今回は、ちょっと変わった美術展をご紹介いたしましょう。
それは、ビデオ・アートだけを集めた美術展。
出展されている51作品全てが映像作品という、
今までにありそうでなかった画期的 (?) な企画です。
そんな美術展を企画したのは、東京国立近代美術館。
6月7日まで開催されている、その美術展のタイトルは、
「・・・ヴィデオを待ちながら?待ちながら、何?」
カッコよさげなタイトルではありますが、
意味は、イマイチよくわかりません(笑)
さて、この美術展。
行く前観シュランとしては (←期待度ってことです) 、☆3つでした。
“こういうビデオ・アートの美術展を、どこかでやってくれないかなぁ” と、
今まで、密かに期待していたのです。
というのも、実は僕。
大学時代、映像作品を作るサークルに所属していました。
4年間、映像作品を作り続けていたわけです。
(と言っても、作っていた映像作品は、アートではなく、バラエティでしたが(笑))
なので、映像作品は、いわば、僕のフィールドなわけです。
で、そんな僕が、この美術展を観賞した率直な感想はというと…
「ヒドいわぁ…(苦笑)」
出展されていた作品の大半が、
面白くないというレベルを通り越して、見ちゃいられないというレベル。
うちのサークルでは、入部してすぐに、新入生は必ず映像作品を作らないといけないのですが、
そんな新入生が作った映像作品よりも、見ちゃいられない。
ある意味で、拷問でした。。。
まぁ、しかし。それは、そうなんですよね。
そもそも、ビデオ・アートとは、
一般的なドラマや映画の映像作品と違って、観客を楽しませることを目的に作られていないもの。
僕らのサークルで、そんなものを作ってたら、友達が減ってしまいますからね(笑)
なので、比べて評価するものではないです。
それに加えて、今回の展示の中心は、
60年代70年代のビデオ・アート作品。
つまり、ビデオというものが、まだまだ当たり前のものでなかった時代の作品。
ですから、ビデオを使った作品という時点で、一つのアートとして成立しているのです。
当時の観客は、ビデオだというだけで、それに感動や衝撃を受けていたのでしょうが、
ビデオが当たり前の僕らからすると、どうにも物足りないし、拙く見えてしまいます。
という2点は、十分に考慮したつもりですが…。
それでも、やっぱりヒドすぎます(苦笑)。
例えば、ヴィト・アコンチの 《センターズ》 という作品。
これは、どういう作品かと言いますと、
モニターの中心を指差し、そこに集中し続けるというもの。
同じアコンチの 《こじ開け》 という作品も展示されていたのですが、そちらは、
必死に目を閉じ続ける女性のまぶたを、無理やりこじ開けようとし続けるビデオ・アート。
“正直、どうでもいい…(苦笑)”
また、ジョン・バルデッサリの 《I Am Making Art》 は、
「I am making art (芸術制作中) 」 とつぶやきながら、
微妙にポーズを変え続けるだけの作品。
“これまた、正直、どうでもいい…(苦笑)”
出展されている作品の大半が、こんな感じのどうでもいい作品。
観ていて、やるせなくなってきました。
しかも、どうでもいいだけならともかく、
これらの作品の尺がまた無駄に長いのですから、始末に負えません。
モニターの中心を指差し続ける作品 :約22分
女の人の目をこじ開けようとし続ける作品 :約17分
微妙にポーズを変え続ける作品 :約20分
そして、それらを見続けた僕の貴重な時間 : priceless
途中から、すっかり飽きてしまったので(笑)、
“ヴィデオを待ちながら” の作品を、ほぼ流し見しながら、
全ての出展作品 (約50点) の時間の合計を出してみてました。
すると、衝撃の結果が!!
今回、出展されている作品を、全てちゃんと見たとすると、
18時間10分35秒
も必要になります。
“開館時間を超えてるがな!!”
ちゃんと観ていたら、3日くらい通うことになります。
やっぱり流し見程度で、良かったです。
ただ、基本つまらない作品ばかりですが(笑)、
ちゃんと面白い作品も、いくつかありました。
その一つが、現在活躍中のアーティスト・泉太郎さんの作品。
段ボールの中にモニターがありまして、
覗くようにして見ると、何ともシュールな光景が。
これは、文字で説明しても面白さが伝わらないので、
気になった方は、会場へ!
さてさて、観シュランガイド的には、一つ星。

こんなに苦い評価ながら、星が一つついたのは、
展覧会場の内装デザインが、かなり良かったため。
“ビデオ=無機的” なイメージとは正反対に、
木材を多用した内装で、有機的な空間になっていました。
他にも、キャプションの付け方も斬新でしたし、
作品によって、会場内のイスを変えているなど、
とにかく展覧会場が、一つのアートとなっていました。
あの会場で、違うビデオ・アートを流してくれればよかったのに。。。
ランキングを上げたいという想い:priceless
