192.回想日記~なめたらアカン、ロンドン③~ | Spring Breeeeze~♪

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1990年代前半の英国留学日記です。

現在の英国は随分変わっております。

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フロントの親父に事情を説明して、「30分ほど前、2階に人が大勢いなかったか?」と聞いたけど、

「いやぁ、人なんかいなかったと思うよ。
誰かお客が来たら呼び鈴を鳴らすだろうけれど、それもなかったしね。
不審者の出入りなんかなかったのにねぇ。」


・・・んーなわけないですけど?
不審者の出入りではなく、お客なのか身内なのか分からないけれど、とにかく内部の人間が怪しいだろう?

「泊まっている人とかが団体で帰ってきたりしなかった?
私、シャワー浴びている時にたくさんの人の話し声がすごく聞こえたのに。
あなたは聞こえなかったの?」


「宿泊客の出入りまではチェックしていないし、そんなのをいちいちチェックしていたら大変だからね。
僕は奥に引っ込んでいたから、もしも宿泊客の出入りがあったとしても、わからなかったかもしれないねぇ。
でもそんなに大勢なら気がつくはずだけど、そういうのは全く気がつかなかったよ」


宿の親父はまじめで真摯な感じがするし、嘘をついているようには見えない。
ただ、私がシャワー音の中でも聞えた話し声が、私達の真下にいる親父が全く気配すら気がつかないって、そんなことあるんだろうか?
いや、あるのかなぁちょっと不満
シャワー室から私達のお部屋までの距離と同じくらい下方に離れたところに、フロントはあるのだけどなぁちょっと不満

「オートロックの扉の鍵のかかり方が悪かったのだけど、今までにもこんなことっておきてないの?」

「部屋に泥棒なんて、初めてだよ。
だけど部屋に人がいたんでしょ?
そんなところに泥棒が入るなんて考えられないよ。
本当に盗まれたのかい?間違いない?」


「私がシャワーを浴びに行く前に荷物整理をしていてそのときはあったんだから、間違いない。」

「・・・・どうする?

・・・・あぁ・・・・警察に連絡しようか?」

「ええ、お願い!」



程なくおまわりさんが2人、やってきました。
現場検証で、お部屋にまで2人のおまわりさんがきました。

できるだけいろいろ触らずにそのままの方がいいと思って荒らされたままにしておいたのだけど、きたないお部屋に入ってこられたときはやっぱり恥ずかしいですあせる
仕方ないか。

私は、シャワーを浴びに行く前から戻ってきた時の状況、おかしなところ、気がついたことなどを説明し、質問されたことにも答えて言ったのですが
やはり動揺は隠せませんあせる

泥棒が入ったんだガーン
知らない、変な人間が、たぶん複数名、ひょっとしたらわんさか入っていろんな物を触って物色したんだガーンガーン

で、マエダさん、あんなに人が入ってワサワサしていても、起きないぐらい疲れてんだーキョロキョロ

なによりも
泥棒に入られたことよりもお金を取られたことよりも
もう二度と手に入らない、お金では買えない「ヨーク&ケンブリッジ」の貴重な旅行の写真のフィルムが戻ってこないことが一番悲しい。


u.k.時代の大部分を一緒にすごしてきてくれた、いろんな思い出たっぷりの“財布”がなくなったことが、本当に悲しいえーん

もういろんなことが頭の中でぐるんぐるんまわっています
落ち着きのない、動揺を隠せない状態で、おまわりさんと話していたのだと思いますネガティブ

若い方のおまわりさんが、きっと私を気遣っていろいろ気を紛らわすような話もしてくれました。
 

日本人は好きだよ。
ロンドンには日本人はたくさん旅行に来るけれど、皆礼儀正しいし穏やかだしね。
日本にはまだ行ったことないんだ。
空手を習っている。
空手は日本のスポーツだよね? 
いつか日本に遊びに行ってみたいと思ってるんだよ。
日本に行くなら、どこへ行くべきかな?
東京くらいしか知らないんだ。


とか

ケンブリッジ、バース、ボーンマス、u.k.のいいところばかりに住んでいたんだね。
僕はロンドンしか知らないからうらやましいよ。
どの街が一番気に入った?


とかとか

名前や国籍、ステイ先にステイ目的、連絡先、同じくマエダさんについてもいろいろ聞きながら、いろんな関係ない話を交えて気を紛らわせてくれて。

私もそれに答えているうちに、幾分落ち着いてきて。



最後に
「彼が無事でよかったね。
彼はぐっすり寝込んでいてよかったのかもしれないよ。」


とおまわりさんに言われて、はたと気がついた。
言われるまで気がつかない私も薄情で自己中な奴かもしれないが、本当に言われてはじめて気がついた。

寝込んで起きないから泥棒に入られたとしか考えていなかった私だけど、逆に私がシャワー室にいたときに感じた「大人数」の泥棒だったとしたら、しかもどこの国の人か分からない人たちだし、マエダさんがいようがいまいが、起きてようが起きてまいが、入ってこられてもしもマエダさんが起きたなら・・・

刺されてたかもしれないじゃないかーー叫び叫び叫び叫び

ほんと、そうだわ!
そう思うとマエダさんがぐっすり寝込んで起きなかったことを、「よかった~!」と心から思うことができました。
よくよく考えたら、Yちゃんは一人でお部屋で寝泊りしていたわけで、Yちゃんこそ狙われなくてよかった。

外国、ロンドン、なめたらあかん。

マエダさんは翌日日本に帰国で、マエダさんが帰国後はYちゃんと二人でここにもう少し宿泊する予定だったのだけど、もちろん別のお宿に移りました。

怖くていやな思いをした一件でしたが、マエダさんや一人部屋だったYちゃんが無事だったこと、おまわりさんが仕事とはいえとてもとても気づかってくれた思いやりとか、凍った心にほっこりあったかいものも感じた一件でした。

 

 そうそう、その後秋になって帰国後、日本の自宅にこの警察からお便りが届きました。


その後新しい発見はないけれど、何か思い出したことなどあればまた連絡くださいね。


あのあとイギリスを楽しまれてますように、無事に日本に帰国されてお元気にされてますように、みたいな内容だったと思います。


その気遣いにまたほっこりしたのでした。


 

 

 

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