佐藤愛子さんの作品を、若い頃から愛読してきた。

『血脈』上下刊で、愛子さんの荒ぶる魂の源に触れた。ご両親、異母きょうだいであるサトウハチロウきょうだいとその母、父親を生涯において支える詩人、どの人も哀しみと、狂気と、愛おしさが、らせん状にからまっている。

愛子さんは、北海道浦河に別荘を求めてから、不思議な現象に巻き込まれる。そして、自分は、前世で、この地で果てたアイヌの女性リーダーであったことを知るのだった。

愛子さんの文章は、生き方通りに、いつでも真摯だ。
その真摯さゆえに怒りがわき、思いがけず、ユーモアを生む。本物だと感心する。

この映画をまだ見ていないが、原作は読んだ。

愛子さんのお母様は、女優だった。女優を続けたかったのに、愛子さんの父が(売れっ子作家)無理に結婚相手として、お母様の夢を諦めさせた。

愛子さんの作品が映画となり、お母様の魂は、喜んでいるに違いないと思った。

愛子さんの父方の祖先は、青森県弘前市に住んでいた。宮城県の多賀城、秋田県の雄勝城と、次々にエミシたちを従属させ、大和朝廷の侵略は北上する。

津軽エミシは、自分たちのいのちとすみかを守るために、誇りをかけて闘っただろう。

私が佐藤愛子さんを好きなのは、愛子さんの生き方から、こうした誇りと、温かな愛情が伝わってくるからだ。

さまざまな作品があるので、めぐり合いの季節に、そっと、そばで励ましてくれる作品に出会うと思う💐