AIの危険性は測りやすい。
記憶力が落ちる。
考える力が弱まる。
学習をAIに任せすぎる。
こうした損失は、今ある物差しで見える。
だから私たちは、
AIのリスクについて語ることができる。
しかし、
AIの本当の価値は、
まだ測れていないのかもしれない。
麻酔が登場した時、
人々は危険性を語ることはできた。
けれどその先に生まれる、
心臓手術。
脳外科。
移植医療。
そんな未来までは想像できなかった。
新しい技術はいつも、
既存の仕事を奪うだけではなく、
まだ名前のない能力や仕事を生み出してきた。
AIもきっと同じだと思う。
大切なのは、
AIを恐れることでも、
盲信することでもない。
AIに思考を預けることではなく、
AIと共に新しい問いを見つけること。
私は29年間、
2万人を超える方々の「声」と向き合ってきた。
その中で感じるのは、
人間の知性には、
まだ数値化できない領域が存在するということ。
違和感を感じる力。
言葉になる前の感情を受け取る力。
沈黙の意味を理解する力。
そして、
人を感じる力。
これらは、
今のAIが最も苦手とする領域でもある。
測れないから価値がないのではない。
むしろ、
測れないからこそ、
これからの時代に残る価値なのかもしれない。
AI時代に問われるのは、
AIに何ができるかではなく、
人間にしかできないことは何か。
私はその答えのひとつが、
「人を理解する力」だと思っている。
この考えは、
2026年6月30日に公開されたAeonのエッセイ
「Illegible benefits」に触れたことをきっかけに、
技術革新の歴史と、
29年間の声の鑑定現場で感じてきたことを重ね合わせながら考えたものです。
あなたは、
AI時代に失いたくない人間の能力は何だと思いますか?
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