生誕170年記念 楊洲周延展 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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楊洲周延。


初めて目にする単語です。

字面から判断するに、何だか本格的な中華料理店の名前のようです。

フカヒレ料理がお店の看板メニューですが、実は炒飯も美味しい。

そんな中華料理店。



…という勝手なイメージを抱きましたが、

実際は、中華料理店の名前ではありません。

“楊洲周延(ようしゅうちかのぶ)” は人の名前。

彼は、明治時代に活躍した浮世絵師なのだとか。

すいません。。。

アートテラーを名乗りながらも、本当に存じ上げませんでした。

太田美術館では、その彼の生誕170周年を記念して、

3月26日まで、 “生誕170年記念 楊洲周延展” が開かれているという。


無知を反省して、楊洲周延のことを調べてみると、

何ともユニークな経歴を持った浮世絵師であることに気づきました。

彼はもともと武士。

しかも、彰義隊とともに上野戦争に参加。

さらには、函館戦争にも参加した経歴を持つのだそうです。

これを知って、

歴史、特に幕末好きの僕の血が、俄然騒ぎだしました!



これは太田美術館に行かねば!!



ということで、

本日行って参りました。

浮世絵専門の美術展であることくらいは知っていましたが、

足を運ぶのは今日が初めて。

美術館の場所が原宿にあると知ったのも、

今日が初めてです。


浮世絵を観に行くはずなのに、

原宿駅から美術館までの道のりには、

「ちょり~っす!!」 な感じのギャルがいっぱい。。。

“本当に原宿にあるのだろうか??”

と不安もいっぱいに。。。


しばし歩いたら、太田美術館を発見!

しかも、ラフォーレ原宿の前!

それにちょっと感動(笑)!


もう一つ感動したのが、

館内ではスリッパに履き替えるということ。

畳の上に上がって観る展示コーナーがあるからです。

浮世絵を観るための演出や心配りが、

しっかりと配慮されている美術館でした。



さて、肝心の楊洲周延展ですが、

率直に、良かったです。

2つ星。

ほし ほし


以前、旧blogにて、

『浮世絵=雑誌』 だと、バッサリ切ったことがあるのですが、

まぁ、僕の中での浮世絵の印象なんて、それくらいのものでした。

(お時間のある方は、こちらをどうぞ → “●ボストン美術館 浮世絵名品展”


ところが、楊洲周延の浮世絵からは、

それまでの浮世絵とは、ちょっと違うような印象を受けました。

楊洲周延が活躍したのは、明治20年30年代。

当然、もう雑誌は、発刊されている時代の浮世絵。

だからなのか、

雑誌のようで、雑誌でないのです。

浮世絵ですから、確かに情報性はあるのですが、

それまでの浮世絵と比べると、もう少し情報に価値があると言いましょうか。

読み捨て感が感じられないと言いましょうか。

上手く言い表せられないのですが。

敢えて、言うならば。


『楊洲周延の浮世絵=ムック』


(ムック…ムックは、雑誌と書籍をあわせた性格を持つ刊行物のことである。

      「MAGAZINE」のM、「BOOK」のOOKを合わせた言葉。)


と言ったところでしょうか。


例えば、この作品。

江戸風俗十二ヶ月之内 七月 七夕筋違見附八辻》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-江戸風俗十二ヶ月之内 七月


江戸の風俗を十二ヶ月分描いたこのシリーズ。

浮世絵にしては、特に目新しくもないテーマな気がします。

が、これが発表されたのは、明治22年。


“あぁ、昭和は良かったなぁ”

と、昭和に関する本やグッズに惹きつけられる人がいるように、

“あぁ、江戸の頃は良かったなぁ”

と、いう明治の人がいたのでしょうね。たぶん。


これ以外にも。

何といっても元・武士の楊洲周延は元・武士だけあって、

江戸時代の武士の生活を描いたシリーズもありました。


それから、江戸時代に限定はせずに、

歴史物語を描いたシリーズもありました。


その一枚。

東絵昼夜競 足柄金時侍》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-東絵昼夜競  足柄金時侍


腹がけをしていない金太郎。

手前の猿が、絶妙な仕事をしています(笑)

上部には、金太郎のその後 (?) である坂田金時の姿が。

この画像では見づらいのですが、

坂田金時に首根っこを捕まえられている一つ目小僧が、

何ともユーモラスで可愛いのです。




と、ここまでの紹介では、

楊洲周延は単に歴史ばかりを描いた浮世絵師のようですが、

いやいや、そうではありません。

当時の世相や流行を描いた作品も数多く残しています。


天皇や皇族の生活を描いた作品や、

洋服を着た女性などなど。

どれも江戸時代の浮世絵では見られない主題ばかりです。


そうそう、上野の不忍池で行われていた競馬を描いた一枚もありました。

そんな時代があったのですねぇ。



最後に、是非見て頂きたい作品をご紹介。

それは、明治時代における新しい美人、真の美人を描いた“真美人” シリーズ。

洋傘をさす女学生や、習字をする少女なんかが描かれていましたが、

その中に気になる一枚を発見!


タイトルは、 《眼鏡の婦人》

(画像はありません。あしからず)


そう。メガネ美人を描いた一枚なのです。

おそらく、日本初のメガネ萌えの絵なのではないでしょうか。

メガネ女子・メガネ男子好きの方、必見ですよ!




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