上村松園展 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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“上村松園展” を観に、東京国立近代美術館へ。

すると、現れたのは・・・


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-アトリエ・ワン



「あれっ?建築はどこにあるの? のヤツだ!」


アトリエ・ワン作の 《まちあわせ》 が、まだ残っていました (笑)

上村松園展のイメージには合わないので、

早めに撤去しておいてくれれば良かったのに。。。



ま、気を取り直しまして。

今回のテーマは、 “上村松園展” です。

日本の女流画家の筆頭とも最高峰とも評される上村松園。

その彼女の代表作が一堂に集結する、

「珠玉の決定版」 とも言うべき、過去最大の松園の回顧展なのです。



まず何よりも。

今回展示されていた作品が、本当にどれもこれも素晴らしかったです。

普通、どんな作家の美術展でも、

数点くらいは、思わず素通りしちゃう、まぁまぁな作品があるものですが。

今回に限っては、皆無。

どの作品も、足を止めて見入ってしまいました。


描かれている女性の顔立ちが美しいだけでなく、

立ち振る舞いや仕草が美しい、余白の取り方が美しい、そして、日本画特有の色が美しい…etc


「あぁ、何て美しいのかしら」 (←何故におネエ系?)


と、思うこと、しきりでした。



どの絵も素晴らしかったので、全部を紹介したいところですが。

厳選して、数点ほどご紹介することにいたしましょう。


まずは、松園24歳の時の 《人生の花》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-人生の花



婚礼に向かう娘と、付添いの母を描いた一枚だとか。

母が若すぎて、友人や姉にしか見えなかったです。

今で言う、ヤンママみたいな感じなのでしょうか。

それはさておき、着物と帯の柄が、うっとりするくらいに美しい作品です。



山種美術館所蔵の 《新蛍》 も出展されていました。


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-新蛍



常々、松園作品は、このような簾の表現が巧いなぁと感じていますが、

中でも、この 《新蛍》 は、特にその表現が巧みだと思います。

ちなみに、この絵の横には、

蛍が描かれていないver.の 《簾のかげ》 という作品が展示されています。

この2枚の対比が出来るのが、とても興味深いです。



続いて、 《晩秋》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-晩秋



こうした切り紙で、障子の補修をするのですね。

何とも粋です。

このような生活に宿る 「美」 を描くのは、

女流画家・松園ならではの美人画という気がします。

男性画家の美人画では、

ここまで生活感溢れる姿というのは、あまり描かれないような。



こちらは、円熟期の傑作の一つ 《鼓の音》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-鼓の音



凛とした女性です。

これから鼓を叩かんとする指先の緊張感。

この表現に、グッと来ました。



発想が面白いと感じたのは、屏風絵の 《人形つかい》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-人形つかい



何と、肝心の (?) 人形使いが描かれていないのです。

襖の奥を想像するしかありません。

何ともヤキモキする一枚。

その表現も面白いですが、

屏風絵なのに、ほとんど襖が描かれているってのも面白いです。

これが家に飾ってあったら、どこが襖かわからなくなってしまうのでは?

ちなみに、この絵は、数年前に盗難未遂にあったのだとか。

盗まれなくて、つくづく良かったです。




さてさて、ここまででも十二分に、

上村松園の絵の魅力を語り尽くしたような気がしますが。

これ以上に、今回観て頂きたい作品が、2点あります。


まずは、 『源氏物語』 に登場する六条御息所の生霊を描いた 《焔》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-焔



「女って、怖っ!」


世の男性がガクブル - ((((;゜Д゜)))すること必至な一枚です。

この絵が放つ負のオーラに、思わず萎縮してしまいました。

何があっても、こういう女性は敵に回してはいけません。

蜘蛛の巣が描かれた着物を着るような女性は。


激しくメラメラと燃える赤い炎というよりは、

チロチロと燃え続ける青白い炎といった印象でした。




そして、もう一枚。

こちらも狂気な作品 《花がたみ》 です。


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-花がたみ



一目観た瞬間に、


「あ、この女の人は、あっちの世界にイッちゃてるな」


と感じました。

目つきとか、手元とか、服や髪の乱れとか、足元に落ちている壊れた扇子とか。


解説を読んで、やはりその直感が正しかったことが判明。

描かれているのは、

愛する継体天皇を想うあまりに、正気を失ってしまった女性・照日の前。

松園はこの絵を完成させるために、精神病院で取材もしたのだとか。

そんな松園の努力が実って、

この絵からは、見事 (?) 、《焔》 とはまた違った意味でのヤバいオーラが出ていました。




さてさて、今回の美術展。

出展されている松園の絵は、どれも非の打ちどころがなかったのですが・・・。

星星

3ツ星ではなく、2ツ星。


というのも、


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-序の舞



今回、ポスターを目にする度に楽しみだった 《序の舞》 が展示されていなかったのです。。。

後期からの展示とのこと (9/28~) 。

他にも、代表作の 《砧》 も後期から。

《雪月花》 に関しては、10/5~とのこと。


「珠玉の決定版」 というコピーを信じて疑わなかったのに (泣)

たかだか1ヶ月強の展示なのに、

目玉作品の展示を前後期に分けたことに、商業的なニオイを感じました。

“ベストアルバムと思っていたら、2枚組だった” 的な感じです。

まんまと嵌められた形になりますが、

間違いなく後期にも足を運んでしまうと思います。


はぁ~(o´д`o)=3


それと、もう一つ。

妙に気になったことが。
それは、松園さんのサイン。

若い頃の作品は、どれも違うのですが、ある共通点が。


松園女史、上邨氏女松園、松園女、松墨女園、松墨女筆…


そう。すべてに、 “女” の一文字が。

女であることを、ここまで意識しているとは知りませんでした。

ちなみに、30歳を過ぎると、サインの中で、 “女” の一文字だけが小さくなり、

50歳を過ぎたあたりからは、 “女” の文字は無くなりました。

どんな心境の変化があったのでしょうか。

ちょっと調べてみたいテーマです。





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・・・でないと、 《焔》 みたいになります (←脅しw)

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