ファンタジー -松岡コレクションの幻想世界- | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-松岡美術館.



ファンタジー


そのタイトルが気になって、松岡美術館へ。


“ファンタジー -松岡コレクションの幻想世界-”

4月17日までです。



この美術展は、 “ファンタジー” をテーマに、

松岡美術館にあるコレクション1800点の中から、中国陶磁器と日本の現代絵画を紹介いているとのこと。

一体、どんなファンタジーな世界が広がっているというのでしょうか??

中国の陶磁器で、そこまでファンタジーな世界は広がらなさそうな気もしますが、、、

ともあれ、魔法にかけられたと思って、行ってみました。



企画展示室の前に、まずは常設展示室から観賞。

古代オリエント美術の部屋に入ると、

ここからすでに、ファンタジーの世界は始まっていました。


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ファンタジー



ファンタジーと神様は切っても切れない間柄。

セクメト (猫) に、アピス (牛) など、

いろんな神様が、いらっしゃいました。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-神   アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-神



そして、神々の中に一人 (一柱?) 、

めっちゃ甘えんぼな神様も発見!


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ハルポクラテス神



その名も、ハルポクラテス神。

迷子になっちゃった子かと思いました (笑)



常設展を、一通り観終えた後は、

いよいよ、本編となるファンタジーの世界へ。

“中国の幻想動物” というテーマで行われている第4展示室から観賞です。


冒頭でも触れたように、

中国の陶磁器とファンタジーが結びつかない僕。

半信半疑のまま、展示を見始めたのですが、

ものの1分で、すっかり今回の美術展にハマってしまいました。

龍や鳳凰など、架空の生き物をモチーフにした作品を集めた美術展。

なるほど、実に、ファンタジーな世界観です♪


r作品そのものも、ファンタジーでしたが、

絵本のような語り口のキャプションが、よりファンタジー感を演出していました。

あまり馴染みの無い中国神話ですが、

今回の数々のキャプションのおかげで、知識も蓄えられ、何より親しみが持てました。

近年稀にみる名キャプションと言えましょう。


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-キャプション




さてさて、ここからは、

ファンタジーな中国美術の世界をご紹介。

まずは、こちらの 《饕餮文方鼎》 から。


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-鼟餮文方鼎



こちらの青銅器の鼎に装飾されているのは、饕餮 (とうてつ) の文様。

聞き慣れないし、漢字そのものも見慣れない “饕餮” とは、

体は牛か羊で、曲がった角、虎の牙、人の爪、人の顔などを持つという中国神話の怪物。

一見、メカニックでデジタルなデザインに見えますが、怪物だったのですね。

デジモンのようです。


この “饕餮” シリーズは、
《饕餮文觚》 や、


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-觚



《饕餮夔龍文壷》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-夔龍文壷



など、他にも展示されています。



青銅器の “饕餮” シリーズに続いて、鏡のコーナー。

下の 《 「尚方作」 方格規矩四神鏡》 に描かれているのは、四神 (=白虎・玄武・青龍・朱雀) です。


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-鏡   アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-鏡



こちらは、 《海獣葡萄鏡》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-鏡



“海獣” と聞いて、オットセイやセイウチ、はたまたクジラやイルカなどをイメージしていましたが。

海獣の正体は、実はライオンなのだそうです。

その昔、まだ中国の人々がライオンを目にしたことがなかった頃、

「ライオン=海の向こうにいる獣」 という意味で、 “海獣” と呼んでいたのだとか。

伝わりづらいニュアンスです (笑)



普段、陶磁器に心を動かされることの少ない僕ですが、

自分でもビックリするほど、今回は、純粋に 「イイなぁ♪」 と思える作品と多数出会えました。

これが一番のファンタジー。


全部紹介したいくらいですが、厳選してその一部をご紹介。


《黄地緑彩龍文皿 (一対) 》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-黄地緑彩龍文皿(一対)



こんなカラーリングの陶磁器もあったのですね。

何となく中南米を彷彿とさせる色合いです。



《三彩龍耳瓶》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-三彩龍耳瓶



龍の取っ手が、実にファンタジー。

思わず手に取りたくなった逸品です。



《白龍文瓶》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-白龍文瓶



今回の展示で一番風格が漂っていたのが、こちら。

対峙した時に、ため息が漏れるくらいに美しかったです。



《青磁蟠龍文瓶》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-青磁蟠龍文瓶



壺の首筋に、何か巻き付いているのは、蟠龍。

空を飛べない龍だとか。

飛ばない龍も、ただの龍なのでしょうか。



《青花龍文瓢形瓶》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-青花龍文瓢形瓶



よく見ると、描かれている龍が、何とも漫画チック (笑)

今まで観た景徳鎮の中で、一番親しみやすかったです。



他にも、まだまだ紹介したい作品はありますが、とりあえずこの辺りで。

で、 “中国の幻想動物” コーナーだけで、

だいぶお腹いっぱいになってしまったのですが、

ファンタジーの世界は、まだまだ終わりません。


第5・6展示室では、 “幻想絵画の世界” というテーマで、

松岡美術館の現代日本画コレクションが展示されていました。

いつもよりも照明が落とされ、ダークファンタジーなイメージの空間に。

こちらも、見ごたえありです。


主な出展作品は、

松岡美術館のスタッフさんが、公式ブログにて、ほぼ毎日紹介中です。

松岡美術館にどうしても行けない方は、

こちらのブログで、雰囲気を味わってみて下さいませ!

http://matsubi.exblog.jp/




“自前のコレクションしか展示しない” という制約の中でも、

テーマ性と演出の力で、ここまで面白い美術展が出来るのかと感銘。

今、松岡美術館には、魔法がかけられています。

星星





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