマになりました。
全体的には、現代のだまし絵が中心に紹介されているわけですが。
ジュゼッペ・アルチンボルドの 《司書》 をはじめ、

1566年頃 油彩・キャンヴァス スコークロステル城(スウェーデン) Photo: Samuel Uhrdin
マグリットにダリ、

エッシャーいった美術史に名を残す芸術家の作品も、ちゃんと抑えられています。

現代のだまし絵に交じって、
さらっとアルチンボルドやマグリットの貴重な絵が飾ってあるので、
「本物?」
と、一瞬疑ってしまいました (笑)
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