かたちは、うつる―国立西洋美術館所蔵版画展 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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昨日11日と今日12日は、国立西洋美術館ファン・デー。


ウォークラリーに、前庭でのコンサート、フォトサービス…etc

様々なプログラムが目白押しの、まさにお祭りのようなイベント!

スタッフさんも全員お揃いのTシャツを着ていて、

普段の美術館のノーブルな感じとは違って、とってもカジュアルな雰囲気でした。


“こんな楽しいイベント、行くしかないでしょ!”



と、思ったのですが、昨日も今日もあいにく予定が。。。


そこで、昨日の建築ツアー の前に、

予定をごり押しして、ファン・デーを楽しんでまいりました。


さて、このファン・デー。

様々なプログラムが楽しめるだけでなく、

美術展も無料で観賞出来てしまうのが、嬉しいところ。



というわけで、ケツカッチンだった昨日は、プログラムを楽しむのは断念。

せめてもと、現在開催中の

“かたちは、うつる―国立西洋美術館所蔵版画展” を、無料で観賞してきました。



国立西洋美術館の版画コレクションにスポットを当てた美術展です。

このような形で、版画だけをまとめて紹介するのは、意外にも初めてのことなのだとか。


正直なところ、

無料でなかったら、全く興味を持っていなかったでしょうが、

実は貴重な美術展だったのですね。

ファン・デーさまさまです。


しかも、今回の美術展を通じて、知ったのですが、

国立西洋美術館のコレクション4547点 (平成20年度時点) のうち、

版画のコレクションは、な、な、何と驚きの3747点約8割


“えっ、そんなに版画があったの (汗) ??”


国立西洋美術館には、

何度も足を運んでいるのに、そんな事実は全く知らなかったです。

常設展示室で、版画作品を観た覚えがないですからね…。



さて、今回の美術展では、

その3747点のうち約120点ほどが紹介されていましたが、

どれもこれも観たことのない作品ばかりだったので、とても新鮮な気持ちで楽しめました。


会場の最初で出会ったのは、

デューラーの 《メレンコリアⅠ》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-メレンコリア



よく美術の本でも目にするこの版画作品が、

国立西洋美術館にも所蔵されていたとは、知りませんでした。


上の画像だと潰れてしまっていますが、

翼の生えた男性の上に、4×4マスの格子がありまして。

全てのマスに数字が書いてありました。


“お、これは…ひらめき電球


クイズ・パズル大好き人間の血が騒ぎました。

縦・横・ナナメ。どこのラインを見ても、数字の合計が同じ数に!

そう、これは魔方陣というヤツです。

作品全体よりも、そこにばかり食いついてしまいました(笑)



それから、

同じく最初の部屋で出会ったクリンガーの 《夜》 という作品。


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-夜



“版画なのに” という言い回しは、変だと思いますが、

版画なのに、光を感じました。

画像で見ても、十分、月明かりを感じられますが、

本物は、もっと月明かりを感じることが出来ました。

版画の奥深さを感じた一枚です。



他にも、いろいろと紹介したい作品はあったのですが、

全部紹介しているとキリがありませんので。

今回は、ちょっと面白かった作品をベスト3形式で紹介しようと思います。




第3位 フランシス・ゴヤ作 《???》


今回の美術展が面白かったのは、版画家として有名な作家の作品だけでなく、

ゴヤをはじめ、ムンク、マティス、ドラクロワなどの有名画家の版画作品も観られた点。


ゴヤは、版画も多数残していたことは知っていましたが、

こんなにまとめて観られるとは思ってもなかったので、有難かったです。


さて、そんなゴヤの作品で、一番心に残ったのは、こちら↓


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-嫌なのだ



どういうシーンかは、イマイチよくわからないのですが。

気になったのは、この版画のタイトル。

そのタイトルは…


《嫌なのだ》



何とも赤塚不二夫テイストな和訳です。

一体、こんな訳をしたのは、誰なのだ?



第2位 オノレ・ドーミエ 《なにが事務所で徹夜よ、(以下略)》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-なにが事務所で徹夜よ、



これは、風刺画が得意だったドーミエの本領発揮な一枚だと思います。

というか、何よりも。タイトルが、とにかく長い!


《なにが事務所で徹夜よ、このウソツキ男!

 そんなこと言っても、ちゃらちゃらした女どもとミュザールへ踊りに行くんでしょうが!・・・》


でも、このタイトルを読めば、


“あぁ、そういうシーンね (苦笑) ”


と、世の男性は納得するのではないでしょうか。

殴られるのを覚悟したのでしょう、メガネを外している描写が、何ともリアル (笑)



第1位 フィレンツェ派 《荒野の聖ヒエロニムス》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-荒野の聖ヒエロニムス



“この筋肉はないだろ (笑)!!”


と。

どれだけ割れれば気が済むのでしょうか。

筋肉ムキムキを通り越して、筋肉ブチブチという感じ。


『幽遊白書』 に登場する戸愚呂 (弟) もビックリの筋肉です。


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-戸愚呂




いやぁ、というわけで、無料で、かなり楽しませてもらいました♪

御馳走様です(^-^)


…が、一つだけ気になったことが。

今回の出展作が、全体的にブラックな作品が多かった気がします。

(↑ “版画だけに” というわけではなく)


暴力や受苦がテーマの小コーナーがあったり、

残酷なシーンや、戦争のシーン、地獄や死をテーマにした作品が、結構あったり。


気持ちが、 “どよんど” となってしまう作品の方が多かった気がします。

3747点もコレクションがあれば、もっと楽しい作品もあるでしょうに。。。

星星

そのせいで、星がひとつ “どよんど” と減って、2つ星。





僕の気持ちが、これ以上、 “どよんど” とならないために、

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