1987年に、世界遺産に登録された、イタリアの北東部に位置する都・ヴェネチア。
その美しい街並みから、 “アドリア海の真珠” とも称えられています。
そんなヴェネチアの黄金期から成熟期までの千年の歴史を、
ヴェネツィアが生んだ芸術家たちの作品や、宮殿や人々生活を彩った品々で辿る展覧会が、

江戸東京博物館で開催中の “世界遺産 ヴェネツィア展” 。
12月11日まで。
江戸東京博物館とヴェネチアとの関係が、イマイチ不明ですが (笑) 、
この秋、見逃せない美術展であることは確かです。


というのも、ある19世紀の有名な美術評論家に、
「世界でもっとも美しい板絵」
とまでに言わしめた名画 《二人の貴婦人》 が観られるからに他なりません!

ヴィットーレ・カルパッチョが描いた、ヴェネチア絵画史で、もっとも有名な一枚。
日本で公開されるのは、もちろん初めて。
今回の出展は、とんでもなく超貴重な機会なのです。
ところで、 《二人の貴婦人》 は、どうしてそんなにも有名なのでしょうか。
その理由は、もっとも美しいというだけでなく、
もっとも謎に包まれている作品だからと言えましょう。
実は、この絵。
そもそもは、タイトルが違っていたのです。
《二人の貴婦人》 ではなく、 《二人の娼婦》
娼婦が、なぜ、貴婦人へ??
一体、彼女らに何が起こったのでしょう。
それは、20世紀の中頃のこと、
とある1枚の板絵が、ローマの古物商にて発見されたのがきっかけでした。
その絵が、こちら↓

《潟(ラグーナ)での狩猟》 という名で知られる板絵です。
ある日、この板絵の所有者が、とあることを思いつきます。
「もしかしたら、この絵って、あの名画 《二人の貴婦人》 と合体するのでは
」・・・そして、合体した状態が、こちら↓

かくして、
“うつろな表情で何をしているかわからないけど、美人だから、高級娼婦なんじゃね?”
という絵から、
“(画面の上で) 狩猟に出ている夫を待つ貴婦人なんじゃね?”
という絵に昇格 (?)
晴れて、2人は、 《二人の貴婦人》 となったのです。
長い間、誤解されていて、大変でしたね。
ちなみに、さらに調査が進んだ結果、
この長い板絵は、戸棚の両開き扉のうちの片方であることが判明。
左側部分が発見されたなら、その内容次第では、
さらに、別のタイトルに変わるかもしれません。
もし、このブログをお読みの方で、
「あ、私の家に左側部分があるかも!」 という方は、是非ご一報を (笑)
さてさて、すっかり、 《二人の貴婦人》 の話題だけで、
ブログの文面を埋めてしまいましたが、他にも見どころ作品は、たくさん。
ここからは、駆け足でお送りいたします。
先ほどの絵を描いたヴィットーレ・カルパッチョが、前菜の語源になった人物なら、
こちらの 《聖母子》 を描いたジョバンニ・ヴッリーニは、カクテルの語源になった人物。

カクテルのヴッリーニ (ヴェネチア生まれの桃のカクテル) 同様に、ピンク色が美しい一枚です。
しかし、イエスが、だいぶぐったりしてますなぁ (笑)
続いて、 《サン・マルコのライオン》 という一枚。

体のバランスは変ですが、迫力のあるライオン。
このライオンは、実は、ヴェネチアの守り神とされています。
おはようからおやすみまで、ヴェネチア人の暮らしを見つめています。
体のバランスが変と言えば、アントニオ・カノーヴァの絵画作品も。
イタリアを代表する大彫刻家ですが、絵画作品となると・・・


タイトルは、 《驚き》
いやいや、驚いたのは、こちらです。
最後は、ヴェネチア生まれの肖像画家ロンギの傑作 《香水売り》 を。

♪tonight ya ya ya ya ya tear
ヴェネチアと云えば、仮面舞踏会。
ということで、この絵をはじめ、
仮面の絵が何点か飾ってありましたが、リアルに怖い。。。
子どもだったら、トラウマになってました。
と、これらの仮面にちなんで、今回のヴェネチア展の割引券は・・・

こんな風になっています。
この発想は、面白い!
もちろん、割引券が、仮面になっているからといって、

着用しなければ、割引されない・・・なんてことはありません。
ご心配なく。
皆様のお眼鏡にかなう美術ブログを目指しております