テンドーさんのこと① | 雷人の部屋〜催眠術師/メンタリストが見る潜在意識の世界

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ココロとカラダ、ときどきタマシイの話。

別に命日でも記念日でもないのだが、ふと思い出したので、故・マーカ・テンドーさんのことを書く。

 

 

世の中でもっとも強い想いの力の一つは「憧れ」だと思う。

コネもツテもカネもない環境で、「ああいう風になりたい」と思う力があるから、ここまでたどり着けた。

テンドーさんはそういう憧れの存在だった。

 

テンドーさんは「カッコいい」人だった。

手品が上手いとかそういうことに関係なく、とにかくカッコイイ人だった。

 

学生の頃は文字通りビデオテープが擦り切れるほど、テンドーさんの演技を見まくった。

 

そんな憧れの人とふと出会う機会があった。

 

当時僕はデパートのおもちゃ売り場にあるマジックコーナーでバイトをしていたのだが、そこにテンドーさんがひょっこり現れた。

長渕に憧れて状況してきた奴が、長渕に会ったようなものだ。

 

それだけでもびっくりしたのだが、休憩の時間に「ちょっと飯食いに行くか?」と声をかけてくれて、デパートの最上階にあった中華料理屋に連れていってくれた。

そのときに初めて中華のおこげを食べた。

それ以外にも結構いいものをご馳走になった。

 

見かけだけじゃなく、そういうところもカッコいい人だった。

 

僕の年代のマジシャン、あるいはそれより下、また上の人に聞いても、みんなテンドーさんには世話になった、と口を揃えて言う。

テンドーさんは、そんな人だった。

 

畏友・小林俊晶と会ったのもその頃だ。

当時関西に住んでいた彼を、僕の四畳半の下宿(ハトと同居)に泊めたことがあるのだが、あるとき「これからテンドーさんのうちに行くけど、一緒に来る?」と誘われた。

そのときバイトが入っていたが、無理やり休ませてもらって、つくばにあるテンドーさんの自宅にバスに乗って出かけたのだった(その頃はつくばエクスプレスも無かったのだ!)

 

テンドーさんの奥さんも交えて、4人でマジックのビデオを見ながら、朝までマジック談義をしていた。

とても濃厚で贅沢な時間だった。

 

この後、僕はマジシャン生活の節目で、テンドーさんとの深いご縁を何度も頂くことになるのだが、その始まりがこれだった。

 

テンドーさんと出会ったときの、あの人の年齢を超えてしまった今、ふと自分に問うことがある。

 

俺はあの人のように、憧れられる存在になっているだろうか?

及ばずとも、他人を情熱に駆り立てる存在であれるだろうか?

と。