「押すなよ、絶対に押すなよ!」といわれれば、ダチョウ倶楽部でなくとも押したくなるのは人情というもの。
心理学ではカリギュラ効果とか「見るなのタブー」とか言われているが、ここでは馴染み深く「ウエシマ効果」と呼ぶことにする。
(ウラシマ効果のシャレでもあるのだが)
先日あるマジシャンのパフォーマンスを見たとき「この封筒はあとで見るので見ないで下さいね」というセリフが出てきた。
予言の封筒、後で見る伏せられたカード、不自然に置かれた怪しげな箱。
マジックではよくこういうシーンが出てくるが、こういうときに「見ないで下さい」と言われれば、客の立場からしてみれば見たくなるもの。
客に我慢を強いて、余計なストレスをあたえることになる。
それなのにマジシャンの指示を無視して勝手に見たのは、「マナーがなってない」だの「客が悪い」だの言うのは、パフォーマンスする側の傲慢だと思うのだ。
よしんば指示どおりに客が見なかったとしても、ストレスがかかった分だけ客の喜びは小さくなるし、ウケも少なくなるだろう。
じゃあどうすればいいのか、と言うことなんですけど、「大事なものなんだけど見ちゃダメ」というのを、相手の見たい気持ちが起こらない程度に「ほのめかす」のである。
つまり明示するのではなく、暗示するのである。
(逆にウエシマ効果は「見ろ」という暗示になっている)
暗示することを覚えると、余計な説明のセリフが減る、というメリットもあって、スマートな演技をする人を見ていると、この暗示の使い方が実に上手かったりする。
前にも書いたが、催眠術というのはそれ自体はあまり役に立つとは思えないのだけれど、こういう考え方を身につけるにとても役に立つ。
こういうことはワークショップでもお話ししてるので、興味あれば参加してみてください↓
