今日から、またも新企画が始まりました。
その名も、 “とに~のアート初体験記” 。
今まで、アートテラーとして自分のやってきたことを振り返ってみると、
美術・アートを観るか、もしくはネタにするか、この2つしかなかった気がします。
そこで、2009年は、ここに “体験する” を加えていこうではないかと。
もっと美術界・アート界の内部に、グイグイと食い込んでいこうではないかと。
そして、それをここでレポートしようではないかと。
…って、結局はネタにするんです(笑)
先日、アーティストの友人から、
三菱商事アート・ゲート・プログラム が主催するイベントのお誘いを受けました。
何でも、若手アーティストの支援するためのオークションが行われるとのこと。
自慢ではないですが、
自分はしがないビンボー芸人。
(本当に自慢ではありません)
オークションというものには、興味があるし、
若手アーティストの支援には、大変興味があるし、
でも、何よりお金がない。。。
“う~ん、どうしたものか”
と、1、2分悩んだ末、
“面白そうだから、行ってみよう!”
という結論に落ち着きました。
そして、本日、オークション会場である三菱商事ビルへと足を運んだのです。
カバンには先月分の給料袋。
(万が一に備えて、手持ちの全財産を持って行きました)
衣装はスーツに、
(案内によると、スーツまたはそれに準ずる服装着用とのことでした)
ネクタイ。
(アートテラー用でなく、普通のタイプの)
そして、お金持ってるように見せるために、証券会社の社員風に役作り。
(メガネ+ジェルをたっぷり使って真ん中分けスタイル)
準備は、これ以上ないというくらい完璧なものでした。
そして、オークション会場に。
緊張感漂う重苦しい雰囲気かと思いきや、
そこは、ちょっとしたレセプションパーティー会場のよう。
ドリンク (アルコールもあり) やオードブル、デザート等が準備されていました♪
さらには、出品作品も全部会場にあり、
自由に観れるようになっていました。
しかも、ほとんどの作品の前には、その作者さんがおり、
作品について、本人の口からいろいろと聞けるのです。
実は普段は意外と人見知りな僕ですが、
今日は頑張って数人に話しかけてみました。
心の中では、 “ゴメンよ…たぶん買えないけど…” と陳謝しながら。
会場に着いてから、約30分後。
いよいよ、オークションが始まります。
パドルと呼ばれる数字の書かれた札を持って、席に。
頑張っていろんな人に話しかけていたのが仇となって、
空いていたのは、運悪く前の席だけ。。。
今日の一番の目標は、
「なるべくオークショニアの人と目を合わさないこと」 に決定です。
まずは、オークションの説明からです。
スタートは、1万円から。
買いたい人はパドルをオークショニアに向けて、掲げます。
オークショニアが金額を吊り上げていくので、
その金額での購入を断念する場合は、パドルを降ろします。
ただそれだけ。
ちなみに、今日出展されている38作品すべては、
三菱商事が若手アーティストから一律10万円で買い取ったもの。
今日の購入金額の全ては、今後の若手アーティスト支援プログラムに回されるそうですが、
10万円を超えた場合、超えた分の半額もアーティストに還元されるそうです。
何とも良心的なシステムです。
そして、次に支払方法の説明です。
落札者は、その場で請求書にサインをし、
後日、購入金額を振り込んで頂くとのこと。
・・・・・って、全額持ってきた僕は何なんだ!!
会場にたどり着くまで、
どれだけ周りの人を警戒しながら来たと思ってるんだ!
え~、まぁ、というわけで、
今後行かれる方は、振込だということを覚えておいて下さいませ。
僕の中でのオークションのイメージは、
いわゆる実弾がたくさん入ったアタッシェケースがだったんですがねぇ。
そして、そんなこんながあって、
オークションがスタート!
(最初に、オークションの練習版的なのもありました)
始まって一番ビックリしたのが、
大半の作品が10万円超えをしなかったこと。
30万円とか、50万円とか、
もっと手が届かないものかと思っていたのですが、
意外に手が届きそうな金額で落札されていくのです。
そこで。
一人気になった作家さんの作品が出品された時に、
思い切って、パドルを揚げてみました。
「1万円。次、2万円!」
まだ下げません。
「3万円!」
当面の生活をリアルに考えながらも、
頑張ってみました。
「4万円!」
ギブ!
もうこの時、心臓はバクバク。
手汗はビッチョリ。
こんなに動悸が激しくなったのは、
車に轢かれそうになった以来です。
その後、その作家さんの作品は、15万円で落札されました。
“あ、絶対無理だ…”
しかし、時間が経ってしまと、その緊張はどこかに行き、
むしろもう一度スリルを味わいたくなるもの。
まぁ、バカです。
先ほどの作家さんの別の作品が登場しました。
しかも、その作品は、本人も自信作と言っていたもの。
(実は最初に、本人とお話していたのです)
「1万円から!」
またパドルを揚げました。
しかも、今回は 「4万円から!」 になっても揚げ続けました。
あの自信作を、家のどこに飾ろうかと、真剣に考えていました。
「5万円から!」
まだイケる!
「6万円から!」
はい、無理!!
で、最終的には20万円で落札されていました。
ここ数年で目利きになったのか、
僕が欲しいと思う作品だけ、高値で落札されるのです。
鑑賞眼が肥えたことを反省したのは、今日が初めてです。
結局どれも買えませんでしたが、
とても有意義な時間を過ごせました。
皆様も、この三菱商事アート・ゲート・プログラムのオークションに、
行かれてみてはいかがでしょうか?
今日の最高額も、20万円 (僕が敗れた作品) だったので、
そんなに高すぎる買い物ではないと思いますよ。
最後に。
これは個人的な印象なのですが。
1万円で落札という結果もザラで。
作者の目の前で、値段によって評価されるというのは、シビアな世界だなと感じました。
お笑いよりキツイ気がします。
“20万円” と “1万円” の差は、大きいですよ。
“満点お笑” と “小笑” の差とは、比べ物にならないです。
そういう意味で、
買ってあげられないけども、値段だけは釣り上げてあげれば良かったなぁと、
反省する僕でした(笑)