仙厓と禅の世界 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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出光美術館で開催中の “仙厓と禅の世界” に行ってきました。
仙厓の作品を展示するのは、すっかり出光美術館の秋の風物詩となった感があります。

「仙厓って誰?」

という方は、過去に紹介した記事がありますので、
お手数ですが、そちらをお読み頂ければ幸いです。


さて、今年2013年の仙厓展のポイントは、
何と言っても、 《指月布袋賛画》 と、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-指月布袋賛画


《双鶴画賛》 の2点が展示されていたこと。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-双鶴画賛


実は、 《指月布袋賛画》 は、
出光美術館の創設者・出光佐三の記念すべきコレクション第1号作品。
そして、 《双鶴画賛》 は、最晩年の出光佐三が購入したラストコレクション。
日本を代表する実業家アートコレクターの最初と最後のコレクションを同時に見られる稀有な機会です。
ちなみに、出光佐三は、今話題の小説・・・

海賊とよばれた男 上/講談社

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『海賊とよばれた男』 のモデルとなっている人物。
小説内にも、仙厓の作品に関するエピソードが登場します。
その影響もあるのか、例年以上に、お客さんが多かったような気がしました。
星星


また、今回は、仙厓の作品だけでなく、
仙厓とならぶ禅の名僧として一休の住庵・床菜菴ゆかりの作品も特集展示されています。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-床菜菴


仙厓の作品と全くテイストが違ったので、
個人的には、この特集展示は無くても良かった気がしました。
美術展のちょうど中間に、この 『一休ゆかりの床菜菴コレクション』 コーナーが登場するのですが。
仙厓の作品が観たくて訪れた身としては、
まさに、一休みスポット的なゾーンでしかありませんでした (笑)


仙厓本人の作品も、もちろん良かったのですが。
僕的にストライクだった作品は、仙厓の友人・斎藤秋圃による 《涅槃図》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-斎藤秋圃筆「涅槃図」


普通の涅槃図は、中心に入滅したお釈迦様の姿が描かれているものですが。
こちらの 《涅槃図》 の中心で横になっているのは、どうもお釈迦様ではないようです。。。
お亡くなりになっているというよりも、何だかふて寝をしているかのように見えます (笑)
しかも、周囲の人たちをよく見ると、
悲しみの表情を浮かべている人がいる一方で、失笑を浮かべている人もチラホラと。
実は、この 《涅槃図》 は、仙厓が死んで皆が嘆き悲しんでいる・・・という夢を、仙厓愛用の筆が見ているの図。
何ともファンタジーな夢オチ作品なのでした。


最後に、仙厓流のユーモアが絶好調 (舌好調?) な作品を。
《老人六歌仙画賛》 です。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-老人六歌仙画賛


こちらは、6人の老人が集まっている様を、六歌仙に見立てた作品。
六歌仙に見立てているため、
和歌っぽく五・七・五・七・七フレーズがビッシリと書き込まれています。
その一部を抜粋してみました↓

 「しわがよる ほくろが出来る 腰曲がる 頭がはげる ひげ白くなる」
 「またしても 同じ話に 子を誉める 達者自慢に 人は嫌がる」


老人に対する毒がスゴいですね (苦笑)

“この作品を見たら、ご年配の方は気分を害するのでは??”

と、こっちがハラハラしてしまったほどです。
しかし、それは全くの杞憂でした。
この作品を観賞したご年配の方は、ほぼ全員が笑っているではないですか?!
仙厓は、元祖・綾小路きみまろだったのですね。




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